ソフィア・コッポラ監督最新作!カンヌ国際映画祭監督賞受賞『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』2/23(金)公開

The Beguiled/ビガイルド欲望のめざめソフィア・コッポラ監督最新作『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』が2018年2月23日(金)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国公開される。
長編6作目にしてはじめてスリラーに挑戦した本作で、見事2017年カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したソフィア・コッポラ監督。女性監督としては56年ぶり2人目の受賞というニュースをもたらしたソフィア作品の新たな魅力を感じられる作品となっている。
舞台は1864年のバージニア州。南北戦争から隔離された女子寄宿学園に暮らす美しき7人の女性たちは、森の中で負傷した北軍兵士のマクバニーを見つけ、手当をしてかくまうことに。突如、男子禁制の園に野性的な男性が加わったことで戸惑う女たち。ところがハンサムなマクバニーの紳士的かつ社交的な人間性が次第に明らかになるにつれ、誰もが浮き足立ち、心をときめかせるように。そしてそのささやかなときめきは、次第に互いを牽制しあう危険な嫉妬と野心に変化。純真な聖女たちの抑圧されていた欲望があらわになったとき、秩序を保ってきた女の園は思わぬ事態に見舞われる……。

目次

『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』劇場鑑賞券プレゼントのご案内

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※プレゼントは終了いたしました。たくさんのご応募ありがとうございました!

2017年5月、ミヒャエル・ハネケやジャック・ドワイヨンら名だたる巨匠たちを抑え、本作で2017年カンヌ国際映画祭の監督賞を受賞したソフィア・コッポラ。女性としては史上2人目、なんと56年ぶりの快挙を成し遂げ、世界中から拍手喝采を浴びた。
映画監督としてはもちろん、フランシス・フォード・コッポラの愛娘として生まれながらに注目を浴び、ファッション業界からもリスペクトを集め、最近ではオペラの演出も手がけるなど幅広く活躍。彼女が生み出すとびきりポップでかわいらしい世界観は多くの女性たちから支持を集め、ガーリーカルチャーの旗手として絶大な人気を誇ってきた。
そんなソフィアも、今や2人の娘を育てる母。映画監督としても女性としても成熟期に入った今、長編6作目の題材に選んだのはトーマス・カリナンの小説「The Beguiled」。1971年にドン・シーゲル監督&クリント・イーストウッド主演で『白い肌の異常な夜』として映画化されたが、ソフィアはあくまでもリメイクではなく女性視点で描くことに注力して原作小説を脚本化。これまでのイメージを大きく覆すスリラーに挑戦した。
ただし映画をふんわりとヴェールで覆うのは、うっとりするような美女たちがリボンやフリルが施されたドレスに身を包み、淑女然とした言葉遣いで会話するソフィアらしい世界観。そこに、より精度を増した緻密かつ鋭い人物描写を融合させ、嫉妬と欲望渦巻く女性たちのダークな一面を赤裸々にあぶり出している。見るものを恐怖と耽美の世界に誘う、新境地にして集大成とも呼べる極上のスリラーの誕生だ。

The Beguiled/ビガイルド欲望のめざめ

 

ソフィア・コッポラ映画史上かつてない豪華なキャストが集結!

学園をまとめる園長のミス・マーサ役には、ハリウッドを代表するトップ女優でありながら、最近では『パーティで女の子に話しかけるには』でパンク・クラブの風変わりなオーナー役を大胆に演じるなど、新たな役にも果敢に挑戦するニコール・キッドマン。そして大人から子供にまで愛想を振りまくマクバニーを演じたのはコリン・ファレル。誰もがうらやむハーレム状態から一転、人生を狂わせていく男の運命を、ときにセクシーに、ときに滑稽に演じている。
『ヴァージン・スーサイズ』や『マリー・アントワネット』でおなじみのキルスティン・ダンストが純粋な教師のエドウィナを、そして周囲を出し抜いてまでマクバニーを誘惑する、早熟な少女アリシアを『SOMEWHERE』のエル・ファニングが演じるなど、ソフィア作品おなじみの女優も集結。さらに『サウスポー』でジェイク・ギレンホールの娘役を熱演したウーナ・ローレンスや、『ナイスガイズ!』、『スパイダーマン:ホームカミング』など話題作への出演が相次ぐアンガーリー・ライスをはじめ、エマ・ハワードやアディソン・リーケなど、今後の活躍が期待されるフレッシュな若手女優たちも生徒役に扮し、映画に可憐な花を添えている。

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ソフィア・コッポラが惹かれた女性の集団心理と南北戦争

『ヴァージン・スーサイズ』では姉妹、『マリー・アントワネット』では宮廷、『ブリングリング』では窃盗団など、集団における人間関係を積極的に描き続けてきたソフィア・コッポラ。特に女性同士の微妙な駆け引きや男性が入ることで起こる変化に興味を持ち、本作で「人生のステージが異なる女性同士の関わりあいを見てみたかった」と語る。
ただし映画版の『白い肌の異常な夜』を見た際、ストーリーの異様さと予期せぬ展開に惹かれたものの、リメイクを作るという考えはなかった。それよりもトーマス・カリナンの原作小説に立ち返り、女性視点で再解釈することを思いつく。特に興味を惹かれたのは南北戦争という時代設定。男性中心にまわっていた南部女性たちの世界が、戦争で男性がいなくなったことでどう変化したのか。そして純潔を守ってきた女性たちが、ひとりの男性の登場によってどう変化していくのか。一貫して描き続けてきた集団心理を、南北戦争という特異な時代設定を通して、強かでパワフルな女性のドラマに昇華させた。

