台湾発の傑作アニメ―ション映画『幸福路のチー』が、11月29日(金)より、新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町他で全国公開となる。
その年の優れた海外アニメを選出する東京アニメアワードフェスティバルTAAF2018で、最大のダークホースとしてグランプリを受賞し映画祭を熱狂させたのを皮切りに、名だたる国際アニメーション映画祭で受賞を重ね、ついには2019年アカデミー賞(R)長編アニメーションの25作品にエントリーされるなど快進撃を続けてきた本作。
この度、本作への思いと、日本の観客へのメッセージを愛情たっぷりに語るグイ・ルンメイの動画メッセージが到着した。
アニメーション産業不毛の地と言われる台湾で、幾多の困難に直面しながら4年をかけて完成に至った本作だが、その制作過程での苦境を救った一人が、主人公チーの声を担当した女優グイ・ルンメイだった。
グイ・ルンメイといえば、鮮烈なデビュー作『藍色夏恋』(03)以降、日本でも人気が高いが、中国語圏ではさらなる大スターでシャネルのアンバサダーもつとめている。彼女がこの規模の作品の出演を引き受けるのは異例のことだったが、仕事先のパリに送られてきた脚本を読んで涙し、チーのボイスキャストを快諾。
実はルンメイは、『幸福路のチー』の基になった短編アニメーション『幸福路上』(13)が台北映画祭で最優秀アニメーションを受賞したときの審査員のひとりで、審査員の中で一番この『幸福路上』を気に入っていたのがルンメイだった。
「短編『幸福路上』を観たとき、台湾版の「ちびまる子ちゃん」だと思いました。台湾の歴史的背景に触れつつ、人々がどう生きていたかが丁寧にユーモアのある語り口で描かれていました。その後、ソン・シンイン監督が『幸福路上』の長編を作るときいて、ぜひ応援したいと思ったんです!『幸福路のチー』の脚本を読んだときは、主人公チーを通して過去の自分を見ているようでした。それに、作画からポストプロダクションまですべて台湾で行うという、そのメンバーに私も加わりたいと思ったのも理由のひとつです」(グイ・ルンメイ 動画コメントより抜粋)
橋から見る夕暮れ、
懐かしい匂い、
幸福路で出会ったのは 忘れていたあの日のワタシ―。
本作は、1975年生まれのひとりの女性の半生を追う。
無邪気な少女時代、親の期待に応えることが至上命題だった学生時代、理想とは違う社会、友人との別れ、そして新しい出会い―。その背景には、台湾語禁止の学校教育、少数民族である祖母との関係、学生運動など、戒厳令の解除を経て民主化へと向かう現代台湾の大きなうねりが描かれる。
チーの人生を追体験しながら観客はいつしか自分の半生を振り返り、映画の中に懐かしい人の顔を見つけるはずだ。
ストーリー
チーは祖母が亡くなった知らせを受け、長らく疎遠にしていた故郷、幸福路に帰ってくる。記憶にあるのとはすっかり変わってしまった景色を前に、チーは人生、そして家族の意味を考え始める。子どもの頃の夢、老いていく親、大人になった自分。「あの日思い描いた未来に、私は今、立てている?」。実は人生の大きな岐路に立っていたチーは、幸福路である決断をする――。
作品タイトル:『幸福路のチー』
声の出演:グイ・ルンメイ、チャン・ボージョン、リャオ・フェイジェン、ウェイ・ダーション
監督:ソン・シンイン
主題歌「幸福路上/On Happiness Road」 歌:ジョリン・ツァイ
台湾/111分/2017 年/中国語/1.85:1/字幕翻訳:田邉拓郎
協力:台北駐日経済文化代表処 台湾文化センター
提供:竹書房、フロンティアワークス
配給:クレストインターナショナル
公式サイト:http://onhappinessroad.net/
コピーライト:(c)Happiness Road Productions Co., Ltd. ALL RIGHTS RESERVED.
11月29日(金)新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国順次公開
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