弔辞作家の日常というユニークな題材を軸に、人々の人生模様や死生観を繊細に織り込んだヒューマンドラマ『来し方 行く末』より、このたび新たに場面写真4点が解禁となった。
![画像1](https://www.anemo.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/koshikata_0213_01.jpg)
主演は、『チィファの手紙』(18/岩井俊二)や『鵞鳥湖の夜』(19/ディアオ・イーナン)で内面を掘り下げた演技で芸域を広げる国民的人気俳優のフー・ゴー。同居人のシャオイン役は、『西湖畔に生きる』(23)で圧巻の演技を披露し、本作がフー・ゴーと三度目の共演となるウー・レイ。
卒業制作『Oxhide (英題)』(05/原題:牛皮)で、第55回ベルリン国際映画祭でカリガリ映画賞と国際映画批評家連盟賞を受賞したリウ・ジアイン監督が、長年の思索を重ねて熟成させた14年ぶりの待望の新作。
名匠ジャ・ジャンクー(『長江哀歌』『新世紀ロマンティクス』)やディアオ・イーナン(『薄氷の殺人』)も絶賛する、柔らかで洗練された確かな力を感じさせる本作は、第25回上海映画祭で最優秀監督賞と最優秀男優賞(フー・ゴー)を受賞した。
解禁された場面写真一枚目は、弔辞の代筆業で生計を立てるウェン・シャン(フー・ゴー)の日常を切り取ったもの。定期的に足を向ける古びた動物園の一角の窓辺に腰掛け、ノートを開き、ペンを走らせながらふと遠くを見つめる瞬間。
二枚目は、ウェンと彼の執筆の様子を見守る同居人のシャオイン(ウー・レイ)のツーショット。二人が住む北京郊外の団地の一室で、デスクライトの光が夜の静けさに包まれた部屋をぼんやりと照らしている。
![画像2](https://www.anemo.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/koshikata_0213_02.jpg)
三枚目は、依頼主の一人、ルー(ガン・ユンチェン)の声に耳をかたむけるウェン。共に起業した親友が急逝し、そのための弔辞を依頼するルーは、ちょうどオフィスを拡大するタイミングだった会社が支柱を失い窮地に陥っていることを漏らす。ガラスに映る彼の姿には、喪失と不安の狭間に揺れる心情が映し出されている。
![画像3](https://www.anemo.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/koshikata_0213_03.jpg)
四枚目は、少しイレギュラーな依頼主、ファン(ナー・レンホア)とのひととき。ガンと共生する彼女は余命宣告をうけ、友人の葬儀で聞いたウェンの弔辞に惚れ込み、自らの弔辞をウェンに依頼することになり、定期的に会っては、ウェンのことを気にかけている。アルバムを眺めながら、若かりし日の苦い思い出を話しだすその表情には複雑な感情が滲み出ている。
![画像4](https://www.anemo.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/koshikata_0213_04.jpg)
ルーを演じるガン・ユンチェンは、2014年にバラエティ番組に出演をきっかけに芸能界入りし、近年ではワン・イーボー主演『ボーン・トゥ・フライ』(23/リウ・シャオシー監督)などヒット作にも出演、『最高でも、最低でもない俺のグッドライフ』(24/ロン・フェイ監督)では、主演のフー・ゴーと2度目の共演を果たした。
ファンを演じるナー・レンホアは、14歳で映画のキャリアをスタートさせ、1987年に第40回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門で上映された『蕭蕭(シャオシャオ)』(86/シェ・フェイ監督、ウー・ラン監督)で主演を務め、第7回中国金鶏賞主演女優賞にノミネートされ一躍注目を集めた。2007年にはパートナーのニンツァイが監督を務める『白い馬の季節』(05)には来日して話題を呼んだベテラン俳優だ。
市井の人々の人生の中に秘められた数々のドラマ、また、脇を固める豪華キャスト陣にも是非注目してほしい。
![画像5](https://www.anemo.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/koshikata_0213_pos.jpg)
ストーリー
主人公のウェン・シャンは大学院まで進学しながら、脚本家として商業デビューが叶わず、不思議な同居人シャオインと暮らしながら、今は葬儀場での〈弔辞の代筆業〉のアルバイトで生計を立てている。丁寧な取材による弔辞は好評だが、本人はミドルエイジへと差し掛かる年齢で、このままで良いのか、時間を見つけては動物園へ行き、自問自答する。同居していた父親との交流が少なかった男性、共に起業した友人の突然死に戸惑う会社員、余命宣告を受けて自身の弔辞を依頼する婦人、ネットで知り合った顔も知らない声優仲間を探す女性など、様々な境遇の依頼主たちとの交流を通して、ウェンの中で止まっていた時間がゆっくりと進みだす。
『来し方 行く末』
出演:フー・ゴー[胡歌]、ウー・レイ[呉磊] 、チー・シー[斎溪]、ナー・レンホア[娜仁花]、ガン・ユンチェン[甘昀宸]
監督・脚本:リウ・ジアイン[劉伽茵]
2023年/中国/中国語/119分/カラー/1:1.85/5.1ch 原題:不虚此行 字幕:神部明世
配給:ミモザフィルムズ
(c)Beijing Benchmark Pictures Co.,Ltd
公式サイト:https://mimosafilms.com/koshikata/
2025年4月25日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開