行定勲監督が語る『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』の魅力とは?コメント&特別インタビュー映像解禁!

ワン・セカンド 永遠の24フレーム

米アカデミー賞の国際長編映画賞に3度ノミネートされ、多くの映画祭で華々しい受賞歴を誇る中国の巨匠チャン・イーモウ監督の最新作『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』が、いよいよ明日5月20日(金)日本公開となる。

この度、本作をひと足早く鑑賞した行定勲監督からのコメントと特別インタビュー映像が解禁された。

文化大革命時代の中国を舞台に繰り広げられるノスタルジックで普遍的な物語と、広大な砂漠を大胆に映し出す圧倒的な映像美。フィルムの中にたった1秒だけ映し出されているという娘の姿を追い求める父親と、幼い弟との貧しい暮らしを懸命に生き抜こうとする孤独な少女。決して交わるはずのなかった2人が、激動の時代の中で運命的に出会い、そして彼らの人生は思いがけない方向へと進んでいく―。

2021年トロント国際映画祭に正式出品され、大きな話題となった本作は、監督が長年映画化を熱望していた企画であり、その全体にあたたかく流れるのは、チャン・イーモウ監督の確かな”映画への愛”。その熱い想いに感銘を受けたのが、『GO』、『世界の中心で、愛をさけぶ』や第68回ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞した『リバーズ・エッジ』など名作を作り続け、国内外から注目される行定勲監督だ。

ワン・セカンド 永遠の24フレーム

公開に先駆けて本作を鑑賞した行定監督は、「張芸謀監督の映画愛が炸裂する。デジタル化された現在だからこそ、フィルムを巡るこの映画は胸に迫る。映画遺産に値するような傑作だと思った。」とコメント。

そのうえで、特別インタビューにも応じた行定監督は、「ひとつの時代に影響を及ぼすもので、限られた時間の中で観る側もその作品に出会うか出会わないかで人生が変えられる人もいる」「情報があふれかえっているから、見てもないのに情報だけで価値を決めてしまうことが横行している時代。でも昔はそうじゃなかった。」とした上で、「映画が映画を待ち遠しく思っている人たちを描くだけでも尊いのに、自分個人にしかわからないそのショットがあるっていうね。そこに着目するチャン・イーモウの、この物語の深さというかね」と語り、「たった1秒しか映ってない この本当に僅かな刹那的な瞬間をどうしても見たいというところに物語の中心が作られていて、もう何ていう映画だと!やっぱり凄く驚愕したのと同時にめちゃくちゃ感動したんです」と感想を熱弁。

さらに「やっぱり映画は出会う、その映画を見るという奇跡だと思うんです」と続けた行定監督は、「映画の全てが、実はこの映画に封じ込められている。フィルム時代の映画の在り方ですよね。ドキュメンタリーっていう手法ではないのに、劇映画という手法の中に、感情とか機微とか、観る側も上映する側も気持ちも全部そこにある。ある種、映画遺産があるとしたら、こういう映画は映画遺産」と絶賛。

また、行定監督が20年か30年ぐらい前に黒澤明監督の『七人の侍』のリマスター版を劇場に見に行った際に「(見たことがあるかもしれない作品なのに)観客が、映画館がどよめくんですよね」という自身の映画体験や、黒澤監督作品との共通点、行定監督が映画を作ることに対する思いなど熱いトークが止まらない。

そして最後に行定監督は「本当に映画賛歌。映画が好きな人は絶対に見逃せない映画だと思いますし、今、こういう人と人の距離とか隣に誰がいるかということが、非常に重要な時代になってきていると思うんですけど、人と人の縁とか、人と人の繋がりというものがこういうものなんだなっていうことが感じられる素敵な映画だと思います。是非、観ることをお勧めいたします」と語り、本作の魅力とともに行定監督の溢れる映画愛も感じる、必見のインタビュー映像となっている。

目次