山崎努と樹木希林が初めて共演し、豪華キャストが脇を固める映画『モリのいる場所』(配給:日活、監督・脚本:沖田修一)が5月19日(土)より全国ロードショーとなる。
このたび、4月14日(土)に池袋コミュニティ・カレッジのセブンシネマ倶楽部とのコラボ企画として、映画『モリのいる場所』の公開を記念し、熊谷守一の生まれ故郷である岐阜県の岐阜県美術館館長をつとめるアーティスト・日比野克彦さんと、映画の沖田修一監督によるトークイベントが、映画の舞台であり守一の自宅があった豊島区にて開催された。
岐阜県出身の日比野克彦さんは、「家に熊谷守一の複製の絵が飾ってあり、岐阜では一番有名な画家で、大家でありながら身近な存在だった」と印象を語った。
美大生時代、モリが描こうとするものをいかに熱心に研究したかの話もあり、映画シーンにある庭の生き物を見ているモリのことが良くわかり、また、ある時期からの守一の絵で有名な、赤い輪郭は、光を描いているという話から、シンプルなラインの奥深さがわかる話しもした。また、映画に関しては、「フィクションとノンフィクションの部分があり、それが錯綜するなか、他にはない、独特の映画世界が面白かった」と感想を述べた。
最後に、「この映画には絵を描くシーンが一切ありません。こうご期待!」と、画家の生涯を追う映画でないところの面白さについても語った。
沖田修一監督は、熊谷守一さんの絵の印象をきかれると、“雨滴”(地面に落ちる雨がはねる様子を描いた絵)について、「最初は、しいたけの絵かと思っちゃいました」と話し、会場に大笑いをさそった。
「かわいいだけでなく、何か心をひかれる絵だった」「台本を書く時、画家の半生を描くような映画にはしたくなかった。かといって、守一さんの写真集を再現するようにはならないよう、かけ離れ過ぎず、映画だけの世界になるように考えました。そして映画の中心にモリがいて、その周りに人々が集まってくるような映画にしたかったんです。」と語った。
イベントには、予想を越える多くの来場者が訪れ、二人の話に爆笑する場面も何度かみられた。
映画関連書籍の販売は長蛇の列となり、サイン会も盛況のうちに終了となった。
ストーリー
昭和49年の東京。30年間自宅のちっちゃな庭を探検し、生きものたちを飽きもせずに観察し、時に絵に描く画家モリ(94歳)と、その妻秀子(76歳)。時を経て味わいを増した生活道具に囲まれて暮らすふたりの日課は、ルール無視の碁。暮らし上手な夫婦の毎日は、呼んでもいないのになぜか人がひっきりなしにやってきて大忙し。そんな二人の生活にマンション建設の危機が忍び寄る。陽がささなくなれば生き物たちは行き場を失う。慈しんできた大切な庭を守るため、モリと秀子が選択したこととは—。
画商や近所の人でにぎわう茶の間、大勢でたべる夕ご飯。ちゃぶ台、縁側、黒電話。人と人との距離が今よりも近く感じられる昭和の暮らしと、50年以上をともに過ごしてきた老夫婦の絆、心豊かに充足した人生のある夏の1日を描く。
作品タイトル:『モリのいる場所』
出演:山崎努、樹木希林、加瀬亮、吉村界人、光石研、青木崇高、吹越満、池谷のぶえ、きたろう 、三上博史
※山崎努さんの「崎」の正式表記は「たつさき」です。
監督 /脚本:沖田修一
制作:日活、ダブ
製作:『モリのいる場所』製作委員会(日活、バンダイビジュアル、イオンエンターテイメント、ベンチャーバンク、朝日新聞社、ダブ)
宣伝協力:文藝春秋 協力:豊島区、岐阜県
特別協力:熊谷榧
配給:日活
公式サイト:mori-movie.com
コピーライト:(c)2017「モリのいる場所」製作委員会
5月19日(土)シネスイッチ銀座、ユーロスペース、
シネ・リーブル池袋、イオンシネマ他全国ロードショー