横浜ジャック&ベティ30周年企画映画『誰かの花』が、1月29日(土)より横浜ジャック&ベティ、ユーロスペースほか全国順次公開となる。
この度、本作の公開に先立ち、中野量太監督、小路紘史監督、藤元明緒監督らより絶賛コメントが到着。長編映画二作目となる奥田裕介監督によるオリジナル脚本が描く<現代の悲劇と救い>に注目が集まっている。
コメント(敬称略・順不同)
中野量太(映画監督)
たった一言の台詞で、映画の中にグッと引き込まれることがある。たった一つの仕草で、映画の中がパッと豊かになることがある。映画のマジックみたいなものだ。だからこそ難しく、そんな映画には滅多に出会えない。と思っていたら、『誰かの花』の登場人物たちの些細な言動に、僕は何度も心を揺り動かされた。やられた。静かに大胆に愛を持って人間を描き切ろうとする奥田監督の仕業だ。
小路紘史(映画監督)
主演のカトウシンスケさんは僕の初長編映画『ケンとカズ』でご一緒しました。『誰かの花』でのカトウさんの孝秋というキャラクターは他のどの作品でも見る事のない、力強く揺るぎないけどとても繊細な“眼差し”でした。そんなカトウさんの眼差しを引き出した奥田裕介監督の手腕に激しく嫉妬です。10年経っても全く色あせないであろうこの『誰かの花』は必ず今、映画館で見るべき映画です!
藤元明緒(映画作家・『海辺の彼女たち」)
奥田監督は物語の面白さと引換えに、映画に宿る人々を断罪するような事は決してしない。その作家としての勇気と優しさに満ち溢れた贈り物が、どうかあなたの心に届きますように。
倉本朋幸(演出家)
この痛みは一生消えないのだろう。一瞬忘れたとしても泣いたり笑ったりしたとしても。だけど多分それでいいのだ。寄り添って生きていくしかないのだ。勝手に自分だけの「誰かの花」がみんなの「誰かの花」になることは喜ばしいことなのだけれど、ここだけの話正直嫌だ。出演されている俳優皆さんが素晴らしい。主演のカトウシンスケが本当に素晴らしい。だってあのシーンで泣かされるなんて誰が想像できる。僕は考秋を知ってる。何処かできっと会ってる、もしかしたら。いつかこの先の僕なのかもしれない。
片岡礼子(俳優)
この映画は観る人を選ぶと思う。観る人もこの映画を選ぶと思う。繰り返し靜かに上映され続け、疲れ果てた誰かの思考に別の道を示し、観る度に視界すら変化しながら、決して取れることのない悲しみの胸の内の僅かな希望になれる気がした。
サヘル・ローズ(俳優)
心の中で問い続けた、「私ならどうする?」かと。観終わった後、空を見上げ、台所でペルシャ料理を作る大事な養母を抱きしめた。守りたいものがある、全ての人間に。光というのは、時に眩しく時に残酷だ。真実を知った時に人はどう動くのか。散りばめられた心の破片と、溶接されていく記憶。もう帰ってこない影を追い求めて。誰かの花、その答えはアナタと私にしかわからない。
イントロダクション
第34回東京国際映画祭 アジアの未来部門にてアジアの新人監督10作品に選出された本作には、カトウシンスケ(『ケンとカズ』小路紘史監督)をはじめ、吉行和子(『東京家族』山田洋次監督)、高橋長英(『それでもボクはやってない』周防正行監督)の他、和田光沙、テイ龍進、篠原篤など実力派俳優、若手俳優・村上穂乃佳、横浜に縁の深い大石吾朗、渡辺梓、寉岡萌希、堀春菜、笠松七海らがジャック&ベティ30周年映画に集結した。本格的な映画出演がはじめての子役・太田琉星は素晴らしい演技力をみせている。
監督は、長編2作目となる奥田裕介。前作『世界を変えなかった不確かな罪』(2017年)はコアな映画ファンを中心に高い評価を受けている。横浜出身の監督ならではの視点で、そこに住まう人と心を真摯に捉え丁寧に描いた物語となっている。
誰かの想いと、悲劇と救い
ストーリー
鉄工所で働く孝秋(カトウシンスケ)は、薄れゆく記憶の中で徘徊する父・忠義(高橋長英)とそんな父に振り回される母・マチ(吉行和子)のことが気がかりで、実家の団地を訪れる。しかし忠義は、数年前に死んだ孝秋の兄と区別がつかないのか、彼を見てもただぼんやりと頷くだけであった。
強風吹き荒れるある日、事故が起こる。団地のベランダから落ちた植木鉢が住民に直撃し、救急車やパトカーが駆けつける騒動となったのだ。父の安否を心配して慌てた孝秋であったが、忠義は何事もなかったかのように自宅にいた。だがベランダの窓は開き、忠義の手袋には土が…。一転して父への疑いを募らせていく孝秋。
「誰かの花」をめぐり繰り広げられる偽りと真実の数々。それらが亡き兄の記憶と交差した時、孝秋が見つけたひとつの〈答え〉とは。
作品タイトル:『誰かの花』
出演:カトウシンスケ 吉行和子 高橋長英 和田光沙 村上穂乃佳 篠原篤 太田琉星
大石吾朗 テイ龍進 渡辺梓 加藤満 寉岡萌希 富岡英里子 堀春菜 笠松七海
脚本・監督:奥田裕介
撮影:野口高遠|照明:高橋清隆|録音:高島良太|衣装:大友良介|ヘアメイク:ayadonald 大久保里奈
制作:佐直輝尚|助監督:松村慎也 小林尚希 高野悟志|音楽:伴正人|整音:東遼太郎
エクゼクティブプロデューサー:大石暢 加藤敦史 村岡高幸 梶原俊幸|プロデューサー:飯塚冬酒
製作:横浜シネマ・ジャック&ベティ30周年企画映画製作委員会
2021年|日本|115分|5.1ch|アメリカンビスタ
宣伝・配給:GACHINKO Film
公式サイト:http://g-film.net/somebody/
コピーライト:(C)横浜シネマ・ジャック&ベティ30周年企画映画製作委員会
2022年1月29日(土)より横浜ジャック&ベティ、ユーロスペースほか全国順次公開
関連記事:■ 『誰かの花』予告編解禁&カトウシンスケ、吉行和子、高橋長英らのコメント到着!第34回東京国際映画祭正式出品も決定
■ 横浜ジャック&ベティ30周年企画映画『誰かの花』公開決定!出演はカトウシンスケ、吉行和子、高橋長英ら