「マウス~ある殺人者の系譜~」鑑賞コラム到着!圧倒的クオリティを誇るクライムサスペンスに秘められた深遠なテーマとは?

“国民的俳優”イ・スンギ&『KCIA 南山の部長たち』イ・ヒジュン豪華W主演の衝撃のクライム・サスペンス「マウス~ある殺人者の系譜~」のDVDが5月11日(水)リリースとなる。

このたび、本作のDVDリリースを目前に控え、ライター小田香さんによる鑑賞コラムが到着した

「九家(クガ)の書~千年に一度の恋~」「花遊記<ファユギ>」「Vagabond/バガボンド」などヒット作のほか、歌手、バラエティなど多彩に活躍し、その好感度満点の人柄で“国民の息子”“国民の弟”と呼ばれるイ・スンギ。一方、『1987、ある闘いの真実』『KCIA 南山の部長たち』といった骨太の映画作品や「青い海の伝説」などドラマにも出演し、演技派として抜群の信頼感を誇るイ・ヒジュン。今最も勢いのある2大TOP俳優の初共演が実現。片や、善良そのものの正義漢で誰からも愛される町の巡警チョン・バルム。片や、両親を殺した殺人鬼に復讐するため刑事になった男コ・ムチ。連続殺人事件をきっかけにタッグを組む2人の人生は、さらなる事件が連発する中で過去と現在が複雑に絡み合い、予想もつかぬ方向へと急変していく。

俳優人生初めての難役に挑戦したイ・スンギの深層心理をえぐり出すような圧巻の演技と、それに対峙するイ・ヒジュンの存在感と心を鷲掴みするエモーショナルな熱演。ともに歴代最高キャラを更新した彼らのケミストリーが奇跡の相乗効果をもたらし、見始めたら止まらない、禁断の“マウス”現象を引き起こす。

圧倒的クオリティを誇るクライムサスペンスに秘められた
深遠なテーマとは?
「マウス~ある殺人者の系譜~」鑑賞コラム
ライター:小田香

殺害した相手の頭部だけを切断し持ち去るという猟奇殺人事件が続発。その“ヘッドハンター殺人犯”に両親を殺された少年コ・ムチの目撃証言によって、サイコパスの天才脳外科医ハン・ソジュンが逮捕される。25年後、過去の事件を思わせる残忍な殺人事件が起き、刑事となっていたムチは真面目と評判の巡査チョン・バルムを相棒に捜査を開始する。

「マウス~ある殺人者の系譜~」の簡単な内容をこのように書けば、多くのクライムサスペンスの一つだと思われるかもしれない。劇中描かれるキリスト教の7つの大罪をモチーフにした凄惨な殺人事件は『セブン』を、プレデター(捕食者)と呼ばれる頭脳明晰な犯人の存在は『羊たちの沈黙』を彷彿させる。こうしたエッセンスが巧みに織り込まれ、ハリウッド映画のレジェンド作と並べても遜色ない、ジャンルものとしてのクォリティの高さは確かに抜きん出ている。

ただ、本作は単純なジャンルドラマではなく、犯人探しを主眼とした追跡劇でもない。最初は流される血の多さ、目を覆いたくなるような描写に戸惑いもする。次々に起こる事件に翻弄され、新たに生まれる悲劇にただ胸を痛めるしかない。予想はすぐに覆され、真実は容易に明らかにはならない。だが見進めていくうちに、本作は人間の原罪や倫理観などに言及し、人が生きる意味を問いかけた優れたヒューマンドラマでもあるということがわかってくる。さらに冒頭から描かれる、サイコパスの遺伝子を持つと診断された胎児の中絶法案を成立させることで、重大犯罪のない社会の実現を目指す者たちの思惑が、全編にわたり不穏な影を落とす。

マウス~ある殺人者の系譜~

まさに“国民の弟”が投影された善良な巡警チョン・バルム
その内面の葛藤と苦悩をも見事に演じきったイ・スンギの凄み

ダークで深いドラマの中で、序盤はイ・スンギ演じるチョン・バルムの笑顔が周囲を明るく照らし出す。人助けをして“国民の息子”と称されたバルムの設定には、“国民の弟”として人気を集めたイ・スンギ自身の姿が投影されているようだ。ただし、バルムはただのいい人ではないらしい、ということは薄々感じられる。バルムの身の上に何が起き、どう変化していくのか全く予断を許さない中、彼の葛藤と苦悩を見事に演じきったイ・スンギの俳優としての力量を改めて実感。本人が「俳優人生のフィルモグラフィーに残る作品」と語るように、彼にとって本作は大きなターニングポイントになったと言える。

マウス~ある殺人者の系譜~

復讐に燃える刑事・コ・ムチを演じるイ・ヒジュンがイ・スンギと共にドラマをけん引

そしてもう一人の主役、コ・ムチを演じた実力派のイ・ヒジュンは「俳優として共感するのが恐ろしいような役」と表現したキャラクターを、熱量の高い自在な演技で見せてドラマを牽引。新鋭パク・ジュヒョンの体当たりの演技も印象的だ。話題作『人間レッスン』で“怪物新人”と注目された彼女は、過去の犯罪被害のトラウマを抱えた娘ボンイという難役を熱演し、さらに評価を高めた。バルムとボンイが互いの恋心を確認し、つかの間ながら幸せを感じる姿が切ない。また、元祖韓流スターのアン・ジェウクが、デビュー以来初の悪役となった“ヘッドハンター”役で登場。不気味な存在感を披露して驚かせた。

マウス~ある殺人者の系譜~

細部にまでこだわった脚本と演出が観る者の心を強く揺さぶる究極のドラマ

先の見えない迷宮に足を踏み入れたような気にさせられる、複雑に編まれた脚本を手がけたのは『イルジメ[一枝梅]』や『ブラック~恋する死神~』などで知られるヒットメーカーのチェ・ラン。様々に推理する視聴者の予想の遥か先をいく展開で、本作20話に加え、プレデターの側から見たスピンオフドラマ2話も作られ、マニアファンたちを虜にした。ドラマ終了後もその熱は冷めず、シナリオ集が出版されたほど。そのシナリオを『ここに来て抱きしめて』のチェ・ジュンベ監督が、細部へのこだわりと登場人物の心情に寄り添った演出で表現。“マウス”として生きざるを得なかった者たちの悲しみと共に、悲惨な目に遭い、死ぬほどつらい思いをしても、人は苦難を乗り越えることができるという前向きなメッセージも伝わってきて、最後まで心を強く揺さぶられる。

マウス~ある殺人者の系譜~
マウス~ある殺人者の系譜~
マウス~ある殺人者の系譜~
マウス~ある殺人者の系譜~

「マウス~ある殺人者の系譜~」
DVD-SET1 2022年5月11日(水)発売
DVD-SET2 2022年6月3日(金)発売

各20,900円(税抜19,000円)
※5月11日(水)よりDVDレンタル開始
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
(c) CJ ENM Co., Ltd, All Rights Reserved.
※5月11日(水)よりU-NEXT【https://bit.ly/34jJBlp】にて独占先行配信開始!

公式サイト:https://kandera.jp/sp/mouse/
予告編:https://youtu.be/chUrEuHWbUQ
スペシャルダイジェスト映像:https://youtu.be/3SYuCS-6U0E
第1回特別公開:https://youtu.be/qZmQlLMmnM0

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