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『HAPPYEND』空音央監督、W主演の栗原颯人と日高由起刀との出会いは「一目惚れだった」

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映画『HAPPYEND』の試写会が9月17日(火)、東京都内で行われ、本作で長編劇映画デビューを果たした空音央監督と、主人公のユウタを演じた栗原颯人、もうひとりの主人公であるコウを演じた日高由起刀が登壇。上映後にトークショーを行った。

本作の舞台は、決して遠くないXX年後の日本。幼馴染で大親友の高校3年生ユウタとコウの関係が、ある出来事をきっかけにぎくしゃくしはじめるさまをシニカルかつユーモラスに描く青春映画だ。

この日が日本で初めて一般の方々にお披露目する機会だったこともあり、3人は喜びと緊張の両方が入り混じった表情でステージへ。本編を観終えたばかりの観客らからは大きな拍手が贈られた。

空監督は「自分や友人の政治性の芽生えによって、互いの関わり方について考えるようになった高校・大学時代の体験をベースにしています。今の自分があるのは友人のおかげ」と本作を作ったきっかけや着想について語り、「友情はとても大事。その大事な関係性に距離を置かなければいけなくなったときの気持ちを込めて映画にしてみたいと思いました」と明かした。

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空音央監督

劇中には、主人公のユウタとコウを含む仲良し5人組が登場するが、その5人はオーディションで選ばれた。栗原と日高は、当時モデル事務所に入ってまだ2か月ほどで、演技は未経験だったが、オーディションに挑戦したのだという。

右も左も分からなかった彼らの第一印象として、空監督は「部屋に入って来た瞬間、一目惚れだった」と振り返り、栗原は自身が今回演じたユウタという役について「『僕100%に感じた』と、その時も監督に伝えたことを今でも覚えています」と笑顔で語り、日高は「祖母に韓国の血が入っているのでルーツという部分で(コウという役に)自分と共通する部分もあり、演じるというより、いかに自分を出せるかを意識していました」と語った。

一目惚れの時点でかなり心を動かされていた空監督だったが、それだけでなくフィクションで書いたユウタとコウというキャラクターに似た経験や背景を持っていた彼らしかないと感じたのだという。このふたりだけでなく「メインキャストの5人はほとんど直感。一目惚れで選んだという表現が正しいと思います」と続けた。

しかし、直感でキャスティングしたメインキャストの5人中4人が演技未経験。しかも本作が長編劇映画デビュー作ということで「撮影や編集の経験、短編を手探りで撮ったことはあるけれど、本作を撮るまでは演技の演出についてよく分かっていなかった」と空監督。そんな時、映画監督の濱口竜介氏から「とにかく俳優たちと信頼関係を築いてリラックスした状態でやるのがいい」というアドバイスを受けたことが大きかったことを明かした。

空監督はクランクインの2か月前からオンラインで週2~3回程度つないで5人で話したこと振り返り、「自己紹介の中に嘘を一つ紛れ込ませてお互いそれを当てる遊びのようなものなど、お互いの距離を縮めあうための練習をし、いつしか5人は自ら一緒に食事に行ったり、(空監督の)知らぬ間にどんどん関係性を深め、撮影が始まる頃には実際に友情が出来ていたという印象です」と述べた。

また、わきを固めるベテラン勢も彼らの自然な演技を引き出すのに一役買ったようだ。
思春期の高校生ユウタと母親の劇中でのやり取りについて聞かれた栗原は、「母親役の渡辺真起子さんはとにかくすごい。演技というか佇まいも。実際の母親とも同じようなやりとりをした経験があったので、自分の母親がそこにいるかのような感覚になって実はカットがかかった後に泣いてしまった」と照れながらも明かした。

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栗原颯人

日高は校長役を演じている佐野史郎について「お会いするまでは勝手なイメージで怖そうと思っていましたが、とてもフラットに関わってくださる方」と表現。佐野から「のびのび自分が思ったようにやればいい」というアドバイスをもらったと語ると、空監督は、とある場面を撮り終えた後に佐野が「彼いいね!」と日高を褒めていたことを嬉しそうな表情で報告。そして、今回の演出で「フィクションの中の空想上の設定をいかに自分らしくいられるか。それと相手が出してきたものに対してどれだけ正直に反応できるか」を心がけていたことを明かした。

今月2日のヴェネチア国際映画祭では、ワールドプレミア上映された本作。日高はヴェネチアの思い出として「現地の方から直接感想を聞けたことが嬉しかった」「戸惑っちゃうくらいスタンディングオベーションが長かった」と振り返り、続けて「いろんな人いろんな層に共感できる部分がある映画で主演を務められて光栄です」と胸を張った。

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日高由起刀

最後に空監督は観客を見渡し「日本での観客第1号になっていただきありがとうございます。長い時間をかけた映画なので公開を迎えることが本当に嬉しいです。10月4日から公開です。よろしゅうお願いします!」と呼びかけ、和やかな雰囲気の中イベントは終了した。

本作は、第81回ヴェネチア国際映画祭でのワールドプレミア、第49回トロント国際映画祭を終え、これから第62回ニューヨーク映画祭、第29回釜山国際映画祭での上映を経て、10月4日(金)より全国公開となる。

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ストーリー
ユウタとコウは幼馴染で大親友。仲間たちと音楽を聴いたり悪ふざけをしながら毎日を過ごしていた。高校3年のある晩、こっそり忍び込んだ学校でユウタはとんでもないいたずらを思いつく。翌日いたずらを発見した校長は激昂し、学校に四六時中生徒を監視するAIシステムを導入する騒ぎにまで発展。この出来事をきっかけに、大学進学を控えるコウは自らの将来やアイデンティティについて深く考えるようになる。その一方で、変わらず楽しいことだけをしていたいユウタ。2人の関係は次第にぎくしゃくしはじめ…。

第81回ヴェネツィア国際映画祭 オリゾンティ・コンペティション正式出品

HAPPYEND
出演:栗原颯人 日高由起刀 林裕太 シナ・ペン ARAZI 祷キララ 中島歩 矢作マサル PUSHIM 渡辺真起子/佐野史郎
監督・脚本:空 音央
撮影:ビル・キルスタイン
美術:安宅紀史
音楽:リア・オユヤン・ルスリ
サウンドスーパーバイザー:野村みき
プロデューサー:アルバート・トーレン、増渕愛子、エリック・ニアリ、アレックス・ロー、アンソニー・チェン
製作・制作: ZAKKUBALAN、シネリック・クリエイティブ、Cinema Inutile
日本・アメリカ/2024/カラー/DCP/113分/5.1ch/1.85:1 【PG12】
配給:ビターズ・エンド
(C) 2024 Music Research Club LLC

公式X:https://x.com/HAPPYEND_mv
公式Instagram:https://www.instagram.com/bitters_end/

10月4日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開

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