『DIVOC-12』三島有紀子監督チーム別予告映像&場面カット解禁!”共有”というテーマに込めた想いとは ―10/1公開

DIVOC-12

12人の監督が描く、12の物語からなる映画『DIVOC-12』(10月1日(金)公開)より、”共有”というテーマで制作する三島有紀子監督チームの予告映像と、場面カットが解禁された。

『DIVOC-12』(読み方:ディボック-トゥエルブ)は、ソニーグループが立ち上げた「新型コロナウイルス・ソニーグローバル支援基金」の支援活動の一環として、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けているクリエイター、制作スタッフ、俳優の継続的な創作活動を支援する映画製作プロジェクト。コロナ禍で映像制作活動において大きな影響を受けているクリエイターたちを支援する。

本プロジェクトの中核となって映画制作を牽引していくのは、『新聞記者』(19年)の藤井道人監督、『カメラを止めるな!』(18年)の上田慎一郎監督、『幼な子われらに生まれ』(17年)の三島有紀子監督の3人。日本映画界を代表する監督たちそれぞれの元に、一般公募より選ばれた新人監督含めた9名が集い、共に映画制作を行う。

解禁となった映像は、三島監督『よろこびのうた Ode to Joy』から始まる。歩(藤原季節)から「いい仕事あんですけど、一緒にやりませんか?」と東北弁で優しく声をかけられる冬海(富司純子)。ベートーヴェンの交響曲第9番「喜びの歌」が高らかと響き渡る中で、2人の人生への不安、そしてよろこびを予感させる映像となっている。

続けて、山嵜晋平監督『YEN』。ポラロイドで写真を撮って遊ぶ高校生の夏希(蒔田彩珠)と冬美(中村守里)。「あの子たちほんっとうざい!-300万円!」と嫌いな人には低額をつけて仲良く笑い合う二人だったが、ある日、冬美から「帰って」という言葉が。女子高生のきらきらした若さと不安定さが感じられる映像だ。

齋藤栄美監督『海にそらごと』は、「恥ずかしくないの?家族捨てて、こんな生活して」と生まれてから一度も会ったことのない母親の真実(中村ゆり)に会いにいったが、その生活ぶりに戸惑いを隠せない海斗(髙田万作)のセリフが印象的だ。「なんで嘘ついたの?」海斗のセリフから、二人の関係に秘密があることが感じられる予告となっている。

最後に、加藤拓人監督『睡眠倶楽部のすすめ』は、「何かを忘れたまま私はここで暮らしている」と透子(前田敦子)が語り始める。透子は、様々なストレスによって眠ることが出来なくなった人々が暮らす、“睡眠倶楽部”で生活している。透子が忘れてしまった大切な何かとは?透子の行き着く先が気になる映像となっている。

また、各作品の場面カットには、どこか不安げな表情の歩(藤原季節)と冬海(富司純子)の姿や、ポラロイドを川に流す夏希(蒔田彩珠)と冬美(中村守里)を捉えたものも。さらに、どこかぎこちない海斗(髙田万作)に愛おしそうに寄り添う真実(中村ゆり)の姿や、広い部屋の中でどこかを見上げる透子(前田敦子)など、それぞれの不安や寂しさもありながら、どこか温もりも感じられるカットが並ぶ。

三島監督は、“共有”というテーマについて「2020年から、世界中がこんなに同じことに苦しんだり、悲しんだり、少し喜んだり…同じ問題と気持ちを共有したことってないのではないか、と思いました。ある種、救いがないように思えるこの時期を共有したその先に、私たちは何を共有できるのか、できないのか、共有していきたいのか。ということをあらためて、俳優やスタッフを始めチームの監督達といろいろ話しながら作れたらいいな、と思ったことがテーマにした理由の1つです。チームでは作る時間を共有し、みなさまには作品を観る時間を共有していただければ幸いです。きっと、みなさまそれぞれに、〝共有〟が見つかると願っています」と語っている。

12人のクリエイターとともに、世界中で影響を与えている「COVID-19」をひっくり返したいというテーマで始まったプロジェクト。人との関わりが減った今、三島監督チームの彼らは一体どんな想いを“共有”してくれるのだろうか。

目次

三島監督チーム・あらすじ

■ 三島有紀子監督『よろこびのうた Ode to Joy』
出演:富司純子、藤原季節

ポスティングのパートと年金で、ひとり細々と生きる75歳の冬海。ある日、海での散歩の途中、東北弁を話す優しい青年・歩と出会い、とある仕事に誘われる。もし100歳まで死ななかったらあと25年…生活の不安、ちょっとした贅沢をしたいという小さな欲望。怪しいと理解しつつも報酬に惹かれ、引き受けることに決める冬海。お金と安心を得るため、二人は背徳的な仕事へと車を走らせる。

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■ 山嵜晋平監督『YEN』
出演:蒔田彩珠、中村守里、渋川清彦

郊外に住む高校生の夏希と冬美は、ポラロイドでスナップを撮って遊んでいる。気に入った写真は部屋に飾り、嫌いな同級生の写真などには低額をつけ、川に流してストレスを発散していた。ある日、冬美は高橋との2ショット写真を夏希に見せる。嬉しそうな冬美に、夏希はざらついた気持ちを抱く。初めて喧嘩とも言えない喧嘩をした二人。友達をなくした夏希は遠くから冬美を追いかけ、写真を撮り、川に流しに行く。冬美のストーキングを続ける夏希は、ある日、思わぬ場面に出くわしてしまう。

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■ 齋藤栄美監督『海にそらごと』
出演:中村ゆり、髙田万作、松浦祐也

寄せては返す波の音。潮風の匂い。海沿いにあるスナックの扉を緊張した様子で叩く少年・海斗。海斗は生まれてから一度も会ったことのない母親を探しに来ていた。現れた女性・真実の生活ぶりに戸惑う海斗。突然の出会いに困惑しながらも、真実は次第に海斗を受け入れてゆく。夕暮れ時の海。賑やかな夜。失われた時を埋めるかのように、海斗と真実はひとときを過ごしてゆく。しかし、ある事実が明らかになり…。

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■ 加藤拓人監督『睡眠倶楽部のすすめ』
出演:前田敦子

何かを忘れたまま、私はここで暮らしている―。透子は“睡眠倶楽部”で暮らしている。そこには様々なストレスによって眠ることが出来なくなった人々が生活している。外の世界から隔離されたその施設では無理に他人と関わらずとも生きていくことが出来る。“睡眠倶楽部”での暮らしにも慣れ、安心して眠ることが出来る様になった透子は、同時に入居以前のことを忘れかけていた。裏庭に咲く一輪の花を見つけた透子は、ふとあることを思い出し、施設を出ようと思い立つ。透子が向かう先には、何があるのだろうか。

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