『ブータン 山の教室』生徒の素直な言葉が心に響く本編映像解禁!加藤登紀子、紺野美沙子、渡辺一枝らのコメントも到着

ブータン 山の教室

ブータンの秘境ルナナ村に都会から赴任した若き教師と村の人たちや子どもたちの心の交流を描き、各国の映画祭で絶賛され、第93回アカデミー賞国際長編映画賞ブータン代表に選出された『ブータン 山の教室』が、4月3日(土)より岩波ホール他にて全国順次公開となる

標高4,800メートルの地にあるブータン北部の村ルナナ。ブータン民謡が響きわたるこの村で暮らすのは、大自然とともにある日常に幸せを見つけ生きる大人たち。そして親の仕事の手伝いをしながらも、“学ぶこと”に純粋な好奇心を向ける子どもたちだ。写真家としても活躍するブータンの新鋭パオ・チョニン・ドルジ監督は長編デビュー作となる本作で「ブータンの独自性を記憶に焼き付けたい」と人々の笑顔あふれる暮らしを圧倒的な映像美で映し出した。

この度解禁された映像には、ブータンで一番僻地にある学校へ渋々赴任した若き教師のウゲンが、子どもたちを前に最初の授業を始めるが、黒板もない教室に戸惑う一方、子どもたちの素直な言葉が印象的な本編シーンが映し出されている。

「初めての授業なので自己紹介します」と話し始めたウゲンが、名前を書こうと学級委員であるペム・ザムに「黒板は?」と聞くが「コクバン?」と黒板を知らない様子。諦めて子どもたちに自己紹介を促し、「歌手になりたいです」と答えたペム・ザムに「歌を聴かせてくれる?」と言うと、ペム・ザムは「♪あなたを見ると胸がドキドキ。いなくなると心がザワザワ。そこの彼、こっちにおいでよ。私とつきあっちゃえば?」と大人びた歌詞の歌をニコニコしながら歌う。

そして、ウゲンが次に指名したサンゲは「将来は先生になりたいです」という。「先生?どうして?」とウゲンが聞くと「先生は未来に触れることができるからです」とまっすぐに自分を見つめて答える。そんなサンゲを見て一瞬、複雑な表情をうかべるウゲン。実は教師を辞めて、オーストラリアに行き歌手になることを密かに夢見ていた彼と、その先生を夢見る子や嬉々として授業を受ける子どもたちとの出会いが、このあとウゲンの心をどう変えていくのか印象に残る場面だ。

本作は実際にルナナ村にある学校で撮影し、生徒役の子どもたちはみな村に住む子どもたちが演じている。特に劇中、学級委員として登場するペム・ザムについて、監督は「ペム・ザムが出ているシーンすべてが一番印象的だった」「彼女はどれほどの美しさ、無邪気さをこの映画にもたらしてくれたか」と振り返っている。なお、解禁された本編映像の最後には、ペム・ザムと監督が初めて会った日に、実際にペム・ザムが監督に聞かせてくれたという歌を歌うメイキング映像も収められている。

さらに今回、本作を公開に先駆けて鑑賞した加藤登紀子紺野美沙子鶴田真由八神純子ピーター・バラカン、作家の渡辺一枝、樺太アイヌ伝統弦楽器トンコリ奏者のOKI、太宰府市立太宰府小学校 浦田貴子校長からのコメントが寄せられた。

グローバル化が進み、世界の景色が単一化するいま、秘境の地で伝統を守りながら生きるルナナの人々が私たちに教えてくれることとは。その答えをぜひスクリーンで。

目次

コメント一覧(敬称略・順不同)

ヒマラヤの清涼な空気の中に、歌声が流れる。村人の暮らしにとって宝物のような動物、ヤクを称える歌だ。子どもたちの好奇心に満ちた輝く瞳と、山の神々や大自然に捧げられるこの歌声が、気付かせてくれる。大切なことは遠くにあるのでは無いことに、近代的で便利な日々にあるのでは無いことに。
渡辺一枝(作家)

村の暮らしが美しい!首都ティンプーから山のルナナへの旅も、最高!
ブータンが好きでコンサートをした私、すっかりルナナのファンになってしまいました。
加藤登紀子(歌手)

現代ブータンの発展にまずはびっくり。その対極にあるルナナの人々の純粋さと強さに心打たれ、何気ない場面に幾度も涙があふれました。人を大切に思うこと、思われることが一番の幸せだと心から思える作品です。子どもたちと今風の先生の成長をずっと見つめていたい。
紺野美沙子(俳優・朗読座主宰)

人が真の生きがいを見つけるためには、人のためになること、そしてその背景にはいつも音楽があること。『ブータン 山の教室』は、忘れてはならない大切なことを、あらためて感じさせてくれるパワフルな作品です。
八神純子(歌手)

秘境というとロマンティックな響きですが、電気も水道もない標高4,800メートルの集落で暮らすとなると厳しいものがあるはず。でも、自然環境の美しさに息を飲むものがあります。劇映画ではあるものの、多くの登場人物はありのまま、中でも9歳の女の子ペム・ザムには完璧に心を奪われてしまいます。
ピーター・バラカン(ブロードキャスター)

この映画を見ながら、かつてパキスタンの山間の村を訪れた時のことを思い出した。もう二度と会えないと思って別れた少年と20年ぶりにFacebookで繋がってテレビ電話でその家族と話をした。時は流れている。
でも、大切なことは変わらない。そういうことを気づかせてくれる旅だった。
この映画を見ながら、ずっとその時のことを思い出していた。
鶴田真由(女優)

歌とはどこで、誰のために、何をテーマに歌うのか?を教えてくれる映画です。「ルナナ ヤクのいる教室」という原題も素敵です。主題曲はもちろん、国を代表する音楽家ジグメ・ドゥㇰパさんの歌と弦楽器ダムニェンの演奏も素晴らしい。
鑑賞後ブータンとの距離が縮まり、訪れてみたい国がまた一つ増えました。
OKI(樺太アイヌ伝統弦楽器トンコリ奏者)

「教師は未来に触れることができる人」という言葉が教職に身を置く私の心を揺さぶりました。情報と物質に満ち溢れる現在の日本だからこそ,学校でしか教えられない「未来」を子供達に与えていきたいと心に誓いました。
浦田貴子(太宰府市立太宰府小学校 校長)

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