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キャラクターに息を吹き込んだ豪華キャストたち

コリン・ファレルと会い、彼の自然なアイリッシュアクセントを聞いたソフィアは、「マクバニーを女性たちにとってよりエキゾチックな存在にするために使えると思った」と言い、原作に忠実にアイルランド人として描いた。ただし“お金をもらって別の男の代わりに従軍している”という原作の設定は変更。その理由を「明らかな悪者じゃなく、女性たちが『彼のことを信じたい』と思えるような魅力的な人物にしたかった」と語る。
『誘う女』など、ニコール・キッドマンが演じるちょっとねじれた役どころが大好きだったソフィアは、脚本の執筆段階から彼女をイメージ。マーサ役にユーモアと感情を吹き込んだだけでなく「威厳を持って演じてくれた」と絶賛する。
ニコールをはじめ、キルスティン・ダンストやエル・ファニングら女性陣は、南部女性を演じるため広範囲にわたって準備。インクにつけて書くペンを使った筆記体のレッスンや、止血帯の使い方、エチケットやダンスのレッスンなどが行われ、登場人物たちがどんな価値観で育てられたのか、どれほどの社会的な制約が課されていたのかを含めて役作りに反映した。

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閉鎖された土地の空気感をフィルム撮影で再現

撮影は2016年10月下旬から始まり、26日間でクランクアップした。撮影を担当したのはアカデミー賞ノミネート経験を持つフィリップ・ル・スール。撮影開始の1年前から準備を始め、銀盤写真を見るなどしてリサーチ。ヴィンテージのレンズを使ってフィルム撮影を敢行し、ボディランゲージがよく見えるよう1.66:1の画面アスペクト比を採用した。また電灯照明が導入される10年以上前の設定のため、多くのシーンで日光を最大限に活用。自然光が足りないときはロウソクで補った。オープニングでエイミーがマクバニーを見つける森の中のシーンは、ソフィアとル・スールが黒澤明監督の『羅生門』からインスピレーションを得た場面。ニューオーリンズのシティ・パークで行われた。

 

幻想的な世界観を構築したプロダクション・デザイン

プロダクション・デザインを担当したのは、これまでも多くのソフィア作品で独自の世界観を構築してきたアン・ロス。ソフィアと時代考証することからスタートし、インスピレーションを受けた作品は映画『ピクニックatハンギング・ロック』、『テス』、ヒッチコックのサスペンス作品や画家ジョン・シンガー・サージェントの肖像画まで多岐にわたる。
劇中に登場する学園のキッチンやダイニング、外観など核となるシーンは、実在のメイドウッド・プランテーション・ハウスを使用。ここは19世紀半ばに建設されたアメリカで最も完璧なギリシャ様式の大邸宅のひとつと言われ、ビヨンセのアルバム「レモネード」の収録曲「ソーリー」のPVにも登場した場所。ただし自由に内装や家具に手を加えられない国定歴史建造物であるため、ニューオーリンズにある個人所有の住居を応接室や音楽室、寝室などに使用。聖書や燭台や楽器など様々な小道具を揃えてセットを作り上げた。食事のシーンのために調達したヴィンテージの銀食器は、銀磨きに時間を割く余裕がなかったであろう時代設定を考え、変色させて使用するこだわりも。

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美しい女性たちが纏うハンドメイドの衣装

ロケーションや小物に加えてキャストの気分を盛り上げたのは、ステイシー・バタット率いる衣装チームによる手作りのドレス。戦争による物資不足から洋服をあまり持っていなかったと考え、洗って色あせさせ、太陽光にさらすことでさらに退色させるなど、細やかな手が加えられている。また、現代女性の目にも信憑性や現実味を与えて魅力的に映るように配慮し、大きく膨らんだスカートではなく現代でも着られるようなドレスをデザイン。色あせたパステルカラーのドレスをまとった女性たちの集団を作り上げることで、泥にまみれたボロボロのマクバニーとのコントラストをより強調している。

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ストーリー
アメリカ南部の世間から隔絶された女子寄宿学園に暮らす美しき女性7人。
ある日、負傷した北部の敵兵に遭遇し屋敷へと運び手当をする。女性に対し紳士的でかつ美しい男性と触れ合う中で、誰もが彼に心を奪われていく。しかし、次第に彼女たちは情欲と危険な嫉妬に支配されてしまう。秩序を守るか、欲望を取るか、彼女たちが最後に下した決断とは……。

 

作品タイトル:『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』
出演:ニコール・キッドマン『LION/ライオン ~25年目のただいま~』『めぐりあう時間たち』
エル・ファニング『ネオン・デーモン』
キルスティン・ダンスト『マリー・アントワネット』
コリン・ファレル『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』
監督:ソフィア・コッポラ『SOMEWHERE』『マリー・アントワネット』『ロスト・イン・トランスレーション』
2017/アメリカ/93分/英語/ヨーロッパビスタ/ドルビーデジタル/原題:The Beguiled
提供:東北新社
宣伝:REGENTS
配給:アスミック・エース  STAR CHANNEL MOVIES

公式サイト:beguiled.jp
コピーライト:(c)2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

2018年2月23日(金)TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国公開

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