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『サンドラの小さな家』フィリダ・ロイド監督インタビュー映像到着!「初めて書いた脚本とは思えない」クレア・ダンを語る

サンドラの小さな家

米映画批評サイト「ロッテントマト」で満足度93%(2021年1月24日時点)を記録し、Variety誌が選ぶ2020年ベスト映画第4位に選出された『サンドラの小さな家』が4月2日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開となる。

本作で一躍脚光を浴びたクレア・ダンが脚本・主演を務め、『マンマ・ミーア!』のフィリダ・ロイドが監督した本作は、住む場所をなくしたシングルマザーが2人の娘たちのために再起していく感動作。

英国演劇界を代表する舞台演出家であるフィリダ・ロイドは、1999年に傑作ミュージカル「マンマ・ミーア!」演出を手がけ、その映画版としてメリル・ストリープ主演で『マンマ・ミーア!』(08)を監督。50歳を過ぎての劇場長編初メガホンながら『マンマ・ミーア!』はゴールデン・グローブ賞作品賞、英国アカデミー賞英国作品賞にノミネートされ世界的な大ヒットとなった。続く『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(11)では、再び主演に迎えたメリル・ストリープをアカデミー賞とゴールデン・グローブ賞の主演女優賞に導いた。

それから約10年、待望の3作目に彼女が選んだのは、アイルランド出身の舞台女優で、映画界ではほぼ無名のクレア・ダンが初めて書いた脚本だった。

ロイド監督は2012年から手掛けたオール女性キャストのシェイクスピア劇3部作でクレア・ダンの演技力を評価し、大役をキャスティングしている。この度到着したインタビュー映像で、本作を監督することになったきっかけはその舞台公演中で、「ニューヨークでの公演中、クレアに言われました。私が書いている脚本を読んでくれない?意見を聞かせて欲しいと。彼女が初めて書いた脚本だと知っていたので、読んでみて衝撃を受けました。何より驚いたのは彼女が言葉と映像のバランスを理解していたことです。初めて脚本を書いた人とは思えないバランス感覚でした。セリフが驚くほどリアルでクレアのダブリンでの日常が表れていました」と明かした。

サンドラの小さな家

しかし、ロイド監督は自身がメガホンを取るつもりはなかったそうだ。「最初は私が監督するとは思っていませんでした。アイルランド人が監督すると思っていたんです。だから私は友人として意見を言っただけでした。そして脚本の開発が進んでいき、ある人が私に言ったんです。クレアが書いた役はすばらしい。スターにふさわしい役だ”と。私は思いました。クレアが自分で演じるんじゃないの?と。クレアの出演が保証されるなら私が監督したいと思いました。どんどん脚本に引き込まれ意志が固まりました。そうしてクレアが主導権を維持できるようにしたんです」。

どの作品もスターをキャスティングすることが成功への近道である。しかしロイド監督はこのサンドラという役はまさに原題と同じクレア自身(“Herself”)が演じることが重要だと主張した。新しい才能にチャンスを与えたいというロイド監督の強い想いがなければ、本作は生まれなかったかもしれない。

サンドラというキャラクターについて、ロイド監督は「彼女はコミュニティーから切り離された女性です。DV被害者の女性の多くが家族や友人から孤立しています。そんな女性がコミュニティーを見つけてその中で自分を建て直すんです」と、テーマと共に語っている。本作では実際にサンドラの家が建設される過程を見ることができるのも大きな見どころだが、そのことについて尋ねると、「家が建っていく様子を見るのは神秘的な体験でした。俳優たちは毎日のようにすごい!”と驚いていました。彼らは作業をするうちにどんどん自信をつけ、本物の大工のように演じてくれました。家は生き物のようでした」と撮影現場の楽しそうな様子を振り返った。

そして「一番嬉しかったのはこう言われた時です。“これは映画じゃない、彼らは俳優じゃない”これは俳優の友人の言葉です。映画に入り込みすぎて現実だと思ったそうです。サンドラは実際に裁判中だとね。私が誇りに思うのは映画的な演出をできる限り使わないようにしたことです。観客に彼らと一体になってほしかったんです。クレアの演技をとても誇りに思います。彼女の勇気と信念に観客は目がくらむことでしょう」と、クレア・ダンを絶賛した。

常に強く魅力的な女性を描いてきたフィリダ・ロイド監督が贈る、優しさと希望に満ちた物語『サンドラの小さな家』は4月2日(金)公開。

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