映画『明日を綴る写真館』(6月7日(金)公開)の完成披露試写会が5月23日(木)に東京・有楽町朝日ホールで行われ、主演の平泉成のほか、佐野晶哉(Aぇ! group)、佐藤浩市、市毛良枝、秋山純監督が登壇した。
およそ500人の観客が集う中、キャスト・監督が客席内を通って登壇し、大歓声に包まれた会場で舞台挨拶がスタート。
さびれた写真館を営むカメラマン・鮫島を演じた平泉にとって、本作は映画初主演作。満員の客席を前に「さびれた写真館の亭主がこんなに派手な洋服を着てきました!」と笑わせつつ、「もう感無量です。昔から継続は力なりと言いますが、俳優を60年やって、(今年で)80歳で初めて主役をやらせていただきました。しかもこんなに素敵な映画で、今日は夢のようです」と語った。
鮫島の写真に心を奪われ、華々しいキャリアを捨てて弟子入りする太一役の佐野は「僕は勝手に成さんの孫だと思っています!」とニコニコ顔で宣言。「成さんとは現場から仲良くさせてもらって、成さんの庭のバラ園の写真やお孫さんとの旅行の写真を見せてくださったり、成さんの初主演映画ということで集まった俳優陣の面々も本当に豪華です。愛に溢れた現場だからこそ素敵な温かい作品になりました。成さん、本当におめでとうございます」と座長を祝福した。
また、平泉が「今日もLINEのやり取りをしました」と明かすと、佐野は嬉しそうに「メル友です!」と報告した。
人生の“想い残し”を抱えて鮫島写真館を訪れる牧役の佐藤は、本作への出演のきっかけが酒の席だったと明かし、「我々の若い頃は飲み屋で仕事が決まることがあった。今回もグラスを傾ける中で秋山監督から話を聞いて『俺も行くよ!』で決まりました。現場では成さんが嬉しそうな顔をして迎えてくれて、来て良かったなと思った」としみじみ振り返った。
鮫島の妻で、実は一人で抱えている“想い残し”がある桜役の市毛は「成さんがカメラを覗くときの顔が色っぽくてカッコよくて、その背中を若者たちが見つめる目がキラキラしていて、どちらもカッコよかった」と語った。
また、この日仕事の都合で登壇が叶わなかった、太一の母・冴絵役の黒木瞳からは「魅力あふれる監督のもとで、平泉成さんの初主演映画をお撮りになるということで、是非参加させていただきたいと申し上げました。写真家としてのバトンを若者に渡していく作品、写真は被写体ではなく撮る人の心が見えるというテーマに私は心が震えました」とのコメントが寄せられた。
平泉とは監督デビュー作からの仲という秋山監督は、「成さんから主役をやらないというポリシーがあることを聞いたときに、いつか自分がそんな成さんの主演作を作りたいと思った。そして今回、成さんから『お前が言うならばやるよ』と二つ返事を貰えてとても光栄です」と念願が叶った様子だった。
そんな初主演の平泉が、佐野の魅力について問われると「その前にCDデビューおめでとう」とAぇ! groupのデビューを祝福し、佐野は「ありがとうございます!5月15日にCDデビューさせていただきました」と喜色満面で報告。
すると歌手としても活動する佐藤が「やっとCDデビューなの?はあ、俺より遅いんだ」とイジり、佐野も嬉しそうに「浩市さんよりだいぶ後輩です!」と最敬礼だった。
そして平泉は改めて、佐野について「豊かな感性がある。自然に立っていられる。それは素直で柔らかいということで、俳優として一番大切なことです。芝居をやりながら横顔を見ていると結構かわいい顔をしている」と評し、「藤沢周平の小説で彼に時代劇をやってもらったら見てみたいと思う」と提案。
これに佐野は「おお!挑戦してみたいです!」と答え、「成さんは取材の場で僕の話をしだすと、それで時間が終わるくらい喋ってくれる。愛していただいて本当に幸せです」と感激していた。
一方、佐野とは2回目の共演となる佐藤は、「今回の彼の役は自分の置き場所が見えにくいが、うまい具合に彼の時代の浮遊感と合致したところがあり、興味深く見ていた」と評されると、佐野は「ヨッシ!」とガッツポーズ。
