『ペパーミント・キャンディー』JAIHO配信記念!イ・チャンドン監督特別インタビュー&特別コメント映像解禁

ペパーミント・キャンディー

『ペパーミント・キャンディー 4Kレストア・デジタルリマスター版』が7月20日より映画配信サービス「JAIHO(ジャイホー)」で配信となるのを記念して、本作で監督を務めた韓国映画界の巨匠イ・チャンドン監督の特別インタビューと特別コメント映像が解禁された。

配信サービスの参入で変わりゆく映画業界―
イ・チャンドン監督が目指す先とは

Q.『ペパーミント・キャンディー 4Kレストア・デジタルリマスター版』の撮影から約23年の月日が経ちますが、当時と比較して撮りたい作品に対する変化などはありますか?

ペパーミント・キャンディー

『ペパーミント・キャンディー』を撮っていた時も、そして今でも、常に映画を通じて私が生きている世界そして私たちの人生について問いかける映画をずっと撮り続けたいと思っています。それは今でも変わりません。そしてそうした問いかけと共に観客と一緒に答えを探していくような、そんな映画を作っていきたいです。人生についての問いかけを今でもしています。

Q.近年、配信サービスが映画を製作することが増え、日本でもNetflix製作の韓国映画やドラマ、その他の配信サービスだけでしか観られないオリジナル作品が話題となる事が多いです。監督ご自身は、配信サービスオリジナルの映画を撮ることに興味はありますか?

そうですね。プラットフォームが多様になり、観客が映画を見る環境や習慣がとても変わったと思います。もしもそうした配信サービスで観客に出会える機会があれば私もやってみたいとも思いますが、まだ私がやってみたいと思える物語に出会えていません。いつかそうした機会もあるのではないかと思っています。

Q.「JAIHO」で7月にイ・チャンドン監督が製作総指揮を務めた『私の少女』、8月には製作プロデューサーを務めた『ファイ悪魔に育てられた少年』が配信予定です。監督は、製作プロデューサーとしても映画に携わられている事がよくありますが、今後一緒に映画を作り上げたい監督もしくは俳優の方がいましたら、国内外問わずで教えてください。

将来の可能性にあふれる若手の監督たちに映画を作る機会をもっと与えてほしいと思いますし、私が力になれる部分があれば力になろうとしています。私が演出をしなくても製作者という立場で参加しながら、一緒に映画を作りたい若い俳優さん、個性あふれる俳優さんたちと一緒に仕事をしたいと思っています。今は『バーニング劇場版』で一緒にシナリオ作業をしたオ・ジョンミさんと準備している作品を書いているところで、私は製作者として皆さんのお目にかかる予定です。

Q.「JAIHO」配信作の中で監督のお気に入り作品があれば教えてください。

韓国映画であれば、まだ全然知られていない映画をぜひJAIHOで紹介して頂けたら嬉しいです。

Q.次回作に関して制作の予定や何か構想などがあれば可能な範囲で教えてください。

今はコロナの影響で映画製作に様々な影響がでています。しかし私も次回作を準備していますし、早く皆さんにお目にかかれたらと思っています。

“韓国映画が再び活力を取り戻すであろうと信じています”
コロナによる苦境で、韓国映画界に訪れた変化とは…?

Q.イ・チャンドン監督の作品の多くが4Kリマスター化されています。リマスター化には監督自身がどの程度関与されているのか、国からの支援などがあるのか教えてください。

ペパーミント・キャンディー

そうですね。国の支援でリマスター作業を行うこともあります。政府の機関である映像資料院でそうした支援をしています。私の映画でいうと『ペパーミント・キャンディー』は映像資料院の支援を受けてリマスター作業をしました。
そして私の作品のリマスター作業に関しては、最初から最後まで私自身も参加をして細かく作業を行います。最大限に原本の通りにするリマスター作業です。

Q.「JAIHO」で配信が始まる『ペパーミント・キャンディー 4Kレストア・デジタルリマスター版』について思い出すエピソードなどありましたら教えてください。

この作品は最初のチャプターと最後のチャプターで同じ鉄橋が登場しますが、最後のチャプターの時に再びその場を訪れて撮影をしようとしたところ、鉄橋で工事がはじまっていたんです。私はパニックに陥ったのですが、なんとか工事をストップしてもらって撮影をした覚えがあります。このエピソードを知って映画をご覧になると、最初に出てくる鉄橋と最後に出てくる鉄橋の微妙な違いを感じて頂けると思います(笑)。

Q.韓国映画界の変化、現在の韓国映画についての監督のお考えなどもお伺いしたいです。

映画製作はコロナの影響で厳しい部分も多いです。なぜなら今、制作された韓国映画の100本以上が劇場公開できぬまま待機しています。その反面で配信サービスコンテンツ、ドラマはとても人気です。韓国では今、ドラマ制作はとても活発です。また、映画のスタッフや俳優も今はドラマを撮っていることが多いです。映画産業は、今後観客が劇場に戻ってきてくれるかどうかの分岐点に立たされていると思います。その中でも私は私のできることをしているし、韓国映画が再び活力を取り戻すであろうと信じています。

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