広瀬すず、杉咲花、清原果耶『片思い世界』完成報告イベントに登壇 劇中歌「声は風」の生歌唱に感激

映画『片思い世界』の完成報告イベントが3月3日にTODA HALL&CONFERENCE TOKYOにて行われ、広瀬すず、杉咲花、清原果耶、土井裕泰監督が登壇した。 

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本作に登場する、3人の住まいを模した温かみのある装飾をされたステージに、広瀬、杉咲、清原、土井監督が登場。早速現在の気持ちを質問された広瀬は「この作品が決まってから3人でご飯を食べに行ったんですけど、その日から2年たったんだなということを実感しています。何かすごくあっという間のようで。なかなか内容も話せない作品なので、早くこの世界を観てもらいたい、届けたいという気持ちです」と語る。

杉咲も「お話をいただいた時は、こんなにすてきな座組に飛び込めるんだという喜びがありましたけど、本当にあっという間。今は(3人で)こんなにも冗談を言い合えるような感じになって。本当にすてきな方々とご一緒できてうれしいです」とコメント。

さらに清原が「ついに公開か、とじんわり胸が温まる気持ちです。映画がつくられるのは当たり前のことではないんだなということを痛感する中で、大好きなキャストと、監督と一緒にこの場に立てていることがうれしいです」とそれぞれ喜びをかみ締めている様子。

撮影を通じて本当に仲良くなったという3人。そんな3人の関係性について広瀬が「(役柄として長女的な立場なので)自由なふたりをフォローしていく立ちまわりが多かったので新鮮ではありましたが、すごく楽しくて、いとおしいふたりを観ているのがとてもしあわせでした」と述懐。

杉咲も「撮影中も(機材の)セッティング中もずっと一緒に過ごしていましたし、撮影が終わってからもしょっちゅうご飯を食べに行ったりもしました。クランクアップしてからは急にふたりがいなくなったので、幻だったのかと錯覚するくらいの喪失感を感じていました」とコメント。

清原も「さくらは(広瀬演じる)美咲と(杉咲演じる)優花が本当に大好き。お姉ちゃんがいるから活発で無邪気に生きてこられたんだなと思うシーンがたくさんあるなと思いました」と分析。

そんな3人を温かく見守っていた土井監督も「気付いたら3人はずっと一緒にいて、とにかくずっとしゃべっていた。だからわれわれもそんなに気を遣わずにいられたし、そういう意識がある人たちなのかなと。(劇中では子どもの時に3人が一緒に暮らすようになってからの)12年間は描かれていないので、3人が一緒にいることで、その時間を埋めようとしているのかなと思いました」と振り返った。

本作に込められた思いについて「体感としてはお芝居を通じてふたりといる時間がとってもしあわせだったし、楽しくて仕方なかった。きっとこの作品を観て、映画館を出ると日常が広がっていて、そこに希望みたいなものを感じ取ってもらえるんじゃないかなと思います。そういうことを信じてみたくなった作品でした」と広瀬。

さらに杉咲が「3人が抱えるものは重いものもあって、撮影中は表現しきれるだろうかというプレッシャーがありました。観ていて苦しくなるシーンもあると思いますが、観てくださった方には温かいものを感じ取っていただきたいです。何よりも心の中にはふたりの顔がありましたし、小さな明かりがともるような感じがあったので、そういうものを受け取ってもらえたらうれしいですね」とコメント。

清原は「誰かを思う気持ち。それは誰かに限らず場所や物でもいいと思うんですが、その思いが全部やさしさに還元されたら、この作品が生まれるのかな。それがこの作品のやわらかさなのかなと思う。それが自分を癒やしてくれたり、大切な誰かを守ることになったらいいなと、願うばかりです」と語る。

そして土井監督も「まずこの『片思い世界』というタイトルにいろんな思いがこもっています。3人がひとつの画面にいるというだけで幸福感がすごいんです。そして3人が生き生きとしているほどにせつなくなるような気持ちがあって。本当に難しい役だったと思いますけど、ちゃんと生きてくれたな、ということを画面を観て思いました。とにかく3人が一緒にいることで、ものすごく強い力が生まれている映画になりましたね」と力強く語った。

