『ムーンライト』や『レディ・バード』など作家性の強い作品で今やオスカーの常連となったA24と、『それでも夜が明ける』でエンターテイメントの定義を変えたブラッド・ピットのPLAN Bがタッグを組んだ『ミナリ』が3月19日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開となる。
1980年代、農業で成功することを夢見てアメリカ南部のアーカンソー州に移住してきた韓国人一家を描く本作。父親は農業で成功したいと夢見てアーカンソー州の大地に広大な土地を買うが、現実は厳しく、一家には様々な困難と予想もしない事件が降りかかる。
父親・ジェイコブ役には『バーニング 劇場版』「ウォーキング・デッド」のスティーヴン・ユァン。監督は、米国有力映画メディア「インディワイア」で2020年に「今年最高の監督10人」に、デヴィッド・フィンチャーやスパイク・リーらと共に選ばれたリー・アイザック・チョン。新海誠監督『君の名は。』のハリウッド実写版の監督として抜擢された注目の新鋭だ。
この度、優しいおばあちゃん像を覆す、毒舌&破天荒な祖母・スンジャを演じたユン・ヨジョンが、“アメリカ映画賞での演技賞22冠”を達成、韓国映画界の記録を塗り替えた。
先日、シアトル映画批評家協会が公式アカウントを通じて、受賞作・受賞者を発表。若手俳優賞(アラン・キム)、外国語映画賞とともに、ユン・ヨジョンが助演女優賞を受賞。
他にも「2020 ワシントンD.C.映画批評家協会」「ボストン映画批評家協会賞」「ロサンゼルス映画批評家協会賞」「サンフランシスコ映画批評家協会」など助演女優賞を根こそぎ受賞。
これまでも韓国の俳優たちは世界で高い評価を受けているが、シアトル映画批評家協会の助演女優賞受賞で、ユン・ヨジョンは“アメリカ映画賞での演技賞22冠”獲得。
かつてここまで世界で演技力を評価された韓国人俳優はおらず、韓国映画界の記録を塗り替える、前人未到の快挙となった。
本作でユン・ヨジョンが演じたのは、突如娘一家と暮らすこととなり、歯に衣着せぬ物言いや言動で孫たちの生活を大きくかき乱す存在。そのキャラクターさながら、まさに世界での”賞レース荒らし”ともいえる快進撃に、米メディア「Variety」はアカデミー賞の助演女優賞予測で1位にユン・ヨジョンの名を挙げている。64年ぶり2人目のアジア人女優のオスカー受賞に期待がかかる。(1人目は、1957年に映画『サヨナラ』で日本女優ナンシー梅木が受賞)
最近では、食堂を切り盛りする社長に扮したリアリティショー番組「ユン食堂」が日本でも人気を呼び、『チャンシルさんには福が多いね』『藁にもすがる獣たち』など、話題作への出演が尽きないユン・ヨジョン。“韓国のメリル・ストリープ”と称されるほど、演技力に定評があり、監督・共演者からの信頼も厚い。
チョン監督は「彼女は正真正銘のアーティストで、この道の第一人者。抜群の勘とスキルを備える、最も偉大な俳優の一人だ。アメリカへの進出を目指してこなかったから、それほど名前が知られていないけれど、もっと知られて当然の俳優だよ」とユン・ヨジョンの偉大さを熱弁。
主演のスティーブン・ユァンも「俳優として史上最も輝かしいともいえる経歴を築いてきたユン・ヨジョンが、このインディペンデント映画に出演してくれることは、僕たちにとってはすごくありがたいことなんだ」と大ベテラン女優との共演に歓喜している。
彼女は韓国メディア「CINE21」にて、昨年度『パラサイト 半地下の家族』でアカデミー賞作品賞を受賞したポン・ジュノ監督と対談しており、ポン・ジュノ監督からも「ユン・ヨジョンの55年間の女優人生で、最も可愛らしいキャラクターだ」と本作での演技を大絶賛された。
このたび解禁となったユン・ヨジョンの新場面写真には、慣れない新天地のコミュニティに溶け込むために地元教会の礼拝に参加する家族の姿が写し出されてる。
笑みを浮かべる娘夫婦とは反して、一筋縄ではいかない不敵な表情をみせる祖母・スンジャ。その表情一つで、この後、スンジャがひと波乱起こしそうな展開を予感させており、改めて彼女の表現力の高さを見せつけている。
スンジャは花札が得意で、大好きなプロレス観戦に夢中になると思わず暴言を吐いてしまう型破りなおばあちゃん。一方で、孫のデビッドのとんでもないイタズラも寛容に受け入れる。また、本作のタイトルにもなっている“ミナリ(韓国語でセリ)”を家族のために植えたりと、愛情深い一面ものぞかせている。
一足先に公開したアメリカでは、そんなスンジャの優しさが、多くの観客の心を揺さぶり感動を巻き起こしている。
作品自体もサンダンス映画祭でのグランプリ・観客賞受賞を皮切りに、ブロードキャスト映画批評家協会賞に10部門ノミネート(作品賞、主演男優賞、助演女優賞、監督賞、アンサンブル賞、若手俳優賞、脚本賞、撮影賞、作曲賞、外国語映画賞)されるなど、各国の映画祭にて早くも184ノミネート、60受賞(※TOP10選出含む/2021年2月17日現在)を記録している本作。
『ミナリ』は3月19日(金)より、TOHOシネマズシャンテほか、全国ロードショー。
イントロダクション
アメリカンドリームを胸に、逞しく生きる家族の物語は、サンダンス映画祭をはじめ世界の映画祭で<観客賞>を総なめにした。さらに辛口批評サイトRotten Tomatoesでは100%を更新中(2021年1月29日現在)。評論家からも「監督のパーソナルな物語が大きな感動と共感を与えている」と大絶賛。ハリウッド・リポーター誌、ヴァラエティ誌ほか有力誌もこぞってアカデミー賞有力作品として名を挙げている。
※「ミナリ」とは
韓国の芹(セリ)のこと。水辺に育ち、独特の香りと歯ごたえに特徴があるが、2度目の収穫のほうがおいしいとされている。成長した子供世代の幸せを願う親の気持ちをこめたダブルミーニングのタイトルとなっている。
ストーリー
1980年代、農業で成功することを夢みる韓国系移民のジェイコブは、アメリカはアーカンソー州の高原に、家族と共に引っ越してきた。荒れた土地とボロボロのトレーラーハウスを見た妻のモニカは、いつまでも心は少年の夫の冒険に危険な匂いを感じるが、しっかり者の長女アンと心臓に病を持つが好奇心旺盛な弟のデビッドは、新しい土地に希望を見つけていく。まもなく毒舌で破天荒な祖母も加わり、デビッドと一風変わった絆を結ぶ。だが、水が干上がり、作物は売れず、追い詰められた一家に、思いもしない事態が立ち上がる──。
作品タイトル:『ミナリ』
出演:スティーヴン・ユァン、ハン・イェリ、アラン・キム、ネイル・ケイト・チョー、ユン・ヨジョン、ウィル・パットン ほか
脚本&監督:リー・アイザック・チョン
原題:MINARI
全米公開日:2021年2月12日
2020年/アメリカ 上映時間:116分
配給:ギャガ
公式サイト:gaga.ne.jp/minari
コピーライト:(c)2020 A24 DISTRIBUTION, LLC All Rights Reserved.
3月19日(金)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
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