『美晴に傘を』田中美里のインタビュー到着、升毅と21年ぶりの共演を語る田中が“大切にしている言葉”とは

升毅が主演を務める映画『美晴に傘を』より、本作で透子役を演じた田中美里のインタビューが到着した。

本作は、北海道の小さな町の自然を背景に、息子を失った父親と、夫を亡くした妻、そして自閉症の娘が織りなす、失われた家族の再生の物語。『底なし子の大冒険』『狼少年タチバナ』などで知られる劇団牧羊犬を主宰し、短編映画では国内外の数々の賞を受賞してきた渋谷悠の初長編作品となる。

息子を亡くし後悔の波に溺れる漁師・善次に升毅。障がいを抱える娘を懸命に守ろうとする母・透子を田中美里が演じる。聴覚過敏によって聴こえてくる様々な音を擬音語に変えられる才能を持つ美晴役には『麻希のいる世界』主演の日髙麻鈴が挑んだ。その他、和田聰宏、宮本凜音、上原剛史、井上薫、阿南健治らが脇を固める。

本作は、喧嘩別れをしたまま息子・光雄を亡くし、後悔に苛まれる父の善次(升毅)の元に、光雄の妻・透子が二人の娘を連れ、突然訪れてくることから物語が始まる。

田中が演じた透子は、朗らかな性格ながらも娘を守ることに必死な母親という役どころだ。田中と主人公・善次を演じた升毅は舞台「浪人街」(2004)以来、21年ぶりの共演となるが、田中は升について「20代の頃に舞台でご一緒したことがあり、すごくエネルギッシュな印象がすごく残っていました。月日を経て私も結構大人になってまた共演させていただけたのですが、升さんが演じる善次は善次そのものにしか見えなくて、初めて作品を見た際に『升さんのような深みのある演技を、私はあと何年経たらできるんでしょうか』とお伝えしたほどでした。 “そこにそのまま存在する”というのは役者としてとても難しいことだと思うのですが、ただ座っていたり、ただ見つめているシーンが本当に善次さんそのものでした」と升の演技にいたく感銘を受けたことを明かした。

また、透子の娘の美晴は、聴覚過敏のある自閉症を持っており、透子は美晴に対してつい過保護になってしまうのだが、美晴を演じた日高麻鈴については、「すごく難しい役柄だったと思うのですが、細部まですごく研究をされていて、そしてすごくまっすぐに演じてくださっていました。美晴を見守る母親として、本当に心配になってしまったり、美晴が自分の手を離れられるように頑張ろうという気持ちを自然と持てるような演技をしていただいたので、すごく感謝をしています」とコメント。
透子が美晴とその妹の凛に夫が遺した絵本を読むシーンは、作中でも印象的で母親・透子の温かさがたっぷりと感じられるシーンであるが、田中にとってもお気に入りのシーンであると語った。

本作は“言葉を紡ぐこと”を大切に描いた作品だが、田中自身が大切にしている言葉は、デビュー以来変わらず「丸と書いて“まる”」という言葉だという。
「あまり角のあるものは得意ではなくて、丸くて柔らかい人間関係や話し方、接し方ができれば良いなと思っていて、好きな言葉です」と田中の人柄がわかるような理由と合わせて語っていた。

本作はいよいよ来週・24日(金)から公開となるが、公開に向けて「家族は色々な形があって色々な悩みや関係を抱えていたりすると思います。本作はそういったものがぎゅっと詰まった作品になっていると思います。きっと皆さんも登場人物の誰かに自分を重ねられるような気がするので、そういったところを見ていただけたら嬉しいです」と、たくさんの方々に見ていただけたらと、メッセージを寄せた。

ストーリー
北の小さな町の漁師である善次(升毅)は、喧嘩別れをしてから一度も会っていない息子の光雄(和田聰宏)をがんで亡くす。東京で執り行われた葬儀にも出席せず四十九日を迎えようとしていたところに、光雄の妻の透子(田中美里)が娘の美晴(日髙麻鈴)と凛(宮本凜音)を連れて、善次の元を訪ねてくる。
善次は、突然の訪問に戸惑い、うまく接することができないが、彼女たちを通して亡き息子に想いを馳せる。透子は、聴覚過敏を持つ自閉症の美晴を守るのに必死だ。「もう自分しかいない」という決意は、夫である光雄が亡くなってから更に強まっている。美晴は、守られてきた世界から一歩でも外に踏み出したいと願うものの、失敗したり不安を感じると、布団を被り夢の中に逃げ込む。そこは、父の光雄が生前病床で書いた『美晴に傘を』という絵本の世界であった。やがて、小さな町の人々との交流も手伝い、善次、透子、美晴は、自分自身の内なる声に耳を傾け始める。

『美晴に傘を』
出演:升 毅 田中美里 日髙麻鈴 和田聰宏 宮本凜音 上原剛史 井上薫 阿南健治
脚本・監督:渋谷 悠
プロデューサー:大川祥吾 渋谷真樹子
撮影監督・共同プロデューサー:早坂 伸
助監督:西 貴人
制作プロダクション:アイスクライム キアロスクーロ撮影事務所
配給:ギグリーボックス
(C)2025 牧羊犬/キアロスクーロ撮影事務所/アイスクライム

公式サイト: http://miharu-movie.com/

2025年1月24日(金)より、YEBISUGARDEN CINEMAほか全国公開

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