中国全土を巻き込む社会現象となった映画『シスター 夏のわかれ道』(11月25日(金)公開)の本編映像と、岩井俊二、ブレイディみかこらのコメントが解禁された。
看護師として働くアン・ランは、医者になるために北京の大学院進学を目指していた。ある日、疎遠だった両親を交通事故で失い、見知らぬ6歳の弟・ズーハンが突然現れる―。養子先が見つかるまで仕方なく面倒を見始めるが、次第に弟を思いやる気持ちが芽生え、彼女の固い決意が揺らぎ始めていく…。自分の人生か、姉として生きるか。迷いながらも踏み出した、未来への一歩とは―。
この度解禁されたのは、突然の両親の死を迎えた葬式後、悲しみにくれる暇もなく親戚一同が大ゲンカが始まる衝撃のシーン。
弟ズーハンの養育を親戚から一手に押し付けられた姉のアン・ラン(チャン・ツィフォン)は、「嫌よ 育てたい人が育てれば?」と突き放すと、親戚の一人は拳をあげて怒りをあらわに。叔父(シャオ・ヤン)は「暴力はよせ」と仲裁に入るが、あっという間に怒号が飛び交い、手が付けられない家族ぐるみの取っ組み合いが勃発!。見かねたズーハン(ダレン・キム)は、サッカーボールを投げて止めようとするが、怒りは益々ヒートアップしていくのだった…。
感情表現が豊かな中国人の、リアリティ溢れる家族ゲンカの様子が垣間見えるシーン。監督は「“これは私の物語”だと感じてもらえるように、自分の周りで起こる日常的な事や、身近な人を参考にしてストーリーとキャラクターを作っていった。」と語る。節々が作り込まれているからこそ、アン・ランの葛藤と選択が共感を呼び、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』を超える興収を記録するほど、中国での大ヒットに繋がった。
そして今回、藤井道人をはじめ、ブレイディみかこ、 清田隆之、そして主演のチャン・ツィフォンが出演した『チィファの手紙』(18)で監督を務めた岩井俊二からのコメントも到着。大論争を巻き起こした本国に続き、日本でも感動と共感の声が寄せられている。
夢見た人生か、小さなぬくもりか。葛藤しながらも、彼女が選んだ未来とは――。『シスター 夏のわかれ道』は11月25日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国公開。
コメント一覧 (敬称略・五十音順)
小さな弟に慕われ、姉は次第に母の顔になって行く。
拙作でご一緒して以来、久方ぶりに見た張子楓は少し大人の顔になっていた。
岩井俊二
大人になれない人たちが放棄した責任のツケが、
大人にならざるを得なかった人たちの背中に重くのしかかっていく──。
家父長制を生きるすべての男性が向き合うべき問題だと痛感しました。
清田隆之(文筆業・「桃山商事」代表)
チャン・ツィフォンの瞳に全てが語られている。悲しさ、悔しさ、愛しさ。彼女が泣くと悲しくなる、彼女が笑うと嬉しくなる。瞬きするのが惜しいくらい心が震えた映画体験でした。
藤井道人(映画監督)
一人っ子政策の記憶、根深い家父長制の影。その傷を負って生きるのは一族の中の「シスター」たちなのだ
ブレイディみかこ(ライター)
ストーリー
看護師として働くアン・ランは、医者になるために北京の大学院進学を目指していた。ある日、疎遠だった両親を交通事故で失い、見知らぬ6歳の弟・ズーハンが突然現れる。望まれなかった娘として、早くから親元を離れて自立してきたアン・ラン。一方で待望の長男として愛情を受けて育ってきたズーハン。姉であることを理由に親戚から養育を押し付けられるが、アン・ランは弟を養子に出すと宣言する。養子先が見つかるまで仕方なく面倒をみることになり、両親の死すら理解できずワガママばかりの弟に振り回される毎日。しかし、幼い弟を思いやる気持ちが少しずつ芽生え、アン・ランの固い決意が揺らぎ始める…。自分の人生か、姉として生きるか。葛藤しながらも踏み出した未来への一歩とは―。
作品タイトル:『シスター 夏のわかれ道』
出演:チャン・ツィフォン、シャオ・ヤン、ジュー・ユエンユエン、ダレン・キム
監督:イン・ルオシン
脚本:ヨウ・シャオイン
2021年/中国語/127分/スコープ/カラー/5.1ch/原題:我的姐姐/日本語字幕:島根磯美
配給:松竹
公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/sister/
公式Twitter:@_sister_movie
コピーライト:(C) 2021 Shanghai Lian Ray Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved
11月25日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋ほか全国公開
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