『ヘルタースケルター』(2012)以来6年ぶりとなる沢尻エリカの主演、若手演技派俳優の吉沢亮出演、犬童一心監督がメガホンをとる『猫は抱くもの』が、6月23日(土)に新宿ピカデリー、角川シネマ有楽町他にて全国公開となる。
本作は、思った通りの自分になれず、投げやりな毎日に慣れてしまった“元アイドル”の沙織(沢尻エリカ)と“自分を沙織の恋人だと思い込んでいる猫”が、自分らしい生き方を見つけていく物語。
そんな本作で、主人公である沙織を翻弄する2人の男を演じたのが、舞台の貴公子こと柿澤勇人。柿澤は劇団四季出身で、近年では『デスノート The Musical』で浦井健治と共にダブルキャストで主役を務めるなど次世代を担う実力派若手俳優として活躍しており、また「先に生まれただけの僕」(NTV)、「デザイナーベイビー」(NHK)、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」など舞台以外にも活躍の場を広げている。さらに今年の9月から上演される、福田雄一が演出・上演台本、山田孝之と共にダブル主演で贈るミュージカル『シティ・オブ・エンジェルズ』が控えており、今もっとも勢いのある俳優と言っても過言ではない。今回3年ぶりとなる映画出演で、待望の犬童組への参加となった柿澤。監督のほとんどの作品を観ているという彼に、ファンタジックな犬童ワールドで経験した様々な初体験について聞いてみた。
妥協無し!粘りの撮影初体験!
犬童組の撮影に参加して感じたことはと聞くと“妥協しないことですね”という答えが返ってきた。
「1カット1カット絶対妥協しないです。他の現場で時間がないとかで“しょうがない次行こう”っていうのは経験しているんですけど、監督は自分の中の基準を超えていかないと次に進まない。日没が近づいて撮影時間も残りわずかみたいな時もあったんですけど、それすらも楽しんでいる。本当にお芝居が好きで映画が好きな方なんだろうなと感じました」とコメント。柿澤にとってこうした監督の姿勢は大きな財産となったに違いない。
映画?舞台?想像力を刺激するファンタジックな世界を初体験!
本作に出演したキャストが口を揃えて語るのが、脚本からは読み取れない世界観。映画と舞台が交錯する独特な世界観を台本だけでイメージするのは至難の業であり、柿澤にとってもそれは例外ではなかった。脚本について柿澤に尋ねると「僕も文字だけではわかりませんでした(笑)」と率直な答えが返ってきた。しかしこの問題に対して舞台経験が役立ったらしく、「舞台の経験で言うとこの脚本大丈夫なのっていうのは多々あるんですよ。でも演者が面白くて演出が素晴らしいと別物になって引き込まれるという経験があるので、特に不安ではなかったですし、実際撮影が始まれば、そんな不安はすぐに払しょくされましたね」と語ってくれた。特殊な犬童ワールドの中で堂々と演じられたのは、彼がこれまで積み上げたものがあってこそだったのだ。
映画で1人2人役を初体験!
(沢尻演じる主人公の年下の上司&テレビ局のプロデューサー・ササキ)
ただでさえ映画と舞台が交錯するファンタジックな世界観であるにも関わらず、柿澤は本作で2役を演じている(そのうち1役は現代パートと過去パートがある)。舞台で1人2役を経験している柿澤も、脚本の時と同様に「どうしようと思いましたね(笑)」と戸惑った様子。だが監督のアドバイスによりさほど悩まずに演じることができた。「衣装合わせの時に一方の役が恰幅良くて、監督も『この役はラグビーをやっていたのかなー(監督のモノマネ)』とか言って和ませてくださって(笑)、僕が色々作り込んだ方がいいのか、それとも映像だからしないほうがいいのか悩んでいたのですが、芝居の余計なものを監督がそぎ落としてくれてましたね」と語る通り、劇中では2役を伸び伸びと演じている。
映画のキスシーンを初体験!!
意外な事に映像作品でのキスシーンは今作が初だと語る柿澤。共演者である沢尻エリカとのキスシーンについて「舞台の稽古でも、いつキスシーンをするのかちょっとしたイベントみたいで緊張することはあるんですけど、映像作品では初めてなうえに、相手は沢尻さんで余計に緊張しました。でもその緊張がバレてしまうのもいやなんで、努めて普通にやったら、沢尻さんも普段と変わらず演じてくれて。現場でもすごい気さくに話してくれましたし、オンオフで嘘の無い素直な方だろうと思いました」と語ってくれた。
本作を通して様々な初体験をした柿澤、彼が劇団四季を退団した時に最もやりたかったことは映像作品への出演で、とりわけそれは映画だったという。念願の犬童組での体験を経て、今後も映像、舞台に関わらず活躍し続けること間違いなし!そんな彼の演じ分けを是非スクリーンで確認して頂きたい。
ストーリー
こじらせた1人と1匹の妄想が、自分らしい幸せに気付かせてくれる―
思った通りの自分になれなくて、いつしか投げやりな生き方に慣れてしまった沙織(沢尻エリカ)。元アイドルのアラサーで、今はスーパーで働く彼女が心を開くのは、こっそり飼っている、ロシアンブルーの猫・良男(吉沢亮)だけ。今日いちにちの出来事を、妄想を交えつつ良男に話して聞かせる沙織。沙織の心に寄り添ううち、良男は自分が沙織の人間の恋人で、彼女を守れるのは自分だけだと思い込んでしまう。そんなある日、沙織の前に“ゴッホ”と呼ばれる売れない画家・後藤保(峯田和伸)が現れ、良男は沙織の変化を目の当たりにする。ある晩、良男は月に誘われるように外の世界に飛び出し、迷子になってしまい…。ゴッホや、ゴッホを慕う猫・キイロ(コムアイ)、個性豊かな猫たちとの出逢いを通じて、1人と1匹は、自分らしく生きるすべを見つけていく。うまくいかないことの輝き。置いてけぼりをくらっている時間の豊かさ・・・。灰色の日常がカラフルに輝きはじめる、心温まる物語。
作品タイトル:『猫は抱くもの』
出演:沢尻エリカ / 吉沢亮 峯田和伸 コムアイ(水曜日のカンパネラ) / 岩松了
藤村忠寿 内田健司 久場雄太 今井久美子 小林涼子 林田岬優 木下愛華 蒔田彩珠 / 伊藤ゆみ 佐藤乃莉 末永百合恵 / 柿澤勇人
監督:犬童一心
原作:大山淳子『猫は抱くもの』(キノブックス刊)
脚本:高田亮
音楽:水曜日のカンパネラ
制作プロダクション:ADKアーツ
2018年/日本/カラー/ビスタ/DCP5.1ch/109分
企画製作・配給:キノフィルムズ
公式サイト:nekodaku.jp
コピーライト:(c)2018「猫は抱くもの」製作委員会
6月23日(土) 新宿ピカデリー他、全国ロードショー!