『ボレロ 永遠の旋律』不朽の名曲の歴史的瞬間を捉えた本編冒頭映像解禁 各界著名人からのコメントも

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不朽の名曲「ボレロ」の誕生秘話を描いた『ボレロ 永遠の旋律』(8月9日(金)公開)の本編冒頭映像と、各界著名人のコメントが解禁された。

パリ・オペラ座で初演されて以来100年近く、時代と国境を越えて愛され続ける「ボレロ」は、驚くべきことに、それを生み出した作曲家モーリス・ラヴェル本人が最も憎んでいた曲だった―。

天才作曲家の魂を奪った魔の名曲が誕生するまでとともに、痛みに満ちたその人生も描き出す本作。監督は『ドライ・クリーニング』でヴェネチア国際映画祭の金オゼッラ賞に輝き、『ココ・アヴァン・シャネル』や『夜明けの祈り』でセザール賞にノミネートされたフランスを代表する実力派アンヌ・フォンテーヌ。主人公ラヴェルを演じるのは、『黒いスーツを着た男』(12)などのラファエル・ペルソナ。心身ともに繊細なラヴェルがその才能と人生を振り絞って音楽を生み出す姿を体現した。

本作は、1928年のある日、著名な作曲家モーリス・ラヴェルに自身のバレエのための音楽を依頼していた振付師のイダ・ルビンシュタイン(ジャンヌ・バリバール)が、ラヴェルに指定された場所に向かっているシーンで幕を開ける。今回解禁された本編映像は、ラヴェルが自らの全てを注いでついに完成させた「ボレロ」の楽譜がイダに手渡される運命の瞬間の直前を捉えたものだ。

イダが歩く雨上がりの泥道の先にある薄暗いこの場所は、きらびやかないでたちの彼女にはまるで似合わない場所だ。待ち構えていたラヴェル(ラファエル・ペルソナ)が案内するのは、無数の工業機械がけたたましく音をあげる工場だった。ラヴェルは、イダに「この音に浸って。機械のシンフォニーだ」などと説明し、「音は何度も始まり、そして繰り返す」とこの空間が生み出すイメージを次々と言葉にしていく。彼はこの場所から生まれるあらゆるものを“音楽”と捉えていたが、イダにはその意図が分からない。ところが、やがて彼は何かに押しつぶされそうな苦痛の表情を浮かべはじめる。カメラは機械の動作や金属が摩擦する様子を意識的に大きく捉え、それらが反復することで生み出される音たちは次第に音色へと姿を変え、この後、ラヴェルが生み出したこの名曲「ボレロ」についての驚きのオープニングへと移っていく。

ラヴェルは、ニュー・ブリテン誌の1933年8月9日号に掲載された自身のエッセイにおいて「工場には、なんと音楽的な物語があふれているのだろう!音楽家は、歴史家や小説家と協力しながら、現代の機械の物語を我々の子孫に伝えていかなければならない。私の《ボレロ》も、はじまりは工場だった。いつの日か、巨大な工業製品を背景にしてこの曲を演奏してみたいものだ」(一部省略)などとこの曲への想いを語っており、それを体感することができる物語の幕開けとなっている。

また、映像の冒頭には、本作のアンヌ・フォンテーヌ監督が日本公開に向けて「この映画の創造性、そしてボレロという素晴らしい音楽を気に入ってくださると嬉しいです」と語る動画も収められている。

そんなフォンテーヌ監督もかつてその振付に強く魅了されたという、20世紀を代表する振付家、故モーリス・ベジャールによる「ボレロ」。これを踊ることを日本人女性ダンサーとして初めて許され、ベジャール氏から直接指導を受けたこともある東京バレエ団ゲスト・プリンシパルの上野水香は、「ラヴェルの葛藤やアーティストとしての苦悩を知り、ボレロの音楽に感じる呪術的世界観がストンと腑に落ちた」などとコメント。

そのほか、「ボレロ」という楽曲さながらに音楽のジャンルをまたいで活躍するヴァイオリニストの石田泰尚、画家のヒグチユウコ、東京バレエ団プリンシパルの柄本弾、漫画家の桜沢エリカ、指揮者の原田慶太桜が、自身の表現活動にも重ねながら、「ボレロ」という楽曲が秘める狂気やそれに翻弄されることになるラヴェルについて、それぞれの言葉で語っている。

コメント(順不同・敬称略)

ラヴェルの葛藤やアーティストとしての苦悩を知り、ボレロの音楽に感じる呪術的世界観がストンと腑に落ちた。
新たなインスピレーションを得た今、脈々と継承されてきた傑作を私なりのボレロとして背負っていきたい。
上野水香(東京バレエ団ゲスト・プリンシパル)

開始2分でボレロのメロディがいかに世界中で愛されているかを思い知らされたが、このような偉大な作曲家であっても自分の作品に翻弄されていたのだろうか。
真相はわからないが観終わってから無性にラヴェルの曲を弾きたくなった。
石田泰尚(ヴァイオリニスト)

自ら生み出したひとつの傑作のために人生を狂わせてしまう、才能ある芸術家たちが立ち向かう壁。
そんなものが自分の前に現れる日はあるのか?
映画を見ている最中自問自答しました。
ヒグチユウコ(画家)

ラヴェルがその人生をかけて生み出してくれた『ボレロ』。
かつてアンヌ・フォンテーヌ監督もジョルジュ・ドンの舞台をご覧になっていたんですね。
僕も自分の踊りで誰かの心に深い印象を残せたら!
『ボレロ』、改めて大切に踊っていきたいと思いました。
柄本弾(東京バレエ団プリンシパル)

前半の、『ボレロ』を完成させるまでのラヴェルの苦しみが私自身の仕事とリンクしているようで、見ていてだいぶ辛かったです(笑)
また歴史上、あまり注目されてこなかったミシア・セールの、ラヴェルのミューズとしての描かれ方もとても興味深く拝見しました。
桜沢エリカ(漫画家)

この物語は、ボレロの創作から、ラヴェルの命を奪った脳の病気まで、私たちを感情的な旅へと導いてくれます。
そして 1920年代のパリの雰囲気と装飾は素晴らしく、ラヴェルの創造性を刺激するアメリカの影響が美しく表現されていると思いました。
Boleroが好きな方には是非みていただきたいです。
原田慶太桜(指揮者)

ストーリー
1928年<狂乱の時代>のパリ。深刻なスランプに苦しむモーリス・ラヴェルは、ダンサーのイダ・ルビンシュタインからバレエの音楽を依頼されたが、一音もかけずにいた。失った閃きを追い求めるかのように、過ぎ去った人生のページをめくる。戦争の痛み、叶わない美しい愛、最愛の母との別れ。引き裂かれた魂に深く潜り、すべてを注ぎ込んで傑作「ボレロ」を作り上げるが──。

『ボレロ 永遠の旋律』
出演:ラファエル・ペルソナ、ドリヤ・ティリエ、ジャンヌ・バリバール、エマニュエル・ドゥヴォス、ヴァンサン・ペレーズ
監督:アンヌ・フォンテーヌ
原題:BOLERO|121分|フランス|カラー|シネスコ|5.1chデジタル|字幕翻訳:松岡葉子|映倫G
配給:ギャガ
(C) 2023 CINÉ-@ – CINÉFRANCE STUDIOS – F COMME FILM – SND – FRANCE 2 CINÉMA – ARTÉMIS PRODUCTIONS

公式サイト:gaga.ne.jp/bolero
公式X:@bolero0809

8月9日(金) TOHOシネマズ シャンテほか全国順次ロードショー

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