本作の脚本は坂元裕二だが、あらためて“坂元裕二らしさ”について「どこを切り取っても坂元さんワールドが広がっていた。ただ今回はじめて見たときはフワフワしていて。現場でどうなるんだろうというのがあまり見えてこなかった。でも3人がシーンでやりたかったことは、言葉にはしなくても、たぶん方向性が近いんだろうなと感じていた」と語った広瀬は、「わたしが2人にツッコむシーンがあったんですけど、そこのリズムとか、その原因とかがクスッと笑えるというか。日常的な肌なじみのいい描き方が、個人的にはとてもファンです」と笑いながらコメント。

続いて杉咲が「3人が仲むつまじく、たわいのない会話をして過ごしている様子が淡々と描かれているんですが、それだけではないことが起こってるんじゃないかと、ザワッとさせられるような、生ぬるいものを感じていて、そういう読後感というか、その事象が過ぎ去ったあとに、後から何かを感じさせられるのは坂元さんならでは味わいかなと思いました」と語る。

清原も「わたしは『花束みたいな恋をした』で、坂元さんの言葉を、役を通じて語らせていただいたことはあったんですが、またその世界で生きられるんだといううれしさがあって。土井監督と一緒に坂元さんの世界で、次はどう生きられるんだろうと、好奇心が勝ったのを覚えています。言葉の温度感や質感も、日常と非日常が曖昧になっている気がして、そこがゆらゆら揺れている感じがとても好きです」とコメント。

さらに「トイレのスリッパを履きっぱなしにしている人が怒られるというのはわりと坂元さんのあるあるなんですが」と笑いながら切り出した土井監督も、「僕がすばらしいなと思ったのが、『声は風』という合唱曲。坂元さんが書き下ろしたその歌詞を読んだ時にすごいなと伝わるものがあって、作品で描きたいもの、受け取ってもらいたいもの、そして3人の気持ちのようなものがすべて歌の中に凝縮されている。これは坂元さんにしか書けないものだと思いました」と語った。

この日は本作に登場した、杉並児童合唱団による映画の劇中歌「声は風」を生披露することに。合唱団とはおよそ1年ぶりの再会となり「みんな背が伸びて大きくなって」と笑顔を見せたキャスト陣。合唱団がステージで歌う中、登壇者たちはステージ横のソファで合唱団の美しい歌声に耳を傾けていた。

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曲を聴き終えた広瀬は「役もそうですし、撮影もそうですけど、いろんなことが一気によみがえってきました。杉並児童合唱団の真っすぐでピュアな声にやられています。泣きそうになっちゃいました」と感激した様子。そして杉並児童合唱団を代表して大橋柚奈さんが「この歌はわたしたちにとって一生の思い出になりました。今日観てくださった皆さん、ありがとうございました」とあいさつをした。

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そんな会見もいよいよ終盤に。最後のコメントを求められた土井監督は「いろんな思いが詰まっている映画です。3人が輝いている瞬間が間違いなくスクリーンに焼き付けられていると思います。皆さん公開を楽しみに待っていて欲しいと思います」とあいさつ。

続いて清原が「この作品が、観てくださった方それぞれの片思いをやさしく包んで、前に歩ませてくれるような、そんなきっかけになってくれたらと思います。たくさんの方の胸に残るように願っています」とあいさつ。

さらに杉咲が「人は人の観たいように誰かを見てしまう瞬間がある気がしますが、そういうことに対して、ちょっと立ち止まって考えさせられるというか。誰かのことに対してイメージしてみるという、そんな力をそっと分けてくれるような映画になっているんじゃないかなと思います」とメッセージを送る。

最後に広瀬が「われわれが演じた片思いは、それぞれ形も色も違いますが、その片思いの先を、劇場に足を運んでくださる方々に最後の最後まで見守っていただけたら。とても愛らしくて、せつない世界になっていると思います。ぜひ一カ月後、劇場で楽しんでください」と会場に呼びかけ、あたたかな雰囲気で完成披露報告イベントが終了した。

『片思い世界』
出演:広瀬すず 杉咲花 清原果耶/横浜流星/小野花梨 伊島空 moonriders 田口トモロヲ 西田尚美
監督:土井裕泰
脚本:坂元裕二
配給:東京テアトル、リトルモア
(C)2025『片思い世界』製作委員会

公式サイト:https://kataomoisekai.jp/
公式X:@kataomoi_sekai

4月4日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開

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