【レポート】『COME & GO カム・アンド・ゴー』千原せいじらキャスト&リム・カーワイ監督が登壇!公開記念舞台挨拶

COME & GO カム・アンド・ゴー

11月19日(金)より公開となった映画『COME & GO カム・アンド・ゴー』の公開記念舞台挨拶が開催され、本作に出演の千原せいじ渡辺真起子兎丸愛美リム・カーワイ監督が登壇した。

本作は、大阪を拠点にアジア各地やバルカン半島などにカメラ片手で赴き、ほぼ即興で演出するという独自スタイルで映画を作り続けている、旅する映画監督リム・カーワイが、中国・香港・台湾・韓国・ベトナム・マレーシア・ミャンマー・ネパール・日本のアジア9の国・地域の人々と作り上げた群像劇。

映画『COME & GO カム・アンド・ゴー』公開記念舞台挨拶

◆日程:11月20日(土)
◆場所:ヒューマントラストシネマ渋谷
◆登壇者:千原せいじ、渡辺真起子、兎丸愛美、リム・カーワイ監督
◆ビデオコメント:リー・カーション、リエン・ビン・ファット
◆手紙:ナン・トレーシー

マレーシア人で大阪を拠点としてワールドワイドに活動している映画監督リム・カーワイ監督は、この日2年半前に撮った本作について「コロナ禍で行ったり来たりできない世界になってしまったけれど、これからきっと出来るようになるから、その前に公開できてよかった」と、撮影から公開まで長くかかった今回の作品について、「多くの人たちに見て欲しいです」と語った。

COME & GO カム・アンド・ゴー

台本はなく、アドリブで演じたという千原せいじは、北新地で声をかけられて「今度、映画でてください」と言われた時は、どうせ詐欺だろうと思ったという。その1年後に所属事務所の吉本興業に連絡があり「なんか知らんけど、映画出るって約束したっていう監督から電話きとる、北新地でめし食ったやつや、っていってる」、それで約束してたから「でますわ」となった、と明かし「あの時もう少しつめて、拘束時間はコレで、アレがコレぐらいになりますよ、って言えばよかった」と言及し、会場の笑いを誘った。また「常々思うのは、海外から日本に来て働いている外国人の方って、例えば建設現場で働くにしても、日本語を覚えて重機の免許もとって働いてるでしょ?そういう意味では、リム監督も、監督としてのスキルはわからんけど、人間としてのスキルは大変高いんだな」と笑いを交えて絶賛。

COME & GO カム・アンド・ゴー

一方、千原せいじ演じる刑事の妻役を演じた渡辺真起子は「リム監督の足をつかって知った世界の広さとか、出会ってきた人との関係とか、その人柄が映画にでてる。」と監督を褒める一方で「私にしてもトライなわけですよ。大阪に行くのはいいけど、誰が待ってるのかと思ったら、ボロボロになった監督が迎えにくるという。「香盤表遅いんだけど、いま何時だと思ってんの?」というと「ぼくが書くんですよね」って。そんな中でよく完成したと思う」と、監督をねぎらった。

COME & GO カム・アンド・ゴー

映画の中では、徳島からでてきてすぐAV現場やキャバ嬢に誘われる貧困女子を演じた、兎丸愛美は「はじめは不慣れだったので、セリフがないことに結構緊張した」と言いつつ「徐々に慣れていくうちに、とても現場が楽くなった」と語った。タイトルのCOME & GOにちなんで「コロナ禍が落ち着き、行ったり来たりできるようになったら行きたい所は?」と聞かれて「どこの国とかはないんですが、会いたくても会えなかった人たちがたくさんいるので、会いにいきたいです」と話した。

COME & GO カム・アンド・ゴー

残念ながら来日が叶わなかった海外キャストのうち、台湾より「楽園」などツァイ・ミンリャン監督作品の常連俳優で知られるリー・カーションや、ベトナムから「ソン・ランの響き」主演のリエン・ビン・ファットからの、ビデオメッセージも到着。観客に披露されたほか、昨年来のコロナ禍と2月起きたクーデターにより、来日はおろかビデオメッセージも難しかったミャンマーのナン・トレーシーからは「私は本当に完成された映画を見たいのです。ミャンマーの情勢が落ち着いたらすぐに、日本にかけつけます」という、切実な思いのこもった手紙が届き、渡辺が代読した。

最後に観客にメッセージをと聞かれ、メッセージを代読した渡辺が「この数年で世界の状況ががらりと変わり、子供の頃に夢見ていた地球というものの距離を見失いかけているように私自身も思うのですが、いろんなことが起きる数年前に撮ったこの映画について、心にお留めおきいただけたら嬉しいです。」と、しんみりと語り、それを受けてリム監督も「今の世の中で何が起きてるか、リアルに映し出してる映画だと思ってまして、たくさんの方々に見て欲しいと思う。1回だけじゃなく、2回、3回と見ても感想がかわって面白さも変わると思うので何度でも見てください」とまとめた。

目次