第75回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞した『逆転のトライアングル』(2月23日(木・祝)公開)より、本編映像が解禁された。
第70回カンヌ国際映画祭での『ザ・スクエア 思いやりの聖域』(17)の最高賞パルムドール受賞に続き、本作『逆転のトライアングル』でカンヌ史上3人目の2作品連続パルムドール受賞という快挙を達成。さらに本年度アカデミー賞(R)では、作品賞をはじめ、監督賞、脚本賞の主要3部門にてノミネートされ、『パラサイト 半地下の家族』に次ぐ、カンヌ映画祭とアカデミー賞の2冠達成なるか、その行方が注目を集めている本作。
驚くべき人間観察眼とセンス抜群のブラックユーモアで、毎度観客を絶妙に気まずい気分にさせてくれるスウェーデンの鬼才リューベン・オストルンド監督が選んだ次なる標的は、豪華客船に乗る超絶セレブリティだ。そしてもちろん、問題を痛烈に炙り出す手腕は今作でも絶好調。無人島に豪華客船が漂着したら…という物語を通し、<ファッション業界とルッキズム、そして現代階級社会>をテーマに私たちの価値観を見事にひっくり返す、世紀の大逆転エンタメが誕生した。
主演は『キングスマン:ファースト・エージェント』のハリス・ディキンソンと、残念ながら本作が遺作となってしまったモデル出身のチャールビ・ディーン。フィリピンのベテラン女優ドリー・デ・レオンや名優ウディ・ハレルソンらも参加し、弱肉強食のサバイバル劇が繰り広げられる。
そして今回解禁されたのは、ハリス・ディキンソン扮する主人公のカールがモデルオーディションに参加する映画の冒頭シーン。高級ブランド<フォン・オーベン>のランウェイモデルオーディション会場でインフルエンサーの突撃インタビューを受けるカール。インフルエンサーに「(これから受けるオーディションの)ショーのブランドは不愛想?ニッコリ?」と問われるが、カールはなんのことか分からない。そこでインフルエンサーは彼に優しく「ニッコリは“お安い”ブランド。高級なブランドは顧客たちを見下さなきゃ。『フォン・オーベン』を着る人は大金を見せびらかす感じ」と説明し、カールは不愛想とニッコリの使い分けを学んでいく――。
日本版予告の冒頭にもオーディションシーンの一部が使用されているが、実在するブランド名を挙げてその違いを表現するというオストルンド監督お得意の強烈なブラックユーモアに、SNSでは「このシーンだけで映画見たくなった」「このくだりだけで既に最高!絶対面白い映画」と、日本の観客の心も鷲掴みにしている。
今回、ファッション業界を描こうと考えたきっかけは、ファッション・フォトグラファーであるパートナーの影響だと語るオストルンド監督は「ファッション業界においては男性よりも女性が優位で、男性モデルの置かれている状況は、男性優位な社会において女性たちが強いられていることと変わらないと知ったんだ。独特な世界で面白いと思ったよ。また以前から“ルックスの美しさが持つ経済的価値”に興味があった。大抵の人間は生きていく上でルックスと向き合わねばならないからね。どんな見た目をしているかというのは、社会経験に影響すると思うんだ。ファッション業界を舞台にすることでルックスについても描けると考えたんだ」と、制作の成り立ちを明かしている。
また、俳優業で成功する前にモデルをしていた経験を持つハリス・ディキンソンは、役作りについて「今でもモデルをしている友人がいたり、この業界には少し縁があるんだ。何人かファッション・フォトグラファーとも話をしたよ。ファッション業界にはいくつもの階層があるから、カールはどのレベルなのか、どういった立ち位置なのかを見極めることが大事だった」とコメント。
ちなみにここで登場する<フォン・オーベン>は架空のブランドであり、スウェーデン語で「上から」の意味。どこまでも皮肉と遊び心が詰まったオストルンド脚本の小さなこだわりも必見。また映像に登場するインフルエンサー役のトビアス・ソーウィドは、身長2メートルを誇るスウェーデンのプロチアリーダー。チアリーダーとして活躍する傍ら、ラジオパーソナリティ、モデル、俳優と多彩な顔を持ち、明るいキャラクターで広く愛されている注目のインフルエンサー。北米の映画公式インスタグラムでは、キャンペーンとして彼を起用した街頭インタビュー企画を実施しており、映画同様に「不愛想?それともニッコリ?」と道行く人々に愉快に絡んでいるのでぜひチェックしてみては。
ストーリー
モデル・人気インフルエンサーのヤヤと、男性モデルカールのカップルは、招待を受け豪華客船クルーズの旅に。リッチでクセモノだらけな乗客がバケーションを満喫し、高額チップのためならどんな望みでも叶える客室乗務員が笑顔を振りまくゴージャスな世界。しかしある夜、船が難破。そのまま海賊に襲われ、彼らは無人島に流れ着く。食べ物も水もSNSもない極限状態で、ヒエラルキーの頂点に立ったのは、サバイバル能力抜群な船のトイレ清掃婦だった――。
作品タイトル:『逆転のトライアングル』
出演:ハリス・ディキンソン、チャールビ・ディーン、ドリー・デ・レオン、ウディ・ハレルソン 他
監督:リューベン・オストルンド(『フレンチアルプスで起きたこと』、『ザ・スクエア 思いやりの聖域』)
配給:ギャガ
公式サイト:https://gaga.ne.jp/triangle/
公式Twitter:@triangle0223
公式Instagram:@triangle0223
コピーライト:Fredrik Wenzel (C) Plattform Produktion
2月23日(木・祝)TOHO シネマズ 日比谷 他 全国ロードショー
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