第68回カンヌ国際映画祭批判家週間正式出品『ガザの美容室』6月23日(土)公開!本作の一般先行試写会に5組10名様ご招待

ガザの美容室パレスチナ自治区ガザの小さな美容室を舞台に、突如戦火の中に取り残された13人の女性たちを描いた映画『ガザの美容室』が6月23日(土)より、アップリンク渋谷、新宿シネマカリテほかにて全国順次公開となる。第68回のカンヌ国際映画祭批評家週間に出品され話題を呼んだ本作は、ガザで生まれ育った双子の監督タルザン&アラブ・ナサールによる初の長編で、戦争状態という日常を生きる女性たちをワンシチュエーションで描き、戦闘に巻き込まれ、監禁状態となった人々の恐怖を追体験する衝撃作である。
このたび、本作の公開に先駆け、下記日程において一般先行試写会の実施が決定いたしました!皆様のご応募を心よりお待ちしております。※応募締切:6月3日(日)

目次

『ガザの美容室』 一般先行試写会5組10名様ご招待!

【日時】6月11日(月)17:45開場/18:00開映(上映時間84分)
【場所】アップリンク渋谷(東京都渋谷区宇田川町37-18 トツネビル1階)
※試写会後にアンケートのご協力をお願いいたします。

プレゼントは終了いたしました。たくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。

パレスチナ、ガザの小さな美容室を舞台に、
戦争状態という日常をたくましく生きる13人の女性たちを描く。

極限状態の中、女性たちは平静を装うも、マニキュアを塗る手が震え、小さな美容室の中で諍いが始まる。すると1人の女性が言う。「私たちが争ったら、外の男たちと同じじゃない」――いつでも戦争をするのは男たちで、オシャレをする、メイクをする。たわいないおしゃべりを、たわいない毎日を送る。それこそが、彼女たちの抵抗なのだ。

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監督は本作についてこう話している。「世界の人々は、パレスチナ人が苦しみを語ることを期待している。でも僕らは、戦争よりも暮らしを描くことが大切なんだと信じている。パレスチナの女性は、虐げられているかのように、外の世界のことは何も知らないかのように思われ描かれる。だけど彼女たちは戦争中だって常に人生を選択している。僕らは、そんな人々の暮らしを映画にしたかったんだ。死ではなく人生を描きたい。ガザ侵攻で人々が殺されている時に、僕らが負った責務は、彼らの人生を語ることだった」

本作の原題『DEGRADE』は、
フランス語で「退廃」、またその名前を付けたヘアスタイルを意味する。

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PRODUCTION NOTE

本作のアイデアは、ガザ地区で生まれ育った監督たちの個人的体験から生まれた。
「あそこは日常生活が不条理と抑圧で満ちあふれているんだ。長年、ガザ地区で悲劇的な退廃を目の当たりにしてきた僕らには重大な疑問が消えずにあるんだ。それは“軍事占領され内部分裂が起きている場所に住んでいて、どうやって住民は未来を思い描くのか”ということだ」と監督は語る。
この作品は2007年にガザ地区で起き、新聞の見出しを飾った実話をもとにしたという。 “ライオンに自由を”作戦は、自治政府ハマスが、ガザの強大なマフィアに対して行ったものだった。ハマスはその目的を、マフィアが地元の動物園から盗んだライオンを救出することだと宣言したが、激しく血なまぐさい衝突に発展したことは言うまでもない。「僕らは想像してみたんだ。もし実際に通りの反対に美容室があったらどうだっただろう、そして女性たちは戦闘に巻き込まれたことに気づいたら、どう対処しただろうってね」(ナサール監督)

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本作では年齢も素性も違う13人の女性が、ガザ地区に住む自分たちを苦しめている、果てしなく続く暴力に対して、共通の無力感を抱いていることに気づく。ユーモアもあるが辛辣な彼女たちの姿を通して、現在のガザ地区が抱えている悲惨な状況が見え隠れする。
キャスティングについては、ヒアム・アッバスなど才能豊かなベテラン女優と、今回が初出演の素人たちが混在するよう、5ヵ月かけて女優陣を選んだ。その後1ヵ月半のリハーサルを行い、ガザ地区で実際に話されているアラビア語と、自然な演技を大切にした。

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撮影準備をしていた2014年7月、イスラエルによるガザ侵攻が始まったため、ガザでの撮影は中止。2014年の9月と10月に、ヨルダンのアンマン郊外で撮影が行われた。
息苦しさを強めるために、美容室の中というワンシチュエーションで撮影することにしたという。女性たちはこの小さな場所に押し込められているため、外で起きていることは、ガラスのドア越しか、カーテンの後ろからしか見えない。なめらかなカメラワークで始まり、ストーリーが展開していくと、カメラはハンディに切り替わり、余計なものを映さず素早い動きでとらえる。それによって視覚的な緊張感が増し、キャラクターたちの恐怖と監禁状態を観客は追体験することになる。

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ガザ侵攻で一般市民が二千人以上死亡し、監督たちは映画のテーマについて考え直さざるを得なかったという。しかし、プロジェクトを続けることにした理由をこう語る。
「ガザ侵攻で人々が殺されている時に、僕らが負った責務は、彼らの人生を語ることだった。テレビやマスメディアは死を伝えるけど、日々の生活や本当の暮らしぶりには無関心だ。まるで爆撃がないガザ地区には価値がなく、重要でもなく、存在すらしていないかのように。あらゆる困難をものともせずに暮らし続ける人々を、僕らは代弁し続けなきゃならないんだ」。

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ストーリー
パレスチナ自治区、ガザ。クリスティンが経営する美容室は、女性客でにぎわっている。離婚調停中の主婦、ヒジャブを被った信心深い女性、結婚を控えた若い娘、出産間近の妊婦。皆それぞれ四方山話に興じ、午後の時間を過ごしていた。しかし通りの向こうで銃が発砲され、美容室は戦火の中に取り残される――。

ガザの美容室

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極限状態の中、女性たちは平静を装うも、マニキュアを塗る手が震え、小さな美容室の中で諍いが始まる。すると1人の女性が言う。「私たちが争ったら、外の男たちと同じじゃない」――いつでも戦争をするのは男たちで、オシャレをする、メイクをする。たわいないおしゃべりを、たわいない毎日を送る。それこそが、彼女たちの抵抗なのだ。

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作品タイトル:『ガザの美容室』
出演:ヒアム・アッバス、マイサ・アブドゥ・エルハディ、マナル・アワド、ダイナ・シバー、ミルナ ・ サカラ、ヴィクトリア ・ バリツカほか
監督・脚本:タルザン&アラブ・ナサール
字幕翻訳:松岡葉子
提供:アップリンク、シネ・ゴドー
配給・宣伝:アップリンク
(2015/パレスチナ、フランス、カタール/84分/アラビア語/1:2.35/5.1ch/DCP)

公式サイト:http://www.uplink.co.jp/gaza/
2018年6月23日(土)より、アップリンク渋谷、新宿シネマカリテほか全国順次公開

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