数々の名作を生み出し、アカデミー賞(R)で作品賞1回、監督賞1回、脚本賞3回を受賞している巨匠ウディ・アレン監督の、ロマンティックでちょっとビターな人生ドラマ『女と男の観覧車』が6月23日(土)公開となる。この度、主演のジニーを熱演したケイト・ウィンスレットと、二度目の夫を演じたジム・ベルーシのインタビュー動画が解禁された。
今回はアレン監督から「最高峰の演技力を誇る女優でないと成立しない。」と言われるほどの、映画至上最難関の役どころに挑んだケイト・ウィンスレット。アレンの作品に出ると決まった時の気持ち、この役を演じた時の感想、そして日本について、夫役のジム・ベルーシとにこやかに語っているインタビュー映像となっている。
この作品に出たいと思った一番のきっかけは何ですか?
ケイト・ウィンスレット(以下ケイト)「それはすべてよ。」
ジム・ベルーシ(以下ジム)「ウディ・アレンは最高の俳優で監督だ。俳優なら誰でも出たがる。」
ケイト「特に脚本はすばらしいわ。」
ジム「アカデミー賞に20回以上ノミネートされて脚本賞が多い。彼と仕事ができるのは俳優として栄誉なことだ。」
ケイト「本当に。だって私は今まで42年間生きてきたけど、子供の頃に見た映画で一番覚えているのは彼の作品よ。『ダウンタウン物語』や『グリース』よりね。つまり、彼は私にとって何というか、私が影響を受けた映画の原体験と言っていいと思うの。だから“アレンからオファーだ”と電話がきて“本当に?”って感じだったの。あの時はものすごく感激したわ。」
ジム「またとない機会だった。それと同時に、最高の演技をしないと、というこの上ない重圧もある。」
クセのある役柄を演じるのはどんな気分でしたか?
ケイト「この上なくいい気分だったわ。スタッフも少なく低予算の映画だったけど、みんなプロで落ち着いていた。たった30日で撮影をしなくてはならなかったの。普通の映画なら2倍は時間をかけるわ。だから全員がベストを尽くす必要があった。」
ジム「セットに入った時からだよ。衣装とメイクを済ませてセットに入るんだ、アレンは僕らの普段着姿を知らない。会うのは役になりきった時だけ。僕らは作品の世界を作り、彼はそんな僕らしか知らない。」
ケイト「あれにはかなり驚かされたわ。それに大変でもあった、仕事が過密だったから。みんなベストを尽くそうとすごく集中していたわ。」
ジム「この上なくね。ああいう環境で仕事するのはすごく好きだ。集中のレベルが高いんだ。もし他の人が自分より集中してないと困っちゃうけど、全員が集中していた。全員が仕事のことを思いシーンに入り込み、自然な演技をしようとしていたんだ。」
2人の役柄を理解するカギは何ですか?
ジム「僕の役のカギは「ハンプティ」という名前だ、「ハンプティ・ダンプティ」だよ。ハンプティ・ダンプティは僕みたいな太った人物、そして、もろい殻で覆われていて中身は空っぽだ。まさに僕の演じた役柄だよ、彼は空っぽなんだ。彼はジニーを必要としている。まさにセリフどおり“彼女なしでは死んでしまう”、とても壊れやすい存在なんだ。だから僕の演じた役は”殻で自分を守るが壊れる危険は常につきまとう”、そういう役だ。」
ケイト「私の役のジニーは、毎日後悔しながら生きているの。何でこんなところにいるのかと日々思っている。望みどおりのことなど何ひとつない、そんな状況を変えたくてもがいているの。昔の人生を取り戻そうとしたり、新しい何かを求めたりね。でも完全に行き詰っている、後悔だらけの人生よ。彼女は過去の失敗した結婚を忘れられなくて、その話ばかりしている。その失われた愛のせいで、すべてがうまくいかないんだと彼女は信じている。女優になれなかったのも、愛する人と結婚しないのもね。だからお酒を飲むし、息子とも問題があるの。だから未来に希望を抱けないのよ。そんな時ジャスティン演じるミッキーに会って、希望の兆しが見えた、それですべてを投げ打つの、新たな出発にかけたのよ、悲惨なことにね。」
ジム「面白いことに彼女の役の背景は、選択で形作られている。僕のキャラクターの背景は、妻や子供を失ったことだ、それで傷ついている。彼はすべての災厄が降りかかったように感じている。だけど君の役は常に選択してきた。ミッキーと一緒にいるという選択もそうだ。ケイトとハンプティ、2人の喪失の仕方の対比が面白いね。」
ケイトと共演することはどんな経験でしたか?
ジム「共演者として 最高だったよ。いつも集中していてシーンに全力で打ち込む。それにすごく優しいしね。コーヒーをいれてくれた。きっと僕の衣装を渡すと、家に持って帰って洗濯しただろうね!それを畳んで持ってきてくれる(笑)。お腹が空くとサンドイッチを作ってくれた。共演者にすごく優しいんだ。キャプテンだったよ。」
ケイト「チームの一員として行動したの、そしてリーダーシップを取らなければと思ったの。だって、全員が気を遣わないといけない現場で、全員打ち込む必要があったの、だから率先してやったのよ。」
ジム「彼女が1日中ずっと全力投球だったから、全員があそこまで力を出し切れたんだ、彼女はリーダーにふさわしい俳優だよ。」
日本の映画や関心があることなどは?
ケイト「日本へは、私は1度、24時間滞在しただけなの、また行きたいわ、いつか招待して。」
ジム「僕は行ったことがない。イメージは「ロスト・イン・トランスレーション」だね、ビル・マーレイは友達なんだ。」
ストーリー
時は1950年代、主人公のジニー(ケイト・ウィンスレット)は、元女優で、今はコニーアイランドの遊園地にあるレストランで、ウェイトレスとして働いている。再婚同士で結ばれた、回転木馬の操縦係を務める夫のハンプティ(ジム・ベルーシ)、そして自身の連れ子と観覧車の見える部屋で暮らしている。実は彼女は夫に隠れて、海岸で監視員のアルバイトをしているミッキー(ジャスティン・ティンバーレイク)と付き合っていた。平凡な毎日に失望していたジニーは、脚本家を目指すミッキーとの未来に夢を見ていた。だが、ギャングと駆け落ちして音信不通になっていたハンプティの娘キャロライナ(ジュノー・テンプル)が現れたことから、すべてが狂い始める──。
作品タイトル:『女と男の観覧車』
出演:ケイト・ウィンスレット『愛を読むひと』『タイタニック』
ジャスティン・ティンバーレイク『ステイ・フレンズ』『TIME/タイム』
ジュノー・テンプル『リトル・バード164マイルの恋』『トランストリップ』
ジム・ベルーシ『K-9/友情に輝く星』『ゴーストライター』
監督/脚本:ウディ・アレン『カフェ・ソサエティ』『ミッドナイト・イン・パリ』
2017年/アメリカ/英語/カラー/101分/アメリカンビスタ
原題:WONDER WHEEL
Photo by Jessica Miglio
配給:ロングライド
公式サイト:http://longride.jp/kanransya-movie/
コピーライト:(c) 2017 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.
6月23日(土)丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国公開