さらに市毛からも「ふとしたニュアンスから語り掛けてくる様子がカッコ良かった。凄く色っぽくて見ていて幸せでした」と絶賛され、佐野は「べた褒めじゃないですか!嬉しすぎる。本当に幸せ。特に浩市さんは前回の撮影後に『佐野は芝居が好きか?もっと芝居をした方がいいぞ』と言ってくださって、それが自信に繋がって映像の芝居が大好きになれているので、またこうして素敵な方々と素敵な映画を撮ることが出来て幸せです」と喜びを噛み締めていた。
続いて、平泉の“初”主演にちなんで「初挑戦したいもの」を発表することに。
秋山監督は「僕は映画で第二弾をやったことがないので、この映画が大ヒットしてまるで寅さんのように成さんに100歳くらいまでやっていただきたい」と長寿化を期待し、これに平泉は「ホッホッホ」と笑顔に。
市毛は「死ぬまでに何か楽器を一つやりたい」といい、佐藤は「常にもらう役が初めて。役の上で新しいことを経験させてもらっている」、佐野は「Aぇ! groupの曲を作詞作曲する機会はあるので、グループを超えていつか浩市さんの曲を作曲したい。浩市さんから半年くらい前に『俺の曲を書いてくれよ』と言われていて、それが忘れられない。たくさん勉強していつかその夢が叶えられるように頑張りたい」と意気込んだ。
一方、平泉が「私は盆踊りくらいしかリズムが取れないので、ジャズダンスを覚えてみたい」と願望を明かし、軽くステップを踏むと、佐野は「僕が書いた曲を浩市さんが歌って、市毛さんが楽器を演奏し、それに合わせて成さんが踊りましょうか!? それをこの映画の続編の劇伴にしましょう!」と提案していた。
最後に佐野は、クランクイン時に平泉と俳優業について話し込んだことを明かしつつ、「成さんからは80歳を過ぎても芝居をしてほしいという熱い言葉をいただきました。そして5月15日にデビューさせていただき、ゼロからのスタートのタイミングで素敵なご縁をいただきました。人生で誰しもが抱える想い残しをテーマにした作品で、観てくれた人の明日を少しだけでも後押しできる素敵な作品です」とアピール。
主演の平泉も「秋山監督の映画に対する情熱と愛情が、このような温かい映画を作ってくれました。ハンカチをしっかりと握りしめてご覧ください」と優しく呼び掛けていた。
ストーリー
誰もが抱えている人生の“想い残し”。私たちに出来ることは、まだある。
さびれた写真館を営む無口なカメラマン・鮫島(平泉成)。彼の写真に心を奪われた気鋭カメラマン・太一(佐野晶哉)は華々しいキャリアを捨て、弟子入りを志願する。家族とのコミュニケーションすら避けてきた太一は、訪れる客と丁寧に対話を重ね、カメラマンと被写体という関係を超えてまで深く関わる鮫島の姿に驚きを隠せない。人々の抱える悩みや問題のために必死に奔走する鮫島に振り回されながらも、自分に足りないものに気付き始める太一。同時に、鮫島とその家族にも目を背けてきた“想い残し”があることを知る。変わりゆく太一が、悔いのない未来のために踏み出した一歩。その先に続く、思いもよらない奇跡に涙する――。
『明日を綴る写真館』
出演:平泉 成
佐野晶哉(Aぇ! group)
嘉島 陸 咲貴 田中洸希 吉田 玲 林田岬優
佐藤浩市 吉瀬美智子 高橋克典 田中 健 美保 純 赤井英和
黒木 瞳 / 市毛良枝
原作:あるた梨沙『明日を綴る写真館』(BRIDGE COMICS / KADOKAWA刊)
企画・監督・プロデュース:秋山 純
脚本:中井由梨子
企画協力:PPM
製作:ジュン・秋山クリエイティブ
配給:アスミック・エース
(C)2024「明日を綴る写真館」製作委員会 (C)あるた梨沙/KADOKAWA
公式サイト:https://ashita-shashinkan-movie.asmik-ace.co.jp/
公式X:@shashinkan_m
6月7日(金)全国公開!
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