芸能に長けた異性装のパフォーマー、女性性をデフォルメしたドハデな衣装とメイクを施したドラァグクイーンは日本に限らず世界各国で独自の文化を築いてきた。ブラジルで活躍した異性装パフォーマー、またはドラァグクイーン達のなかでも第一世代とよばれる、いわばドラァグクイーンカルチャー黎明期を支えた人々を追ったドキュメンタリー『ディヴァイン・ディーバ』が9月1日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほか全国順次ロードショーとなる。この度本作の予告編とポスタービジュアルが解禁された。
1960年代にリオ・デ・ジャネイロのヒヴァル・シアターで活躍したドラァグクイーン8人が、50周年を記念して再び集結しライブを開催する。カメラは長い間舞台の仕事から遠ざかり高齢になった彼女らが、再び集結し、四苦八苦しながら演目に挑む姿をとらえつつ、彼女達が活躍した輝かしい60年代のシーンを振り返る。当時の貴重な歴史映像や写真が織り込まれ、ブラジルのサブカルチャーを紐解く史料的な価値もあり、それは芸能・サブカルチャーのシーンだけではなく、広く社会的な意味も持つ。独裁制社会と戦い、表現の自由を勝ち取ったレジェンド達から出てくる言葉はときに辛辣で、ときにユーモアたっぷり。この自由こそ今の世の中に欠けていることなのではないか、と問いかける。
この度公開された予告編では、1960年代、軍事独裁政権下のブラジルで活躍した伝説のドラァグクイーン8人の公私にわたる姿が描かれている。かつての活動拠点であった劇場の70周年を記念したショーに出演するため、久しぶりに皆で集合しショーの稽古を行う様子や、ゴージャスなドラァグクイーンの姿へと化粧を施す舞台裏の様子、歌とダンスで観客を盛り上げるショー本番の映像などが映されている。また、当時を振り返ったインタビュー映像では「最低の政策の時代だった」「劇場も検閲が必要だった」「それでも自分たちの生き方を投げ出さなかった」と、ドラァグクイーンカルチャーが広まる前の困難な時代に、決して信念を曲げずに社会と闘った彼女たちの力強い言葉が胸に響く。「彼女たちの存在自体が、芸術作品だった」「女として生きてきた 歌うことが生きること」というコピーの通り、自由と権利を求めて花開いたディーバ達が、時を経て再び演じる華やかで力強い最高のショーの映像に魅了される予告編となっている。
同時に公開されたポスタービジュアルでは、ディーバ達が舞台に立つ堂々とした後ろ姿を舞台後方から捉え、劇場オーナーの孫娘である監督が、子供の頃舞台袖から彼女たちの姿を観ていたという光景を思い起こさせる。ポスター上部には目元に濃いメイクを施す姿が、下部にはディーバ達が活躍した全盛期の美しいドラァグクイーン姿が散りばめられ、金色を基調としたゴージャスな雰囲気のビジュアルとなっている。
ストーリー
1960年代のブラジル。軍司独裁政権下の厳しい時代にゲイやレズビアンなど性的少数者達には、今のような自由はなかった。だが、彼らは、女性装をして芸能の才を披露することで、自分らしく生きることを選んだ。かつてレジェンド達が歌い、踊っていた拠点であるリオ・デ・ジャネイロのヒヴァル・シアターの創立70周年を記念し、この劇場から巣立ったレジェンド達を一堂に会した「ディヴァイン・ディーバス・スペクタクル」が開催される。2014年に行われた特別版、レジェンド達のデビュー50周年祝賀イベントのプレミアでは、長い間舞台の仕事からは遠ざかっていた高齢の彼女らが、文句タラタラ四苦八苦しながら演目に挑む姿をとらえつつ、輝かしい60年代のシーンを振り返っていく。
作品タイトル:『ディヴァイン・ディーバ』
監督・脚本:レアンドラ・レアル
出演:ブリジッチ・ディ・ブジオ、マルケザ、ジャネ・ディ・カストロ、カミレK、フジカ・ディ・アリディ、ホジェリア、ディヴィーナ・ヴァレリア、エロイナ・ドス・レオパルド
2016年/ブラジル/ポルトガル語/110分/カラー/ビスタ
原題:DIVINE DIVAS
提供:青幻舎/ミモザフィルムズ
配給:ミモザフィルムズ
公式サイト:diva-movie.jp
コピーライト:(c) UPSIDE DISTRIBUTION, IMP. BLUEMIND, 2017
9/1(土)ヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほか全国順次ロードショー