映画『サンセット・サンライズ』菅田将暉、タコとの格闘など撮影中のエピソードを披露

(C)2024 TIFF

11月2日、第37回東京国際映画祭ガラ・セレクション部門招待作品として選出された『サンセット・サンライズ』の上映後舞台挨拶に主演の菅田将暉と岸善幸監督が登壇。

『あゝ、荒野』(17)で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞ほか数々の映画賞を受賞して以来7年ぶりの岸監督作品となる菅田は、本作で都会から移住した釣り好きサラリーマン西尾晋作を演じた。
菅田は「こうやって舞台挨拶が出来て嬉しい」とまずは感激の一声。続いて、昨年は『正欲』で第36回東京国際映画祭最優秀監督賞を受賞、2年連続で本映画祭の登壇となる岸監督も「東京国際映画祭のガラ・セレクションに選ばれて、皆様の前で初めて上映をさせていただいたこと、本当に嬉しく思います」と感謝を述べた。

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最初に、本作が作られたきっかけについて問われた岸は、本作の企画プロデューサー佐藤順子から「宮藤官九郎さんに会って下さい」と言われたことだという。
そこで原作となった三陸が舞台である、本作の原作となった小説を読み合い、宮藤が宮城出身、そして「僕も山形県出身ということもあり東北人談義で大変盛り上がった」そこで、菅田の出演も決まり一気にスタートが決まったと明かす。

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続いて、過去2作で岸監督作品に参加、本作で7年ぶりのタッグとなった菅田は、これまでの2作はいずれも過激な描写の多い作品であったため「次はちょっと笑える作品ぜひやりたいです」と話していたと振り返る。そして、今回宮藤が手がけた脚本を読み「見たことない映画になりそうだなというワクワクで、受けました」と述べた。

その後、満席の会場で観客とのQ &Aを実施。司会から当てられた観客から「飯映画としての要素もあると思いました。色々な料理が出てきますが美味しそうに見えるために意識したことは?(菅田さんに)劇中で食べた料理の中で何が1番美味しかったですか」という質問に対して、岸監督は「本当に自分が食べて美味しいと思った料理を宮藤さんに相談して、それを映画で使わせてもらったんです。菅田さんが、晋作として食べて美味しかったっていうことは大切かなと思いました」と回答、菅田は、「この映画の撮影中に、実は7キロぐらい太ったんです(笑)。食べすぎてしまうぐらい本当に美味しかったです。1番美味しかったものは難しいですけど、印象に残っているのはハモニカ焼きです」と答えた。

次の質問では、「原作と違うところがあれば教えてください」と問われると、岸監督は、「後半に歌が出てくるんですが、原作者のご了承のもと、宮藤さんが脚色したオリジナルになります。“モモちゃんの幸せを祈る会”という4人も映画で作った設定になります。宮藤さんの脚本はやっぱりとても面白かったです」と話した。

つづいて、「格闘シーンが2つありました。タコと格闘するシーンと、竹原ピストルさんと格闘するシーン。ピストルさんと格闘してシーンでは壁に穴が開いていましたが、これは予定通りでしたか?タコとの格闘はどのぐらい大変だったか教えてください」という質問には、菅田が「タコとの戦いを、格闘と呼んでもらえて嬉しいですね。タコは大変でしたね。やっぱり生き物ですし、言うこと聞いてくれるわけでもないし、何回もできないので。遠くから監督の笑い声だけが聞こえてきて、終わりが見えなかったんですが、とりあえず一生懸命頑張ってやりました」と回答すると、岸監督は「泣きながら見てました(笑)」とコメントし会場を沸かせた。

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また、「この映画は、東日本大震災のことも描かれていますが、演じる上で気をつけていたことはありましたか?」という質問には、菅田が「コロナ禍というベースがあって、そして震災があって。でも悲しさだけじゃなく笑えるシーンもあってという。演じる上では覚悟がいる映画でした。みんなが体験したことと、みんなは体験してないけど知っていること、この大きな2つをテーマに、僕らも映画を通してどうやってコミュニケーション取っていくかはずっと気にしていました。その中でも一番気にしたのは、地方に移住するお話なので、三陸を謳歌する主人公を演じる上で、東京ヘイトにはならないようにしたことです。東京がつまらなくて、地方に行くことが正義という映画ではないということは気をつけていました」と丁寧に答えていた。

最後の質問で「もし移住するとしたら、移住先でどんなことしたいですか」と問われると、岸監督は「移住したいと思ったことあります。満員電車が嫌いで(笑)」と回答し、菅田は、「この映画で初めてちゃんと釣りをやってみたんですけど、あれはちょっと大変ですね。 絶対ハマるってわかるんで、ハマったらもう時間がいくらあっても足りないっていうか、一瞬で人生終わるって思ったんで。だから(ハマるのは)捌く方だけにしました。本当は自分で釣ってってやりたいんですけど、そうやってるともう1日2日あっという間に終わっちゃうんで。だから本当だったら釣りをやりたいです。撮休の日に、スタッフと一緒に釣りに行ってけっこう釣れました。でもその時、僕のマネージャーの方が釣ってました(笑)」と撮影時のエピソードを明かし、会場はあたたかい雰囲気につつまれ大盛況のうちに観客とのQ&Aは終了した。

映画『サンセット・サンライズ』は、2025年1月17日全国公開。

ストーリー
新型コロナウイルスのパンデミックで世界中がロックダウンに追い込まれた2020年。リモートワークを機に東京の大企業に勤める釣り好きの晋作(菅田将暉)は、4LDK・家賃6万円の神物件に一目惚れ。何より海が近くて大好きな釣りが楽しめる三陸の町で気楽な“お試し移住”をスタート。仕事の合間には海へ通って釣り三昧の日々を過ごすが、東京から来た〈よそ者〉の晋作に、町の人たちは気が気でない。一癖も二癖もある地元民の距離感ゼロの交流にとまどいながらも、持ち前のポジティブな性格と行動力でいつしか溶け込んでいく晋作だったが、その先にはまさかの人生が待っていた―?!

作品タイトル:『サンセット・サンライズ』
出演:菅田将暉 井上真央 竹原ピストル 山本浩司 好井まさお 藤間爽子 茅島みずき 白川和子 ビートきよし 半海一晃 宮崎吐夢 少路勇介 松尾貴史 三宅健 池脇千鶴 小日向文世 中村雅俊
監督:岸善幸『あゝ、荒野』
脚本:宮藤官九郎
原作:楡周平『サンセット・サンライズ』(講談社文庫)※文庫版は10月16日刊行予定
音楽:網守将平
主題歌:青葉市子
撮影:今村圭佑
製作幹事:murmur
制作プロダクション:テレビマンユニオン
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)楡周平/講談社 (C)2024「サンセット・サンライズ」製作委員会

公式サイト:sunsetsunrise-movie.jp
公式X:@sunsunmovie2025
公式Instagram:@sunsunmovie2025

1月17日(金)全国公開

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