松竹創業130周年記念映画『TOKYOタクシー』山田洋次監督、倍賞千恵子、木村拓哉出演で製作決定 公開は11月21日

画像1

松竹が創業130周年を記念して映画『TOKYOタクシー』の製作を発表。監督を務める山田洋次と、出演する倍賞千恵子、木村拓哉が、1月23日に行われた「松竹創業130周年記念 2025-26年ラインナップ発表会」に登壇した。

本作は、昭和から平成、令和と、日本に生きる人々を長年描き続けてきた山田監督が、大都市<東京>を舞台に、人生の喜びを謳いあげる感動のヒューマンドラマ。フランスで初登場1位を獲得し、2022年に日本でも公開されヒットした映画『パリタクシー』を原作に、さえない日々を送るタクシー運転手と、彼が偶然乗せることになった、人生の終活に向かうマダムとの運命的な出会いと奇跡を描く。撮影は今年の2月から4月にかけて東京近郊で行われる予定で、11月21日に全国公開される。

山田監督は「撮影を控えている監督というのは非常に落ち着かないもので、ゲートインした馬みたいなもの。ソワソワしています」とクランクイン間近の心境を打ち明けつつ、「フランス映画『パリタクシー』を観た時に、内容は重いのに何故ここまで軽快かつユーモラスに観られるのか。どんなところにその秘密があるのだろうかと考えさせられた」と『パリタクシー』に心惹かれた理由を説明。

それを原作に日本版を製作しようとした動機については、現在の先行き不透明な世界情勢を挙げて「こんな時代だからこそ軽やかに楽しく観られる作品を観たいという気持ちが僕にもあるし、この素材はそのような作品になりえるのではないかと思う」と述べた。

画像2

人生の終活に向かうマダムで、とある過去を抱える高野すみれを演じる倍賞も原作に心惹かれた一人。「これを山田さんがお書きになって舞台を日本に置き換えたらどのようになるのか?とても楽しみにしていました」と語った。

木村とはアニメーション映画『ハウルの動く城』以来、実写では初共演となるが、当時の木村の印象について「Gパンに白シャツ姿で階段をパタパタと上がって来て『わ!カッコいいなあ』と思った」とチャーミングに明かしながら、「そこから少し歳を重ねたかとは思うけれど、待ち時間にふっと木村さんを見たら眼鏡をかけて佇んでいる姿がとても印象的。静かにしている木村さんってこんなに素敵なんだ!と感動しました」と明かした。

画像3

すみれを乗せ施設まで送ることになるタクシー運転手・宇佐美浩二役の木村は、そんな倍賞について「長きにわたって山田組に咲き続けているお花だと僕は思っているので、今回の現場ではどう咲き続けてくださるのか。傍で拝見させていただこうと思います」とし「あと、現場では静かにします!」とニヤリ。

山田作品には『武士の一分』以来19年ぶりに参加となるが、「19年ぶりと聞くと…もうそんなに時間が経っているんだと自分でも驚く部分はある」と感慨を浮かべながら「もう一度山田組の撮影に参加させてもらうことに何の迷いもなくて、時代劇と現代劇の違いはあるかもしれないけれど、登場人物たちの心の流れや抑揚を丁寧に導いてくれる監督なので、撮影が始まるのが楽しみで仕方がないです」と期待に胸を膨らませていた。

画像4

本作の起用にあたり、バラエティ番組出演時の木村の素顔に魅力を感じたという山田監督。「彼の他の作品ではあまり見ることが出来ないような、彼の優しくて温かい面を盗み撮りたい。タクシー運転手という平凡な一人の男になった時に、彼が普段人に見せないような姿がふっと見られたら素敵だと思う。今までの木村拓哉さんの作品にはない魅力をこの映画で奪い取りたい」と力を込めた。

巨匠からのオーダーに木村は「僕が年末年始に出た番組を山田監督は何本も見てくださったらしくて…。『素晴らしかったよ。あのような木村君が良いんだよ』と言ってくださいました」と照れつつも、「宇佐美浩二という立派な役をいただいたので、山田監督が魅力的だと言ってくれた自分の素の部分を良い形で投影できたらと思います」と意気込んだ。

倍賞が演じる高野すみれは、『男はつらいよ』シリーズで演じた諏訪さくらと同じく、下町の柴又に暮らしていたという共通点があるという。山田監督曰くすみれは「凄く嫌なババア(笑)」だといい、倍賞も「木村さん(演じる浩二)に対する辛辣なセリフもあって、こんなセリフ今まで言ったことがない。柴又でこんなセリフ私には似合わないと思いつつも、衣裳を身に付けていくと『あのセリフ、言えるなあ』と思えた。山田さんもリハーサル時にプッと吹き出したりして楽しんでいる」とユーモアあふれる舞台裏を紹介。木村とのやり取りについても「木村さんの横顔を見ると『この人なら言ってもいいわ!受け止めてくれるわ!』と個人的にも思えた。そんな事を思いながらセリフを言っていました」と全幅の信頼を寄せていることを明かした。

準備段階で現場も明るく活気に溢れているようで、木村は「これ、皆さんの前で言っても大丈夫かな?」と意味深に前置きしつつ、「山田監督はステッキをついて現場に入られますが、現場ではそのステッキの先が浮いている。地面についていないんです」と若々しい姿に一変すると明かし、笑わせながら「現場に入るとそれくらい皆さん違うスイッチ、普段とは全く違う電流の流れ方で違うモーターを回している感覚になる。そんな現場でワンカット、ワンカット撮っていくと思うので、出来上がりを皆さんにはお待ちいただきたいです」と笑顔で呼び掛けていた。

また、この日のイベントには尾上菊之助、尾上丑之助、原菜乃華、マイカ ピュらも登壇した。

画像5

ストーリー
タクシー運転手の宇佐美浩二は、ある日、85歳の高野すみれを東京の柴又から、神奈川の葉山にある高齢者施設まで送ることになった。すみれは浩二に、いくつか寄り道を依頼する。次第に心を許したすみれは、自らの壮絶な過去を語り始める。偶然出会った二人の心が、そして人生が大きく動いていくことになる―

画像6

『TOKYOタクシー』
出演:倍賞千恵子、木村拓哉
監督:山田洋次
脚本:山田洋次、朝原雄三
原作:映画「パリタクシー」(監督・脚本・プロデューサー クリスチャン・カリオン/脚本 シリル・ジェリー)
音楽:岩崎太整
配給:松竹

公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/tokyotaxi-movie/
公式X:@tokyotaxi_movie
公式Instagram:tokyotaxi_movie

11月21日(金)公開

目次