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『The Son/息子』フロリアン・ゼレール監督のインタビュー映像解禁!アカデミー賞作家が語る驚きの演出法とは?

The Son/息子

『The Son/息子』(全国公開中)より、フロリアン・ゼレール監督のインタビュー映像が解禁された。

本作は『ファーザー』でアカデミー賞(R)を受賞したゼレール監督の最新作で、『X-MEN』シリーズや『レ・ミゼラブル』で知られるヒュー・ジャックマンが主演と製作総指揮を務めた注目作。

ゼレール監督は1979年、フランス生まれ。小説家としてキャリアをスタートさせ、これまでフランス演劇界で最高の栄誉とされているモリエール賞を獲得するなど、現代フランスを代表する劇作家として知られている。映画監督としてのキャリアは、自身の戯曲を映画化した『ファーザー』が初監督作で、本作が長編2作目。

解禁されたインタビュー映像では、演劇界出身ならでは演出や脚本の書き方、名だたる俳優たちを起用した理由、パンデミック後のメンタルヘルス問題に至るまで、あらゆることを語ってくれた。

ゼレール監督は戯曲や脚本を書き方について、「普段は特定の俳優を想定して書いている」と語る。しかし、本作で想定していたのはアンソニー・ホプキンスだけだったと明かした。ヒュー・ジャックマンが主演と製作総指揮を務めるきっかけとなったのは、彼自身の熱烈なアプローチがきっかけだったという。時勢柄もあり、Zoomで面談が行われ、面接の20分後には役をオファーしていたほど、彼の本作にかける熱意に心を打たれたようだ。

また、ローラ・ダーンヴァネッサ・カービーゼン・マクグラスについても、それぞれの起用のきっかけや印象を語っている。とりわけ、ローラ・ダーンに関しては、彼女をいくども起用しているデヴィッド・リンチ監督の影響があったことを明かしている。

演出について話が及ぶと、驚きの発言が飛び出した。なんと、本作ではリハーサルをほとんど行わなかったという。ゼレール監督はリハーサルの重要性を認めつつも、行わなかった理由について「俳優たちには演技をしてほしくなかった」「正直な反応を見せてほしかったんだ」と明かす。そうすることによって「独自性と力強さを持つ作品を撮れる」のだと、自らの演出法について熱く語った。

また、パンデミック以降、本作の真実味がさらに増したとゼレール監督は語っている。「多くの人がつらく大変な状況を経験したからだ。孤独や不安にも直面してきた。」と、近年社会問題化しつつあるメンタルヘルス問題に触れ、この問題について「話せば話すほど、口にしてもいいのだと思えるようになる」と、未来への希望を語った。

『ファーザー』『The Son/息子』と自らの「家族3部作」の戯曲を映画化したゼレール監督。残る1作は2010年にフランスで初演され、2019年にはイザベル・ユペール主演で上演された「The Mother」だ。彼の次回作に注目が集まる。

The Son/息子
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