大気汚染と並び「典型7公害」の一つとなっている騒音に焦点を当て、あらゆる音に囲まれる現代を健全に生きる方法を探求するドキュメンタリー映画『静寂を求めて -癒やしのサイレンス-』が9月22日(土)よりポレポレ東中野ほかで全国順次公開される。
<騒音は現代の重大な公害問題。知らぬ間に私たちの心体はリスクにさらされている。>
急速に経済が成長し、技術革新や都市の拡張が進む私たちが生きる現代において、静寂な時を持つことは特別な事になっている。都市部では、一時たりとも無音状態が存在せず、あらゆるノイズに囲まれているからだ。都会で日々聞こえてくる交通機関や街頭などからの騒音は、私たちの健康にとって、大気汚染に次ぐ重大な公害問題だと世界保健機関(WHO)は指摘する。環境騒音は、ストレス、睡眠障害、学習障害、聴覚障害、そして心疾患など多岐にわたる健康への悪影響を与える原因となることが知られ始めている。
監督メッセージ – DIRECTOR’S STATEMENT
『静寂を求めて』は、長い間多くの表現者が型にはめるような表現方法で、どうにか表現しようと試みてきただろう瞑想的なドキュメンタリー映画です。私たちは、静寂という表現することが半ば不可能な性質なものを、型にはめようとはせず、解き放つことを意識して制作に臨みました。
この映画は、私たちが静止して世界を体験している様に撮影しました。撮影にクレーンの動き、ドローン、またはカメラの左右の動作などがありません。
映画の全体的なリズムは、人間の思考の作用を念頭に置いて慎重に作られました。この映画が、観客の歩みをスローダウンさせ、新しい世界を体験して下さることを願っています。
映画監督でTranscendental Media の創設者。これまでの監督作「Flight from Death 」「The Quest for Immortality」などは120の映画祭で上映され、25 地域で放送されている。20の映画賞を受賞し、10のノミネートを受けている。これまでに、CNN,ハフポスト、LAタイムズ、ボストン・グローブ、ワシントン・ポストなどで作品が紹介されている。作品は高い評価を受け、プリンシトン大学、コーネル大学、ハーバード大学などで上映され、1999年にはホワイトハウスに招かれクリントン大統領(当時)と面会している。2012年以後は世界中で映画制作を教えている。
静寂は心を鎮め、開かせる。そして心を環境と調和させる。
騒音から逃れるため、グレッグ・ヒンディは23歳の誕生日までの1年間、沈黙の誓いを立て、一言も発せずに徒歩でアメリカ大陸を横断した。
作曲家ジョン・ケージが音楽の新たな地平を開いた独創性に富んだ無演奏の曲「4分33秒」は、演奏以外の「無」を聴き、そして観るという、常に揺れ動く心に静かな居場所を与えるような全く新しい体験をもたらした。
日本の宮崎良文教授は、森林浴で都会人の免疫機能が向上し、ストレスが低下することや、抗がん細胞が活性化することを確認した。
静寂の必要性が急速に高まっていく中、『静寂を求めて』は、私たちがあらゆる音に囲まれて生きるこの21世紀を、静寂、音楽、騒音などの音に焦点を当て、健全に生きるための方法を探究するドキュメンタリーである。
作品タイトル:『静寂を求めて -癒やしのサイレンス-』
監督:パトリック・シェン
プロデューサー:パトリック・シェン、アンドリュー・ブロメ、ブランドン・ヴェダー
出演者:グレッグ・ヒンディ、宝積玄承、ジョン・ケージ、奈良 宗久、デイヴィッド・ベチカル、宮崎 良文 他
81分/2015年/英語・日本語
原題:IN PURSUIT OF SILENCE
配給:ユナイテッドピープル
公式サイト:http://unitedpeople.jp/silence/
コピーライト:(c)TRANSCENDENTAL MEDIA
2018年9月22日(土)ポレポレ東中野ほか全国順次ロードショー