【応募終了】スタンリー・キューブリック没後20年特別企画『キューブリックに愛された男』一般試写会10組20名様ご招待

今なお世界に多大なる影響を与え続ける映画監督スタンリー・キューブリック没後20年を迎えた今年、知られざるキューブリックの総てを描いた秀作ドキュメンタリー映画『キューブリックに愛された男』(原題:S is for Stanley)が、『キューブリックに魅せられた男』との史上初のカップリング上映で11月1日(金)より公開となる。

没後20年のメモリアル・イヤーに相応しく、2019年4月にはロンドンで大規模な「キューブリック展」が開催され、5月のカンヌ映画祭ではアルフォンソ・キュアロン監修による4K版『シャイニング』の上映が大きな話題となり、11月にはその『シャイニング』の40年ぶりの続編である『ドクター・スリープ』が世界公開を控えるなか、本作は世界的な巨匠の仕事からプライベートまでを深く語り尽くした内容となっている。

この度、本作の公開に先駆け、10組20名様を試写会にご招待いたします。話題の本作をひと足早くお楽しみいただける貴重な機会となりますので、どうぞお見逃しなく・・・!

目次

『キューブリックに愛された男』一般試写会10組20名様ご招待!

【日時】10月29日(火) 18:30開場/19:00開始 (上映時間:82分)
※開場・開演時間は変更になる可能性がございます。

【場所】シネアーツ
(東京都新宿区市谷本村町2-5 AD市ヶ谷ビル)
※応募締切:2019年10月17日(木)
※プレゼントは終了いたしました。たくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。

※当選の発表は、当選者ご本人様への当選通知メールをもって代えさせていただきます。

キューブリックを知らなくても観られる。
天才監督に仕えた一人の男の物語。

『博士の異常な愛情』、『時計じかけのオレンジ』、『バリー・リンドン』、『シャイニング』、『フルメタル・ジャケット』……完璧主義者で知られる映画監督、スタンリー・キューブリックが映画史に残した神話の数は計り知れない。独創性、才気、興行的な先駆性、融通無碍なジャンル横断。その彼が『アイズ ワイド シャット』撮了直後に急死してから、すでに20年もの時が流れたが、今もなお、彼が生み出した作品は世界中で上映がつづいている。しかも世界各地で開催されている大規模な「キューブリック展」が活況を記録し、キューブリック映画を同時代の封切りで経験してこなかった若い世代のキューブリック信奉者まで増えつづけている。

本作は、そんなキューブリックの専属ドライバーであったエミリオ・ダレッサンドロの目を通して、奇妙な出会いや神経質なキューブリックの生活様式、動物に囲まれ穏やかな日常など、これまで描かれなかった巨匠の普段着の姿が、2人の厚い友情と共に浮かび上がるハートフルな仕上がりになっている。“映画監督スタンリー・キューブリック”では見せない姿が映し出された作品だ。

1942年生まれのイタリア人、エミリオ・ダレッサンドロ。キューブリックとの出会いは唐突だった。1970年の雪の夜、当時ミニキャブの運転手だったエミリオは所属する会社に頼まれ、荒天の中「ある物」の運搬を請け負った。その仕事ぶりを気に入った依頼主はエミリオを自分の専属の運転手として雇いあげることを決める。その依頼主こそがキューブリックだった。車の運転は一流だが、映画のことは何も知らないエミリオと、稀代の映画監督スタンリー・キューブリック。2人の30年にも及ぶ主従関係と友情はこうして始まった。

キューブリックに愛された男

本作ではキューブリックの生活信条が作品のそこかしこに現れ、我々を笑いを誘う。たとえば、監督夫妻と3人の娘、さらには愛犬、愛猫などが住む館は映画製作の現場でもあるのだが、そこにはキューブリックの真髄を表す言葉が掲げられていた。【1.ドアを開けたら閉めること、2.明かりをつけたら消すこと、3.錠を開けたら、かけること、4.物を壊したら直すこと、5.自分で直せなければ直せる人を呼ぶこと、6.物を借りたら返すこと、7.物を使うなら大事に扱うこと、8.散らかしたら片づけること、9.動かしたら元の場所へ戻すこと、10.他人の物を使う時は許可を得ること、11.使い方が分からぬ時は手を出さぬこと、12.自分が関与せぬことには干渉しないこと】。監督の完璧主義とともに、粘着性、人間的といっていいのか非人間的といっていいのかわからない論理的な気質も垣間見える。

