長塚京三、12年ぶり主演作『敵』のオファーを受けた理由明かす「ここまで書いてくれたのならば」

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筒井康隆の小説を吉田大八監督が映画化し、第37回東京国際映画祭にて東京グランプリ、最優秀男優賞、最優秀監督賞の三冠を獲得した『敵』が、2025年1月17日(金)公開となる。

妻に先立たれ、20年間一人暮らしの元大学教授、渡辺儀助、77歳。捨てきれない煩悩と向き合いつつも、講演や執筆で僅かな収入を得ながら、人間関係も整理し、遺言書を書き終え、預貯金があと何年持つか、すなわち自分自身があと何年生きられるかを計算しながら、管理された日常を平穏に送っている。自らが定めた“来るべき日”に向かって――。だがそんな暮らしのなかで「敵」はある日突然現れる。

渡辺儀助を演じるのは、今年俳優歴50年を迎え、本作が12年ぶりの主演映画となる長塚京三。かつてパリ大学ソルボンヌ校にてフランス文学を修了し、フランスで映画デビューを果たした長塚にとって、フランス近代演劇史を専門とする元大学教授の渡辺儀助にうってつけの配役だ。

長塚は「シナリオが、僕に当て込んで執筆してあったんですね。と言っても、筒井先生の小説のほぼその通り、選ばれている台詞などはそう違わない。極端に“長塚風”にしているわけではないのですが、『ここまで書いてくれたのならば』と心動かされました。それに“老い”という身につまされる、興味深い題材でもありました」とオファーを受けた理由を語る。

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映画化に際し、渡辺儀助という人物の生き方に着目し、どう存在させるかが肝であった。本作のクランクイン前には、長塚の自宅にて、吉田監督と2人で何度か本読みを行った。さらに、77歳男性の生活のリアリティや劇中に登場するフランス文学に関する記述などに違和感はないかなど、脚本を書いた吉田監督自身の理解も曖昧であった部分を、長塚とともに一行ずつじっくり相談して作り上げていった。

吉田監督は「フランスで過ごした青春時代のエピソードもいろいろ伺って、儀助の人物像に奥行きと厚みがどんどん加わっていった気がします」と語る。長塚も「他の役を全て彼が担当して、頭から最後まで詰めていきました。だから、いざ現場では以心伝心の関係でしたね」と振り返っている。

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ストーリー
渡辺儀助、77歳。
大学教授の職を辞して10年―妻には先立たれ、祖父の代から続く日本家屋に暮らしている。料理は自分でつくり、晩酌を楽しみ、多くの友人たちとは疎遠になったが、気の置けない僅かな友人と酒を飲み交わし、時には教え子を招いてディナーを振る舞う。預貯金が後何年持つか、すなわち自身が後何年生きられるかを計算しながら、来るべき日に向かって日常は完璧に平和に過ぎていく。遺言書も書いてある。もうやり残したことはない。だがそんなある日、書斎のiMacの画面に「敵がやって来る」と不穏なメッセージが流れてくる。

『敵』
出演:長塚京三 瀧内公美 河合優実 黒沢あすか 中島歩 カトウシンスケ 髙畑遊 二瓶鮫一 髙橋洋 唯野未歩子 戸田昌宏 松永大輔 松尾諭 松尾貴史
脚本・監督:吉田大八
原作:筒井康隆『敵』(新潮文庫刊)
企画・製作:ギークピクチュアズ
制作プロダクション:ギークサイト
製作:「敵」製作委員会
配給:ハピネットファントム・スタジオ/ギークピクチュアズ
(c)1998 筒井康隆/新潮社 (c)2023 TEKINOMIKATA

公式サイト:https://happinet-phantom.com/teki
公式X:https://x.com/teki_movie

1月17日(金)テアトル新宿ほか全国公開

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