『フレンチ・ディスパッチ』べニチオ・デル・トロ&レア・セドゥのフランス名画のワンシーンのような甘い本編映像解禁!

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊

公開中の『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』より、本編映像が到着した。

『ダージリン急行』(07)、『ファンタスティック Mr.FOX』(10)、『グランド・ブダペスト・ホテル』(14)、『犬ヶ島』(18)といった名作の数々を生み出したウェス・アンダーソン監督の記念すべき長編第10作を飾る最新作の舞台は、20世紀フランスの架空の街にある「フレンチ・ディスパッチ」誌の編集部。一癖も二癖もある才能豊かな記者たちが活躍し、国際問題からアート、ファッションから美食に至るまで深く斬り込んだ唯一無二の記事で人気を獲得している。ところが、編集長が仕事中に急死、遺言によって廃刊が決まってしまう。果たして、何が飛び出すか分からない追悼号にして最終号の、思いがけないほどおかしく、泣ける、その全貌とは──?

このたび到着したのは、べニチオ・デル・トロが演じる凶悪犯にして天才画家のモーゼスと、レア・セドゥ演じる看守にして画家のミューズ、シモーヌのまるでフランス名画のワンシーンのように切なく甘い本編映像。

刑務所の洗濯室で布一枚にくるまりながら、こっそりと会話をする凶悪犯にして天才画家のモーゼス・ローゼンターラーと、看守にして画家のミューズのシモーヌ。「できるだけシンプルな言葉で表現しよう、この気持ちを…」と胸に秘めた愛を伝えようとするモーゼスの言葉を遮り、「愛してない」と一蹴するシモーヌ。その後も諦めずに言葉を続けようとするモーゼスだが、シモーヌに「ダメよ」と諭され、黙り込んでしまう。すると、なにかインスピレーションを受けたのか、モーゼスは天井を見つめながら「絵の具が要る」と一言「何を描くの?」と聞くシモーヌに対し、「未来だ」と答えた後、少し間を置き「君のことさ」と優しい眼差しで言葉を紡ぐモーゼス。まるでフランスの名画を観ているかのような、切なく、それでいて甘いモーゼスの愛のアプローチが印象的なワンシーンとなっている。

“フランス映画”がテーマの一つとなっている本作、劇中の舞台もフランスの架空の街。もちろん、劇中に登場するキャラクターもフランス映画に影響を受けているようで、なかでもベニチオ・デル・トロが演じたモーゼスは、フランスを代表する映画監督ジャン・ルノワール映画がヒントになったそう。

デル・トロは「監督は『素晴らしき放浪者』の話をしていました。1930年代の映画で、永遠の名優ミシェル・シモンが放浪者役を演じています。大昔に観たのですが、素晴らしい映画でした。今回、何度も観なおして、監督の求める役のイメージがつかめました」と役作りを語っている。

映画の演出に関する真面目なエピソードもあがる一方、モーゼスが登場する第一話「確固たる名作」では、一時停止した登場人物たちをカメラが横からスライドしながらワンカットで撮影する演出も多用されているが、一時停止は後から編集したわけではなく、実際にキャストたちに“だるまさんがころんだ”をさせていたのだとか。

デル・トロは「ティルダ・スウィントンからヘンリー・ウィンクラーまで、錚々たる俳優が皆でやりました。名優たちが童心に戻り、“だるまさんがころんだ”をする光景は微笑ましかったです。監督は、デジタル技術で静止ポーズを創ることもできたはずですが、役者が実際に静止ポーズをとることで、触れ合いが生まれ、その喜びを観客も感じることができるようになったと思います。」と賑やかな撮影現場の様子を振り返っている。

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