「メアリー&ジョージ 王の暗殺者」イベントレポート 増田俊樹、キャスティング理由に照れ笑いの様子も

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「メアリー&ジョージ 王の暗殺者」の第1話特別試写会(吹替版)トークイベントが9月29日にユナイテッド・シネマとしまえんにて実施され、増田俊樹、映画ライターのよしひろまさみちが登壇した。

ニコラス・ガリツィン演じる主人公、ジョージ・ヴィリアーズ役の吹替を担当した増田は「本当に全体を通して刺激的な作品」と絶賛し、「人間や文化、世界に巻き込まれ、翻弄されていく人々の姿が描かれていて、見ている側も翻弄される作品。非日常が体験できる面白い作品だと思います」と本作の魅力を語った。

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9月29日はニコラス・ガリツィン、30歳の誕生日。映画『赤と白とロイヤルブルー』、映画『アイデア・オブ・ユー ~大人の愛が叶うまで~』とヒット作が続いているニコラスの魅力について、よしひろは「何と言っても美しい。圧倒的」と美貌を大絶賛。本作でのニコラスの魅力については、「ニコラス演じるジョージがどんどん変容していきます。その変わりっぷりを見てほしいですね」とルックスだけでなく、演技力の高さにも注目だと語った。

そして増田は「男性的な印象でありながらも、中性的な魅力も持っている役者さんだなと思いました。力強さの中に繊細さを感じられるのがルックスにも表れていて、それがジョージを演じるにおいて良いシナジーをもたらしたのではないかなと感じました」とニコラスの繊細な演技を称賛。

またアニメのキャラクターに声をあてる場合と吹替での違いについて問われると「比較するっていうのは結構難しいですが……」と悩みつつ「主に僕が感じるのは間の使い方だと思います。例えばテレビアニメだと30分の中でものすごい情報量を詰め込まないといけない。会話劇のスピードがとても早いんです。でも、吹替作品だと3時間越えの作品など長く、しっかりとインサート含めて時間を使って描写している印象です。そこが違いかなと感じます」と丁寧に説明した。

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また今回吹替版の佐藤宏樹ディレクターに、増田をキャスティングした理由を聞いたところ「時の国王が見初めるほどの美貌、出世欲の権化のような母に負けるとも劣らない野心、増田さんの声にはこの二つの要素が感じられた。決め手となったのは、母の愛への渇望といったものをどこか増田さんの中に感じたから」と熱いコメントが到着。

それを聞いた増田は「ものすごく的確じゃないかなと思います。僕自身も役者や声優をやる中で、ただ求められるものに対して応えていくことにやっぱり疑問を感じていて。自分にしかできないことを常に考えてしまっているので、それがある意味、出世欲だとか他人に対する自己肯定感などに近いのかなと思います。人に対する愛を求める部分はかなり僕も常日頃から感じているので、そういったところを見抜かれたっていうのは、的確でありながら恥ずかしいですね(笑)」と納得しつつ、「ディレクターさんからキャスティング理由を聞く機会ってあまりないので嬉しいです」と少し照れながらも笑顔を見せた。

さらにジョージの20歳から36歳までの激動の人生を演じきった増田の演技について、佐藤ディレクターから「年輪とも言うべき時間の積み重ねを丁寧につかみ取り、演じてくださいました。私の中で増田さんは「人気声優」である前に「役者」という存在であり、その可能性と魅力をどこまで引き出せるかが私の大きな楽しみです」とのコメントを聞いた増田は、「佐藤さんとは様々な作品でご一緒させていただいていて、今回も僕のキャリアや年齢に適応した、ものすごくピンポイントなキャスティングをしていただきました。素直に自分の中でも腑に落ちる部分と挑戦的な部分というのをお仕事の中でもチャレンジしていくことを心がけています」と熱い思いを明かした。

吹替版の魅力についてよしひろは「吹替版の声でキャストのイメージを作ってしまう、日本ならではの魅力がありますよね。何の違和感もないのが日本の吹替の素晴らしさだと思います」と日本の吹替のレベルの高さを熱弁。

増田も「子供の頃に地上波とかで何気なく見ていた吹替作品に、違和感を感じたことがないというのは、歴史がこれだけ長いうえで培われたありがたみなのかなと思います」と受け継がれてきた技術に感謝を述べた。

