パラドックス・スリラー『アンテベラム』漂う違和感…“何かがおかしい”本編映像が解禁! ―11月7日(日)公開

アンテベラム

『ゲット・アウト』(17)、『アス』(19)のプロデューサー、ショーン・マッキトリックが新たに放つパラドックス・スリラー『アンテベラム』(11月5日(金)公開/TOHOシネマズ シャンテのみ11月7日(日)より公開)より、何気ないシーンに違和感溢れる本編映像が解禁された。

本作は公私共に順風満帆の日々を送っていた主人公ヴェロニカが、突如として奈落の底に突き落とされていく様を描きながら、誰もが意表を突かれる仕掛けが用意されている。それは外界と隔絶した極限状況下に囚われているエデンという女性をめぐるアナザーストーリー。
とある広大なプランテーションの綿花畑で重労働を強いられているエデンは、あらゆる自由を剥奪された奴隷の身だ。

主演を務めたのは、共に全米賞レースを沸かせた『ムーンライト』(16)、『ドリーム』(16)で絶賛を博したジャネール・モネイ。グラミー賞候補の常連シンガーでもある実力派女優が、恐怖のパラドックスからの脱出を図るヴェロニカとエデンをひとりで演じ分けた。
パラドックスな迷宮のごとき映像世界の果てに、あらゆる思考が吹っ飛ぶ衝撃の“真実”とは―?

解禁された本編映像は、公私共に順風満帆の日々を送っていた主人公ヴェロニカ(ジャネール・モネイ)が、滞在しているホテルのフロントでレストランの予約を取ろうとする何気ないシーン。そこで友人と再会して会話を交わし、白人女性のフロント係にレストランの予約をお願いするというもの。ありふれた日常のワンシーンのはずなのだが、何かがおかしい。この違和感は『ゲット・アウト』や『アス』で感じたそれに近しい。しかも各ショットやセリフには本作のパラドックスをひも解くヒントが散りばめられている―?

仕事で訪れたニューオーリンズで滞在しているホテルの部屋を出ようとしたとき、ヴェロニカはボーイから花束を受け取る。その花束には送り主の名前に「X」と記されているだけで、「帰郷を待っています」という謎のメッセージが添えられていた。「X」とは一体誰なのか?そして、帰郷とはどういう意味なのか?そんな彼女が宿泊している部屋の名前は、第3代アメリカ合衆国大統領トーマス・ジェファーソンの名前が冠された「JEFFERSON SUITE」。黒人奴隷制度に反対の意を表していたことでも知られている大統領に由来する部屋が登場するのも何らかのメッセージなのだろうか?

レストランの予約をフロント係に頼もうとしたヴェロニカは、ふいに肩を叩かれる。友人のサラである。謎の花束でナーバスになっていたヴェロニカは驚くものの、久しぶりの再会を喜ぶ。だがその後に交わすお互いの会話には「無意識なる過去を祓う」「過去は決して死なない」「過ぎ去りもしない」「先祖は夢に取り憑いて生き続ける」「未解決の過去は現在に害をなす」などと意味深な言葉が連なる。まるで何かよからぬ出来事を暗示しているかのようだ。

サラと別れたヴェロニカは、フロント係の白人女性にレストランの予約を申し込む。だが彼女は穏やかに微笑みながらも、ヴェロニカを待たせたまま、かかってきた電話応対を始めてしまう。それが黒人女性であるヴェロニカに対して相応しい態度であるかのように。彼女の背後の壁に飾られているのは、白亜の屋敷が描かれた油絵。それは謎の女性とともに切り取られた場面写真の邸宅に似ている…。

本作の冒頭に引用されるのは、20世紀アメリカ文学の巨匠ウィリアム・フォークナーの小説「尼僧への鎮魂歌」に記された「過去は死なない 過ぎ去りさえしないのだ」という有名な一節。ヴェロニカとサラの会話にも印象的に出てくる言葉。それが意味するものとは?全編に散りばめられたヒントがすべて繋がった時に浮かび上がる衝撃を、是非劇場で体感してほしい。

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