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『やすらぎの森』ルイーズ・アルシャンボー監督より、日本の観客へ向けたメッセージ動画&本編映像解禁!―5/21公開

やすらぎの森

映画『やすらぎの森』が5月21日(金)よりシネスイッチ銀座ほか全国順次公開となる。

カナダ・ケベック州、人里離れた深い森。湖のほとりにたたずむ小屋で、年老いた世捨て人たちが密かに暮らしていた。ある日、彼らのもとに思いがけない来訪者が現れる。その80歳の女性ジェルトルードは、少女時代に不当な措置によって精神科療養所に入れられ、60年以上も外界と隔絶した生活を強いられていたのだった。ジェルトルードは、マリー・デネージュという新たな名前で新たな人生を踏み出すが…。

本作は、カナダのアカデミー賞にあたるカナダ・スクリーン・アワードで5部門にノミネートされ、助演男優賞を受賞。新たな出逢いと湖畔での穏やかな共同生活。80代の男女を主人公に迎え、人生の晩年をいかに生きるかというテーマを詩情豊かに綴る、愛と再生の物語だ。

ジェルトルード/マリー・デネージュを演じるのは、金髪とクラシックな美貌を持つがゆえに“ケベックのカトリーヌ・ドヌーヴ”とも呼ばれたアンドレ・ラシャペル。カナダの演劇、映画、テレビ界で約70年のキャリアを築いたこの名女優は、惜しくも2019年11月に他界し、本作が遺作となった。

世捨て人のひとり、チャーリー役には本作でカナダ・アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたジルベール・スィコット、親友のトム役にドゥニ・アルカン監督作品『みなさん、さようなら』(03)の主演俳優としても名高いレミー・ジラールが扮し、ケベックの名優たちが集結。

監督は、本作が3本目の長編劇映画となったケベック出身のルイーズ・アルシャンボー。本作の舞台でもあるケベック州アビティビ在住の作家、ジョスリーヌ・ソシエがフランコフォニー五大陸賞を受賞した原作小説に感銘を受け、登場人物の息づかいや自然の鼓動までも伝わる繊細な世界観を見事に作りあげている。

メッセージ動画に応じたアルシャンボー監督は「こんにちは」とにこやかに日本語で挨拶し、当時の撮影を「電気も水道もない森の中で映画を作ることはかなり冒険だった」と振り返り、「今までで最も美しく愛すべき経験のひとつ」になったと語っている。また、マリー・デネージュ役を演じた名女優アンドレ・ラシャペルの遺作であることにも触れ、撮影当初、歩くこともままならない時があった彼女が「この映画に出演したことで若返り、生き返った」と教えてくれたと明かし、「ケベックの森に入って、少し奇妙で人間的な人々に会ってください」と日本の観客にメッセージを寄せた。

メッセージに続く本編映像では、レミー・ジラール扮する世捨て人のトムが、カナダを代表するシンガーソングライター、レナード・コーエンの「バード・オン・ザ・ワイヤー」の弾き語りを披露している。親友のチャーリーと衝突したあとに続くこのシーンは、少し気性の荒いトムが本当の気持ちを表すかのように切ない表情で弾き語り、自身の感情と歌詞がリンクするところが見どころだ。

予告編では、トム・ウェイツの名曲「タイム」の弾き語りも映し出されており、劇中で描かれる世捨て人の切ない心情を、是非スクリーンで確かめてほしい。

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