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続いて、作品の内容について語るトークへ。
本作ではインティマシー・コーディネーター(※性的な描写を撮影する際に現場に立ち会い、出演者と制作陣の意向を調整して、演者の尊厳を守りつつ効果的な演出につなげるサポートを行うスタッフ)も参加した大胆な性描写が話題となったが、多くの愛人がいたと言われるジェームズ1世の人生を映像化するにあたり、セクシャルなシーンの撮影は役者とインティマシー・コーディネーターが入念に話し合いを重ねたという。

本作のインティマシー・コーディネーターを務めたロビー・テイラー・ハントは、ニコラスが出演する映画『赤と白とロイヤルブルー』も担当。2度目の共演にニコラスは大船に乗ったような気持ちで撮影ができたと明かしている。

日本でも注目を集めているインティマシー・コーディネーターについてよしひろは「コーディネーターとは何をするかというと振付なんですよね。リアルに官能的に見える角度とか、動きを考える振付師として入っています。演じている役者さんたちが不快に感じない距離をコーディネートする役目なんです。これからどんどん必要になる仕事ですね」と説明。
MCの立田は「日本には今のところ二人しかいないと聞いていますが、日本の映像業界も養成に向けて動いていると聞いています」と答えた。

俳優としても活躍する増田は「すべてのスタッフの安心安全のため、不確実性を無くすためにこういった役職が生まれてきたんじゃないかと思います。吹替ではコーディネーターの存在を感じさせないように心がけました。彼らが役者としてしっかりお芝居をしているように、振付という部分がナチュラルに反映されていたんじゃないかなと思います」とインティマシー・コーディネーターの重要性について意見を述べ合った。

最後に改めて本作の見どころについて増田は「今の常識とはかけ離れた、史実になぞらえた常識がたくさんある。そういった時代の差じゃないですけど、ギャップみたいなものと、人間が元々持っている欲望みたいなところを、人間たちが物凄い勢いでぶつけ合っている。エキセントリックで刺激的な部分が楽しめる作品です」とアピール。

よしひろは「コスプレ劇にニコラスが出ているのが眼福。そして英国王室ものはいろんなタイプの作品があって面白いですが、この作品もその名作の一つになると思います」と作品の完成度の高さを熱く語った。

トークイベント後は、増田のサインが入ったポスターが当たるじゃんけん大会を開催。ファンとの交流を楽しみ、フォトセッションでは会場全員でニコラスの誕生日をお祝い。誕生日記念にふさわしい盛り上がりのなか、イベントは幕を閉じた。

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『メアリー&ジョージ 王の暗殺者(全7話)』作品詳細

【ストーリー】
17世紀初頭のイングランド。中流貴族のメアリー・ヴィリアーズ(ジュリアン・ムーア)は一族の繁栄という野望を持ち、美貌の次男ジョージ(ニコラス・ガリツィン)を国王ジェームズ1世(トニー・カラン)の側近にする計画を企てる。陰謀渦巻く宮廷を舞台に、メアリーの巧みな手腕のもとジョージは王の寵愛を受け、ヴィリアーズ家は最も影響力のある一家にのし上がっていく…。

【企画・脚本】D. C. ムーア(『キリング・イヴ/Killing Eve』)
【監督】オリヴァー・ハーマナス(『生きる LIVING』)、フロリアン・コッセン(『皇妃エリザベート』)
【出演】ジュリアン・ムーア(『アリスのままで』)、ニコラス・ガリツィン(『赤と白とロイヤルブルー』)、トニー・カラン(『アウトロー・キング ~スコットランドの英雄~』)、ニコラ・ウォーカー(『埋もれる殺意』)、ニアフ・アルガー(『キャッシュトラック』)、トリーヌ・ディルホム(『罪と女王』)、ローリー・デヴィッドソン(『グッドライアー 偽りのゲーム』)ほか

【配信】「スターチャンネルEX」 https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0D9D48ZJV/
<字幕版・吹替版> 独占配信中 ※毎週水曜、1話ずつ更新
【放送】「スターチャンネル」
<字幕版>10月8日より 毎週火曜 23:00 ほか ※10月5日(土)15:15 吹替版第1話先行無料放送
<吹替版>10月10日より 毎週木曜 23:00 ほか
作品公式サイト:https://www.star-ch.jp/drama/maryandgeorge/1/
(C) Sky Studios Limited 2024.

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