東京アニメアワードフェスティバルで最大のダークホースとしてグランプリを受賞して以降、世界各地の映画祭で快挙を続けてきた台湾発の長編アニメーション映画『幸福路のチー』が、11月29日(金)より、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町他で公開となる。
長く疎遠にしていた故郷、台北郊外の幸福路(こうふくろ)に帰省した主人公チーは、すっかり様変わりした景色を前に、今の自分もまた、昔思い描いていた姿とはかけ離れている気がして立ち止まる。幼い頃、幸福路に引っ越してきた日を出発点に、これまでの人生をたどりはじめたチーは―――。
今回、解禁となったのは、空想好きだった少女チーの頭の中に広がるポップでファンタジックな夢の世界。予告編にも収録していなかったポップなシーンを一足早くお届けする。
父親が働く小さな工場は、チーにとっては大好きなアイスクリームが生まれる夢の空間。従兄のウェンにいさんが、戒厳令下の台湾で禁書とされる書物のせいで警察に呼ばれた話を聞くと、チーの頭の中では悪と戦う王子様の話が広がる。家族とのほっこりエピソードも激動の台湾史を反映したシリアスなエピソードも、ファンタジックな映像でよみがえる―。
実写映画の経験を持ち、今作で初めてアニメ―ションという手法を選んだソン・シンイン監督は、その決断の理由について、「本作の映画化にアニメ―ションが適しているとひらめいてからは、一切の迷いはありませんでした。アニメーションは妄想好きの主人公の頭の中を表現するのに適していますし、そして人の成長に伴う暗さや残酷さや痛みも、アニメーションにすればファンタジーの要素を帯び、童話のような味わいが出て見やすくなるでしょうから。現実と幻想を織り交ぜて語りたかったのです」とコメントしている。
橋から見る夕暮れ、
懐かしい匂い、
幸福路で出会ったのは 忘れていたあの日のワタシ―。
本作は、1975年生まれのひとりの女性の半生を追う。
無邪気な少女時代、親の期待に応えることが至上命題だった学生時代、理想とは違う社会、友人との別れ、そして新しい出会い―。その背景には、台湾語禁止の学校教育、少数民族である祖母との関係、学生運動など、戒厳令の解除を経て民主化へと向かう現代台湾の大きなうねりが描かれる。
チーの人生を追体験しながら観客はいつしか自分の半生を振り返り、映画の中に懐かしい人の顔を見つけるはずだ。
ストーリー
チーは祖母が亡くなった知らせを受け、長らく疎遠にしていた故郷、幸福路に帰ってくる。記憶にあるのとはすっかり変わってしまった景色を前に、チーは人生、そして家族の意味を考え始める。子どもの頃の夢、老いていく親、大人になった自分。「あの日思い描いた未来に、私は今、立てている?」。実は人生の大きな岐路に立っていたチーは、幸福路である決断をする――。
作品タイトル:『幸福路のチー』
声の出演:グイ・ルンメイ、チャン・ボージョン、リャオ・フェイジェン、ウェイ・ダーション
監督:ソン・シンイン
主題歌「幸福路上/On Happiness Road」 歌:ジョリン・ツァイ
台湾/111分/2017 年/中国語/1.85:1/字幕翻訳:田邉拓郎
協力:台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター
提供:竹書房、フロンティアワークス
配給:クレストインターナショナル
公式サイト:http://onhappinessroad.net/
コピーライト:(c)Happiness Road Productions Co., Ltd. ALL RIGHTS RESERVED.
11月29日(金)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国順次公開
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