ジャン=リュック・ゴダール監督作『中国女』の主演女優であり、ゴダールの2番目の妻でもあったアンヌ・ヴィアゼムスキーの自伝的小説を映画化した『グッバイ・ゴダール!』が、7月13日(金)より新宿ピカデリーほかにて全国順次公開となる。今もなお世界中で敬拝され愛される巨匠ゴダール。彼と10代で出会い、共に時代を駆け抜けたアンヌの知られざる日々を、今まさにフランス映画界を代表する監督・俳優陣によって描く注目の作品だ。
本日6月14日は、本作で映画界の巨匠ジャン=リュック・ゴダールを演じたルイ・ガレルの35歳のバースデー。ゴダールが牽引したヌーヴェルヴァーグから多大な影響を受けたとされる映画監督フィリップ・ガレルを父親に持ち、過去にセザール賞の最優秀新人男優賞も受賞した正統派フレンチイケメン俳優の彼が、今回は髪型までそっくりそのままゴダールになりきって体当たりで演じている。この度、“ゴダールの再来”とまで評されたほどそっくりな、ルイ・ガレル演じるゴダールの場面写真が到着した。
本作で監督を務めたミシェル・アザナヴィシウスは、ルイの起用理由について「ルイは聡明でありながらコメディにも長けている。ルイのような笑いのセンスを持ちながら、非常に才能豊かで勤勉な役者が絶対に必要だった」と語っている。しかし、ルイ自身はオファーに対し「クリスチャンが冒涜に身を落としていると感じることなく、どうやってキリストを演じることができるだろう?ぼくにとってはそれと同じで、ゴダールの崇拝者としてこの役は演じられないと思ったよ」と、自分にとって神に等しいゴダールを演じることをすぐには決断できなかったそう。
しかし、監督と対話を重ね、本作は伝記映画ではなく人生の転換期と歴史上の転換期を同時に迎えた一人の映画製作者についての物語であること、そしてラブストーリーであるという趣旨を理解した彼は、脚本を読んで、最初の1ページから虜になったという。こうして映画の神ゴダールを演じることを決意したルイ。実際に演じてみると、「彼の映画は全て観ている」と公言するほど大のゴダールファンであることが功を奏し、そのそっくりさに監督が「モノマネは望んでいない」と伝えるほど。監督は「読み合わせでちょっとでもルイが真似をすると、途端にとてもおもしろくなっちゃうんだ。しかも正直僕はそれが大好きだった。しばらくは抵抗したけど、そのうち観客が人物像を受け入れられるぐらいにゴダールを真似るのはアリにしようと思った。」と、ついにそのそっくりな演技を受け入れたことも明かしている。
ルイの役作りは演技だけでは終わらない。ゴダールの特徴はなんといってもその髪型。監督はルイに毛を剃るよう説得したという。それについてルイは昨年のカンヌ映画祭公式記者会見で「僕は『髪は僕にとってとても重要なんだ』と言ったんだけど、結局説得されてしまったよ(笑)これまでで一番力を注いだよ」と明かしている。本作でアンヌを演じたステイシー・マーティンも先日来日した際、「彼が髪を剃ることを受け入れた瞬間から映画のピースがハマったんです。すごい勇気だと思います」とその役者魂をたたえていた。正統派イケメン俳優でありながら、豊かな髪を捨ててまでゴダールになりきる役者魂をみせたルイ・ガレル。巨匠ゴダールを、一人の人間ジャン=リュック・ゴダールとして演じた彼の名演は絶対に見逃せない。
ストーリー
もうすぐ19歳のアンヌは、パリで暮らす哲学科の学生。そんな彼女の人生に驚きの出来事が起こる。映画を変えたと世界中から注目される天才監督ジャン=リュック・ゴダールと恋に落ち、彼の新作『中国女』で主演を飾ることになったのだ。新しい仲間たちと映画を作る刺激的な日々、そしてゴダールからのプロポーズ…。生まれて初めての体験ばかりの毎日に、アンヌはあらゆることを夢中で吸収していくが、パリの街ではデモ活動が日に日に激しくなり、ゴダールは次第に革命に傾倒していく――。
作品タイトル:『グッバイ・ゴダール!』
出演:ルイ・ガレル『サンローラン』/ステイシー・マーティン『ニンフォマニアック』/ベレニス・ベジョ『ある過去の行方』ほか
監督:ミシェル・アザナヴィシウス『アーティスト』
原作:『それからの彼女』(DU BOOKS刊・原題『Un an apres』)
配給:ギャガ
公式サイト:gaga.ne.jp/goodby-g
コピーライト:(c) LES COMPAGNONS DU CINEMA – LA CLASSE AMERICAINE – STUDIOCANAL – FRANCE 3.
7月13日(金)、新宿ピカデリーほか全国順次公開