【レポート】韓国ドキュメンタリー映画『記憶の戦争』マスコミ試写会にイギル・ボラ監督が登壇!

記憶の戦争

ベトナム戦争時の韓国軍によるベトナム民間人虐殺の記憶について描いたドキュメンタリー映画『記憶の戦争』の舞台挨拶付きマスコミ試写会が開催され、イギル・ボラ監督が登壇した。

本作を制作したきっかけについて、ボラ監督は、「私の祖父がベトナム戦争に参戦した参戦軍人だったので子供の頃から戦争の話をよく聞いていました。学生時代には、ベトナム戦争に参戦したことによって経済成長が成し遂げられて、非常に豊かになったという、経済成長神話の道具の一つのように教わったのだが、20代の初めになって、ベトナム戦争で民間人の虐殺があったと言うことを知り、同じベトナム戦争のことなのにどうして私が知っている事実というのは一つではなくて二つに割れたような記憶になっているのだろうかと思いまして、何が真実か知りたいと思い、ベトナムに行きました。そんなふうにして作り始めました」と述べた。

場内からの「本作公開時の韓国国内の反応はどのようなものだったか?」という質問に対し、ボラ監督は、「とても興味深いことだったんですけども、この映画は、ベトナム戦争に参戦した軍人の話が出てきて、そして、民間人虐殺がテーマになっています。それと同時に、慰安婦の方達が登場するシーンが1シーンですが入っています。それにも関わらず、大勢の皆さんが感情移入できたと言ってくださいました。多くの人たちは、自分たちは永遠に被害者だと思っていたけど、自分たちも加害者の立場でもあるんだということを自覚したきっかけになったというふうに言ってくださった観客がたくさんいました」と答えた。

最後の挨拶では、「この作品はベトナム戦争を描いていると同時に、どのようにこの戦争を記憶しているのか、そして、これからどのように記憶したらいいのか、そういう問いかけが含まれている映画です。ですので、私たちの歴史をもう一度見つめ直して、どのように記憶に残すか、どのような問いかけをしたらいいのかを、皆さんと一緒に考えられれば嬉しいと思います」と舞台挨拶を締めくくった。

記憶の戦争

イントロダクション
2018年4月、とある市民平和法廷がソウルで開かれた。法廷に立つ1人のベトナム人女性、グエン・ティ・タン。彼女は、<フォンニィ・フォンニャットの虐殺>の生存者である。8歳の時に韓国軍に家族を殺され孤児となった彼女は、その記憶を思い出して、涙を浮かべる。
あの日、一体何が起こったのか…。
あの日の出来事を目撃したディン・コムは身振り手振りを交えて当時を再現する。あの日の後遺症で視力を失ったグエン・ラップはこれまで語ることのなかった記憶を絞り出すように語る。一方で、“参戦勇士”と称された韓国軍人たちは、「我々は、良民は殺していない」と主張する。
イギル・ボラ監督が、全員女性の制作陣とともに「ベトナム民間人虐殺」の記憶について当事者たちの生々しい証言の数々を記録した傑作ドキュメンタリーが誕生した。

作品タイトル:『記憶の戦争』
監督:イギル・ボラ(『きらめく拍手の音』)
プロデューサー:ソ・セロム、チョ・ソナ
撮影:クァク・ソジン
エグゼクティブプロデューサー:イギル・ボラ
プロダクションデザイナー:クァク・ソジン
編集:パトリック・ミンクス、イギル・ボラ、キム・ナリ、キム・ヒョンナム
音楽:イ・ミンフィ
製作:Whale Film |英題:UNTOLD |原題:기억의 전쟁
2018年|韓国|韓国語・ベトナム語|カラー|79分|DCP |
宣伝美術:李潤希
配給・宣伝:スモモ、マンシーズエンターテインメント

公式サイト:https://www.sumomo-inc.com/kiokunosensou
公式Twitter:@kioku_sensou
公式Facebook:fb.com/sumomo.movie
コピーライト:(c)2018 Whale Film

2021年11月よりポレポレ東中野ほか全国順次公開

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