『8時15分 ヒロシマ 父から娘へ』が7月31日より新宿・K’s cinema、8月6日より広島・八丁座ほか全国公開となる。
1945年8月6日、世界で初めて広島に投下された原子爆弾を至近距離で被爆した父・進示さんの壮絶な体験を、娘である美甘章子(みかも あきこ)が、長い時間をかけて丹念に聞き取り、2013年英語で書籍化。
2014年日本語版「8時15分 ヒロシマで生き抜いて許す心」(講談社エディトリアル)を出版。
2020年にエグゼクティブ・プロデューサーとして、家族らの支援を受けながら、手弁当で映画化した。
激しい光が一瞬にして進示を真っ暗闇の奈落の底に突き落とした。史上初めての原子爆弾は広島中を焼き尽くし、瞬く間に7万人以上の命を奪った…娘章子へそのときの恐怖を克明に語りながらも、許す心を説く父進示、父娘の姿を、美しい旋律とリアリティあるCG映像で綴る。
あわせてメイキングを含めたスチールが到着。美甘エグゼクティブプロデューサーは「原爆の悲惨さを、若い世代に知ってもらうためにリアルさを追求しました。NYの特殊メイクのスペシャリストと、火傷の状態など復元にかなりの時間をかけて試行錯誤しました」と語る。
さらに、パラリンピック陸上 世界選手権金メダリストの中西麻耶さん、『Shall we ダンス?』などで日本アカデミー賞最優秀美術賞受賞の部谷京子さんよりコメントが到着した。
コメント
「許して前に進む」進示さんの言葉のおかげで、私はやっと障害を負ってしまった事、昔のようにスポーツは出来なくなった事を受け入れ、そうなってしまった自分を許し、その後の人生を前向きに生きる事ができるようになりました。
戦争の事実を知るだけでなく、人生を生きる上で大切なことの詰まった映画です。
進示さんが、愛を持って残してくれたメッセージが全世界へ広がり、憎しみあいの少ない世の中になってくれたらなと思います。
中西麻耶さん(パラリンピック陸上 世界選手権金メダリスト)
原爆を体験しながらも75年間生き抜いた強靭な生命力。
そして恨むのではなく許す心と平和を願う心。
この映画が伝えるメッセージこそ、我らの映画祭の心なのです。
世界中で一人でも多くの方がこの映画に触れられますように願っています。
部谷京子さん(広島国際映画祭代表・美術監督)
1945年8月6日。
ヒロシマを生き抜いた少年がやがて父となり、現代を生きる娘に伝えた想い。
それは、父から娘へ託された、平和を願う永遠のメッセージ。
『8時15分 ヒロシマ 父から娘へ』は、戦争の愚かさ、原爆の残酷さのみを声高に訴えるのではなく、その地獄の様な状況にあっても、生きることを諦めなかった父の想いと、その40年後に起こったある事件から導き出され、父から娘へしっかりと受け継がれた、世界の平和を叶えるための大切なメッセージを紐解いていく。
また本作は、ナッシュビル映画祭2020 観客賞受賞など世界的評価も高く、ハリウッド映画化への準備が進められている。
ストーリー
1945年8月6日、第二次世界大戦中の広島は、普段と変わらない朝だった。
父の福一と共に建物疎開の準備をしていた19歳の美甘進示は、自宅の屋根に上って瓦を剥がしていた。その時、目をくらます激しい光が襲った。その”爆発する太陽”は一瞬にして進示を真っ暗闇の奈落の底に突き落とした。史上初めての原子爆弾は広島中を焼き尽くし、瞬く間に7万人以上の命を奪ったのだ。
真夏の炎天下、父と息子は想像を絶する苦痛の中、ひどく焼けただれた体を引きずって、救助を探し彷徨う。あたり一面息絶えた人々と呻き声で埋め尽くされ、救いの手はどこにも見当たらない。進示はあまりの激痛から解放されたい一心で、死にたいとすら願った。だが父・福一の力強い言葉に支えられ、進示は必死で前へ進む。しかし、父と離れ離れになった進示はひとりきりになり、毎日父が探し当ててくれるのを待っていた。
3ヶ月後なんとか退院できるまでに回復した進示は、父を探して自宅のあった場所に戻った。そこで燃え尽きた瓦礫の中から、ガラスは吹き飛び、高熱により針の影が文字盤に焼きついた父の懐中時計を見つける。全て焼き尽くされた広島で進示を家族や先祖と結びつけるものはそれしかなかった。
40年の月日が経ち、進示の平和への願いは形となってニューヨークにある国連本部に届く。しかし、その数年後ニューヨークを訪れた娘の章子は驚くべき事実を知る。日本中を駆け巡ったその知らせは、新たな恵みへと導く光となる―。
主な映画祭出品・受賞歴
広島国際映画祭2020 公式上映
ナッシュビル映画祭2020 公式上映
ナッシュビル映画祭2020 観客賞受賞
AAS(国際アジア学学会)フィルムエキスポ 2021公式上映
作品タイトル:『8時15分 ヒロシマ 父から娘へ』
出演:田中壮太郎、ジョナサン・タニガキ、エディ・大野・トオル、美甘進示、美甘章子、ユーリ・チョウ、松坂龍馬、ニニ・レ・フュイン、アーサー・アクシス
監督:J.R.ヘッフェルフィンガー
エグゼクティブ・プロデューサー・原作著者:美甘章子
プロデューサー:ニニ・レ・フュイン
テーマ音楽「アヴェ・マリア」 作曲:細川俊夫
原作本:「8時15分 ヒロシマで生きぬいて許す心」美甘章子著(講談社エディトリアル)
2020年/アメリカ/51分/シネスコ/5,1ch/原題:「8:15」
配給:新日本映画社
公式サイト:815hiroshima-movie.com
コピーライト:(C)815 Documentary, LLC
7/31より新宿・K’s cinema、8/6より広島・八丁座 ほか全国公開
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