アカデミー賞3部門受賞の『ダラス・バイヤーズクラブ』、ヴァネッサ・パラディ主演の『カフェ・ド・フロール』で知られるジャン=マルク・ヴァレ監督。2021年12月、その生涯を終えた監督の『C.R.A.Z.Y.』(7月29日(金)公開)より、本編映像が解禁された。
本作は、シャルル・アズナヴール、デヴィッド・ボウイ、ローリング・ストーンズらの時代を彩る名曲と共に、保守的な家庭で育った青年のアイデンティティ確立までの葛藤と成長を描く。トロント国際映画祭最優秀カナダ映画賞、イリス賞13部門受賞ほか、多くの映画祭で称賛を以て迎えられたほか、2005年の作品ながら、Rotten Tomatoes100%を記録し続けている。
この度解禁されたのは、幼少期のザックが、父親ジェルヴェの大事なパッツィ・クラインの希少な海外版レコードを割ってしまったシーンだ。大きな目を泳がせて、神経質に膝をゆすり始めるザック。身に覚えのない兄たちは目くばせと共に、一様にザックを見つめる。「僕じゃない」と零すが、父の後ろのキリストの肖像画に後ろめたさを覚え始める。「事故だった」と告白するザックに、3人の兄たちを追いやり、「レコードだけでなく、ウソの責任も取らせる」と檄を飛ばすジェルヴェ。割れたレコードをいまいましげに机に叩きつけ、妻ロリアンヌに「ザックは変わっちまった」と嘆くが…。
幼少期のザックを演じるのはエミール・ヴァレ。ジャン=マルク・ヴァレ監督の次男である彼は、『カフェ・ド・フロール』でも主人公アントワーヌの青年期を演じるなど、監督作品では俳優として活躍。現在は映画・ドラマの編集に携わり、ヴァレ監督・ニコール・キッドマン主演の「ビッグ・リトル・ライズ」や「シャープ・オブジェクツ」にも参加している。
また、ザックが割ってしまったレコードには、本作のタイトルと同じ「CRAZY」という楽曲が収録されている。このレコード、楽曲が一家にとってどのような意味を持つのか―。
ストーリー
1960年代の保守的な家庭で、5人兄弟の4男として育ったザック。「特別な子」と呼ばれた彼は、軍で働き音楽を愛する父親と過保護気味の母親、それぞれ文武に秀でた兄2人、問題だらけの次男を観察しながら幼少期を過ごす。やがて思春期に足を踏み入れる1970年代。ザックは同性に惹かれ始めた自らのアイデンティティと、男らしくあれという父親の価値観の間でもがくようになる。
作品タイトル:『C.R.A.Z.Y.』
出演:ミシェル・コテ、マルク=アンドレ・グロンダン、ダニエル・プルール
監督:ジャン=マルク・ヴァレ『ダラス・バイヤーズクラブ』
後援:カナダ大使館、ケベック州政府在日事務所
原題:C.R.A.Z.Y.
2005/カナダ、モロッコ/フランス語、英語/カラー/129分 映倫:PG12
配給:ファインフィルムズ
公式サイト:http://www.finefilms.co.jp/crazy22/
公式Twitter:@crazy20220729
7月29日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷他にてロードショー
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■ ジャン=マルク・ヴァレ監督『C.R.A.Z.Y.』公開決定 ―1960年代を彩る名曲と共に、青年の葛藤と成長を描いた物語