黒沢清監督が柴咲コウ主演でセルフリメイクした『蛇の道』(6月14日(金)公開)より、西島秀俊、青木崇高の出演が解禁された。
『岸辺の旅』で第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門・監督賞を受賞、『スパイの妻』で第77回ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞を受賞するなど、世界から高い評価を得る黒沢監督が、最新作にして自身が「これまでのキャリアの中で最高傑作ができた」と語る本作は、日仏共同製作による完全版”リベンジ・サスペンス”。
撮影は全編フランスロケ、フランス語にて行われ、主演・新島小夜子役の柴咲は、他人の復讐に協力する謎に包まれた精神科医という難しい役どころを、撮影の約半年前からフランス語のレッスンを受け演じ切った。
また、第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で審査員賞を受賞した『レ・ミゼラブル』(19)に出演するなどフランスで注目を浴びる俳優ダミアン・ボナールが、殺された娘の復讐に燃える男・アルベール役を演じる。
そんな本作で西島が演じるのは、パリで精神科医として働く小夜子の元に通う患者・吉村役。黒沢監督とは『クリーピー 偽りの隣人』(16)を含む4作品でタッグを組んでおり、「黒沢監督と再びご一緒できたこと大変嬉しく思います。あの復讐の物語が再び描かれる、しかも舞台はフランスということを聞き、驚き興奮しました。復讐の果てにはいったい何があるのかが描かれています。これまでに見たことのない物語が待っていると思います」とコメント。解禁された場面写真では、精神科医・小夜子のもとへ診察に訪れた吉村が虚ろな目でじっと何かを訴えるような姿、また小夜子の側面にぴったりと立ち、生気の無い顔で見下ろす姿が捉えられ、その静かで不穏な存在がどのように観客の心をざわめかせるのか、期待が高まる。
一方、青木が演じるのは小夜子の夫・宗一郎役。「国内外に多くのファンを持つ黒沢清監督の作品に関われたこと、同じ日本人としてとても誇らしく思いました。この映画を世界のより多くの方に観ていただきたいです」と語り、場面写真では、薄暗い殺風景な部屋でパソコンに向かい、パリに住む小夜子に語りかけている姿が。しかし、その画面を見つめる小夜子の表情は氷のように冷たく、この夫婦の間に流れる溝の深さが計り知れないことがうかがえる。
黒沢監督は「西島さん、青木さん共に、この映画に素晴らしい多様性と華やかさと、そしてただならぬ緊張感とをもたらしてくれました」とコメントを寄せている。
なお、黒沢監督、西島、青木からのコメント全文は以下の通り。
コメント(敬称略)
黒沢清監督
西島さん、青木さん、共にたった一日のパリロケでしたが、この映画に素晴らしい多様性と華やかさと、そしてただならぬ緊張感とをもたらしてくれました。現場では、柴咲さんも久しぶりの日本語の芝居でずい分リラックスしていらっしゃいましたが、いざカメラが回り始めると、互いの腹を探り合うような、お二人との不穏なやりとりに、フランス人スタッフたちもただただ圧倒されていたようです。
西島秀俊(吉村役)
黒沢監督と再びご一緒できたこと大変嬉しく思います。
『蛇の道』はとても好きな作品です。あの復讐の物語が再び描かれる。しかも舞台はフランスということを聞き、驚き興奮しました。
私が演じた吉村は、監督が実際に会ったことのある人物にインスパイアされて出来上がったと伺い、現場で一緒に人物像を作り上げていきました。作品をご覧になる皆様に吉村という人間がどのように映るのかとても興味があります。そして柴咲さんと再び共演し、その鋭い感性と高い集中力に引き込まれる事で、小夜子と吉村の独特の緊張感を生み出すことが出来たのではないかと感じています。
『蛇の道』は復讐の果てにはいったい何があるのかが描かれています。これまでに見たことのない物語が待っていると思います。
青木崇高(宗一郎役)
緊張と狂気をはらんだ物語とは全く違って、現場の雰囲気は監督のお人柄が映し出されているような、とても温かく心地のよいものでした。
フランスの現地スタッフに敬意を払いながら、1カットずつ丁寧に撮られる姿はとても印象的でした。
主演の柴咲さんは、撮影前からしばらくフランスで生活されていたからなのでしょう、佇まいがしっかりと馴染んでいて、大変驚きました。また立ち姿がとても美しく感じました。
国内外に多くのファンを持つ黒沢清監督の作品に関われたこと、同じ日本人としてとても誇らしく思いました。
この映画を世界のより多くの方に観ていただきたいです。
ストーリー
何者かによって8歳の愛娘を殺された父、アルベール・バシュレ(ダミアン・ボナール)。偶然出会った精神科医の新島小夜子(柴咲コウ)の協力を得て、犯人を突き止め復讐することを生きがいに、殺意を燃やす。
“誰に、なぜ、娘は殺されたのか”。
とある財団の関係者たちを2人で拉致していく中で、次第に明らかになっていく真相。
“必ずこの手で犯人に報いを――”
その先に待っているのは、人の道か、蛇の道か。
『蛇の道』
出演:柴咲コウ、ダミアン・ボナール
西島秀俊、青木崇高
監督・脚本:黒沢 清
言語:フランス語
原案:『蛇の道』(1998年大映作品)
製作国:フランス/日本/ベルギー/ルクセンブルク
製作:CINEFRANCE STUDIOS KADOKAWA
配給:KADOKAWA
(C) 2024 CINÉFRANCE STUDIOS – KADOKAWA CORPORATION – TARANTULA
公式サイト:https://movies.kadokawa.co.jp/hebinomichi/
公式X:@eigahebinomichi
6月14日(金)全国劇場公開
関連記事:■ 黒沢清監督が柴咲コウ主演で『蛇の道』をセルフリメイク オールフランスロケによる日仏共同製作 ―コメントあり