『落下の解剖学』第96回アカデミー賞(R)で脚本賞受賞 スピーチ全文も到着

落下の解剖学

第96回アカデミー賞(R)で『落下の解剖学』が脚本賞(ジュスティーヌ・トリエ、アルチュール・アラリ)を受賞した。

第76回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞、本国でも昨年の公開以降未だ人気は衰えず、ついに動員170万人を突破。日本でも大ヒット中の本作は、夫の死をきっかけに、夫婦の嘘や疑念がまるで<解剖>されていくように暴かれていく物語。監督と脚本と務めたのは、本作が長編映画4作目となるジュスティーヌ・トリエ。

落下の解剖学
ジュスティーヌ・トリエ
(C) Yann_Rabanier

先日行われたゴールデン・グローブ賞でも脚本賞と非英語作品賞の2部門を獲得、本年度映画賞レースの台風の目になっていた本作。今回、米国アカデミー賞(R)でトリエ監督と共に脚本賞を受賞したのは、実生活でもパートナーであり、監督・脚本家・俳優としてマルチに活躍するアルチュール・アラリ。

なお、脚本賞を受賞した2人のスピーチ全文は以下の通り。

目次

スピーチ全文

■ ジュスティーヌ・トリエ
ありがとうございます。これで中年の危機を乗り越えられそうです。今年はクレイジーな年です。私たちが前から始めたかったことが、今夜少しずつ動き出します。脚本を書いていた時はロックダウン下で、私たちは2人の子供と一緒に家にいて彼らにアニメの『ONE PIECE』を見せていました。仕事とおむつの間に境界線なんてありませんでした。
キャストにも感謝を伝えさせてください。ザンドラ・ヒュラー、スワン・アルロー、ミロ・マシャド・グラネール、アントワーヌ・レナルツ、現場で演じてくれたことに感謝します。あなたたちが現場で脚本を完成させてくれた。それって脚本家や監督にとって最高のことです。本当にありがとうございます。大変光栄です。

■ アルチュール
ある女性と男性がやってきました。プロデューサーのマリー=アンジュ・ルシアーニとダヴィド・ティオンです。
その時からちょっと物事がおかしくなってきた。ごちゃごちゃなピンポンみたいに。ただ、私たちチームの間にも、私たちの上にも制限は何もなく そこにあったのは、ひたすら独立性と自由でした。それがこの映画を作ることができた唯一の環境でした。彼らに心から感謝します。

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