足立紳監督最新作『雑魚どもよ、大志を抱け!』(3月24日(金)公開)より、新場面写真が解禁された。
本作の主人公は、7人の小学生男子たち。昭和末期、地方の町を舞台に、親友である隆造のグループのナンバー2的なポジションだが、実は小心な臆病者で弱虫な自分を変えたいと願いながらも大事な一歩が踏み出せないでいる高崎瞬。ケンカが強くて人情に厚いリーダー格だが、前科持ちでヤクザの父親のせいで、引け目を感じることもある村瀬隆造。親が新興宗教にハマっていることや、吃音のせいでイジメられることもある気弱な性格の愛称・トカゲこと、戸梶元太。ヤンキーの姉と母親の3人暮らしで、今の環境から抜け出すためには学問で成功するしかないと東大進学を目指す星正太郎。大の映画好きで、スピルバーグに憧れて映画監督を夢見る、瞬と同じ学習塾に通う西野聡。隆造を一方的にライバル視しているイジメっ子の玉島明。転校生で、日和見主義な小林幸介など、それぞれ、家庭環境や大人の都合、学校でのイジメや不良中学生からの呼び出しなど、抱えきれない問題や葛藤を抱えながら毎日を過ごす個性豊かな7人。
なかでも物語で、強烈なキャラクターを放つのが、瞬、隆造、トカゲ、正太郎の4人組、そして新しく仲間になった西野のなかに、突如、転校生として登場する小林。小学生でありながら、つねにサングラスをかけてエアガンを持ち歩き、火のついていないタバコをふかす。その風貌、行動はまさしく異彩。そんな小学生らしからぬ小林を演じるのは、石川慶監督『ある男』(22)で、安藤サクラ演じる母親の息子・悠人役に抜擢された坂元愛登。
そして、ツッパリ中学生“政ちゃん”にカツアゲした金を上納して舎弟分として笠を着る明。明役に命を吹き込んだのは、白石和彌監督『孤狼の血 LEVEL2』(21)で、鈴木亮平演じるヤクザの少年時代を演じ、相日監督『流浪の月』(22)では広瀬すず演じる主人公の過去に影響を与える孝弘役を演じた蒼井旬。その明が、西野からカツアゲをしていることが発覚して、さらに、ヤンキー中学生“政ちゃん”から直接の呼び出しが掛かることに―。この問題に、瞬、隆造、トカゲ、正太郎は、どう立ち向かうのか?その時、転校生で武闘派きどりの小林は、一体、誰に付くのか―?
ちょっとしたきっかけで、自分のヒエラルキーが変わってしまう恐怖や自分の想いが上手く言語化出来ないもどかしさ、なにがかっこよくて、かっこわるいか分からないままに、必死に毎日を生きた小学生時代を誰しも思い返し、7人すべてが愛おしく、感情移入できること間違いない。
漢字は違えども、日活ニューフェイスから昭和の大スターとなった“マイトガイ”こと、小林旭を彷彿とさせる破天荒ながらもどこか憎めず、魅力溢れるキャラクター、小林と明。物語の起爆剤となるマイトガイな小林と明から目が離せない。
イントロダクション
『百円の恋』では、引きこもりがちだった30代ニート女性が恋とボクシングに出会い変わっていく姿を、『アンダードッグ』では、「咬ませ犬」に成り下がった中年ボクサーがどん底から這い上がろうとする姿を、『喜劇 愛妻物語』では、売れない脚本家と鬼嫁の絶妙なやり取りで爆笑をさらいつつ根底に流れる夫婦愛を、映画監督として、脚本家として、小説家として、常に、欠点だらけで、それでいて愛すべき者たちの織り成す人間賛歌を描き、観客の熱い支持を受けて数々の賞を総なめにしてきた映画作家・足立紳。自身が執筆した小説『弱虫日記』(講談社文庫)を原作とし、「プライドを獲得しようと必死にもがいている少年たち。その姿を今の世の中に問うてみたい」と意欲を燃やす作品が、この『雑魚どもよ、大志を抱け!』だ。
地方の町に暮らす平凡な小学生・瞬(池川侑希弥)。心配のタネは乳がんを患っている母の病状……ではなく、中学受験のためにムリヤリ学習塾に入れられそうなこと。望んでいるのは、仲間たちととにかく楽しく遊んでいたいだけなのに。
瞬の親友たちは、犯罪歴のある父(永瀬正敏)を持つ隆造(田代輝)や、いじめを受けながらも映画監督になる夢を持つ西野(岩田奏)など、様々なバックボーンを抱えて苦悩しつつも懸命に明日を夢見る少年たち。それぞれの家庭環境や大人の都合、学校でのいじめや不良中学生からの呼び出しなど、抱えきれない問題が山積みだ。ある日、瞬は、いじめを見て見ぬ振りしてまう。卑怯で弱虫な正体がバレて友人たちとの関係はぎくしゃくし、母親の乳がんも再発、まるで罰が当たったかのような苦しい日々が始まる。大切な仲間と己の誇りを獲得するために、瞬は初めて死に物狂いになるのだった。
この足立紳監督の最新作で、オーディションで抜擢されて映画初主演を務めるのが、Boys be/関西ジャニーズJr.で活躍中の池川侑希弥。子供同士の争いや家族の事情に翻弄されながら育つ、主人公・瞬の揺れる心情を、繊細に演じ切った。映画初主演とは思えない堂々とした存在感と瑞々しい演技は、観る者を惹きつける。
同級生たちには『CUBE 一度入ったら、最後』の田代輝、「二月の勝者-絶対合格の教室-」(NTV、21)の白石葵一ほか、松藤史恩、蒼井旬、坂元愛登、岩田奏ら、オーディションで選ばれた少年たちが揃い、昭和の地方都市に住む、それぞれ複雑な家庭環境で必死に生きる個性豊かな子供たちを熱演している。
その他、豪華キャスト陣にも注目。瞬の母親・佳子を臼田あさ美、父親・作朗を浜野謙太、妹・ワコを新津ちせ、その他にも、瞬の親友・隆造の父親・真樹夫を、永瀬正敏、母親・美奈を河井青葉が演じる。
『ションベン・ライダー』(1983・日)、『スタンドバイ・ミー』(1986・米)、『少年時代』(1990・日)など、少年期を描いた青春映画の系譜に連なる、新たなマスターピースが誕生した。
作品タイトル:『雑魚どもよ、大志を抱け!』
出演:池川侑希弥(Boys be/関西ジャニーズJr.) 田代輝 白石葵一 松藤史恩 岩田奏 蒼井旬 坂元愛登
臼田あさ美 浜野謙太 新津ちせ 河井青葉 /永瀬正敏
原作:足立紳『弱虫日記』(講談社文庫)
監督:足立紳(『喜劇愛妻物語』『14の夜』)
脚本:松本捻
音楽:海田庄吾(『百円の恋』『喜劇愛妻物語』)
主題歌:インナージャーニー「少年」(鶴見river records)
製作幹事:東映ビデオ
制作プロダクション:the ROOM
制作協力:岐阜県飛騨市
配給:東映ビデオ
公式サイト:https://zakodomoyo-movie.jp/
コピーライト:(C)2022「雑魚どもよ、大志を抱け!」製作委員会
2023年3月24日(金)新宿武蔵野館ほか全国順次公開
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