キューブリックは細々とした指示を、メモや電話でひっきりなしに寄越す。それに応えれば応えるほど、日々こなさなければならない用事が増えていく。車の運転やメンテナンスだけでなく、食材の買い出しや犬猫や他の動物の世話まで。『キューブリックに魅せられた男』のレオン同様、エミリオも家族との時間を失ってゆき、仕事でも日常でもすべての要求を受け入れざるを得なくなる。

キューブリックに愛された男

 

キューブリックに愛された男

エミリオはそれらの仕事を黙々とこなし、『バリー・リンドン』、『シャイニング』、『フルメタル・ジャケット』、そして一旦イタリアへの帰郷を祝ってもらっても、キューブリックの策謀によりイギリスに引き戻され、遺作となった『アイズ ワイド シャット』の製作を監督のすぐそばで見守ることとなった。キューブリックの人間力に深く侵食されながら、その作品の天才性に気づくのは、イタリアに一旦戻って、愛妻と部屋で初めて作品を観たことだった、という興味深い挿話もある。

ここで描かれるキューブリックはもちろん、完璧主義者の天才映画監督だが、プライベートの姿も強調されていて、笑いを誘う滑稽味、温かみまで感じられる。自分で車を運転して壊してしまったり、エミリオの息子が事故に遭い、瀕死の重傷を負ったときも、治療について、惜しみない援助を申し出たりしている。イタリア人のエミリオが英語で訥々と語る、語り口も相まって、キューブリックとエミリオの間には、製作現場とは違う空気が流れていたと感じられる。

共通点のない、まったく正反対のこの2人が少しずつ互いを理解、尊重していく物語。異国の地で出会った2人が互いを慈しみあい、共にいる姿に心が揺さぶられる。

キューブリックに愛された男

本作の監督はアヴァンギャルドなミュージック・ビデオの監督からキャリアをスタートさせ、2000年にカンヌ国際映画祭批評家週間でプレミア上映された最初に手がけた長編映画『Almost Blue』〈未〉(00)で数々の賞に輝いた、イタリア人のアレックス・インファセッリ。エミリオに指示を出すスタンリー・キューブリックの声は、俳優のクライヴ・リシュが担当した。エミリオが大事に保存していた数々のキューブリック自筆のメモや映画に使用された小道具が作品に彩りを添える。本作はローマ国際映画祭でプレミア上映され、2016年ダヴィッド・ディ・ドナテッロ(イタリア・アカデミー賞)最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した。

第10回ローマ国際映画祭上映作品

ストーリー
エミリオ・ダレッサンドロはイタリア系の移民。元々は才能溢れるレーシング・ドライバーとして、将来を嘱望されていたが、新天地を求め移住したロンドンではレーサーの職は得られず、タクシー運転手として家族と平凡な生活を送っていた。1970年の雪の夜、ホークフィルムという会社からエミリオに奇妙な仕事の依頼が入る。「人ではなく、ある“モノ”を撮影スタジオに運んで欲しい」。悪天候に加え、その現物は車に積むには大き過ぎたが、エミリオはなんとか無事にスタジオまで送り届けることが出来た。映画に興味のない彼は、そこで何が行われ、直接の雇い主が誰かなど特に気にはかけなかった。後日、そのホークフィルムから「我が社の代表が挨拶したい」と連絡が入る。それがキューブリックとエミリオの出会いだった。レーサーとしての実績を知っていたキューブリックは「あなたを自分の専属運転手として雇いたい」と申し出てきた。エミリオは快諾し翌日からアボッツ・ミードにある監督の自宅兼スタジオに通うことになった。30年に渡る2人の奇妙な友情はこうして始まるのだった…。

作品タイトル:『キューブリックに愛された男』
出演:エミリオ・ダレッサンドロ/ジャネット・ウールモア/クライヴ・リシュ
監督:アレックス・インファセッリ
2016年/イタリア/カラー/82分/ビスタサイズ/5.1ch
原題:S is for Stanley
配給:オープンセサミ
配給協力:コピアポア・フィルム

公式サイト:kubrick2019.com
コピーライト:(c)2016 Kinetica-Lock and Valentine

2019年11月1日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開

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