
俳優の中尾有伽と研がW主演を務め、永六輔の孫である岡﨑監督が企画・脚本も手掛けた本作は、ソープ店で働く主人公・加那(中尾有伽)が祖母・紀江(研ナオコ)の介護を引き受けることから始まる物語。「一週間だけ、おばあちゃんの介護してくれない?」という母の電話を受け、仕事のことを隠していた加那は、ソープ嬢ということを秘密に、翌日から祖母宅⇔ソープ店を行き来して、“人の身体”を洗い続ける二重生活〈ダブルワーク〉をすることになり…。
満員御礼で迎えたこの日、認知症の祖母・紀江を演じた研は、デビュー55周年の節目でもあることから、客席から祝福の声を受けながら「今日はお足元の悪い中、沢山の方に来ていただきありがとうございます。本当ならば天気の良い日に普通に来ていただくのが良かったけれど、岡﨑監督が雨男だから…」と笑わせながら感謝を述べた。

一方、祖父・永六輔の私物であるジャケットを着用して登壇した岡﨑監督は「今日の雨模様は僕のせい!? すみませんでした」と冗談めかして観客に頭を下げながら「悪天候を僕のせいにされてプレッシャーですが…今日はお越し下さりありがとうございます!」と笑顔を見せた。

本作が9年ぶりの映画主演となる研は、オファーを受けた理由について「監督は無名だけれど、内容は面白いし、これから伸びていくのではないかとの期待も込めて出演させていただきました」と、岡﨑監督のセンスに着目したといい、「ただそれには条件があって『私の演技に妥協するなら出ない』と。監督にはご自身が納得いくまで撮って欲しかったから」と明かした。
これを受け、岡﨑監督も「恐れ多いお話しではありましたが、私としても望むところですと。仰せの通りに徹底してこだわりぬいて、最高級の一番いい形を目指して撮影しました」と気合十分で臨んだことを告白。撮影を通して研とはすっかり意気投合したようで、「撮影の合間に研さんから『よかったらうちの娘と結婚しない?』と言われて。もしかしたら映画公開初日を迎える時には僕の苗字も変わって本当の意味でケンズファミリーになっているかも!? そんな冗談も交わさせていただきました」と研の個人事務所の社名にかけてジョーク。研も「うちの娘と性格的に合うかなと思って言ってみたら『ぜひ!』と答えてきたので『…マジか!?』と思った」とかぶせるように笑いを取っていた。
また、岡﨑監督は「私は女優じゃないので役作りが出来ない。だから普段のままでやりました」という研の演技について「達者なお芝居をしていただいて、歴史に残る名演をされています」と太鼓判を押すと、研は「お?狙っちゃう?日本アカデミー賞主演女優賞!?」とノリノリ。
さらに研は、永六輔が浅田飴のCMキャラクターを30年以上務めていた縁から、株式会社浅田飴の玉木卓社長より芸能生活55周年を祝した花束と賞状を贈呈されると「『うぉっしゅ』を世界に羽ばたかせて、岡﨑監督を世界に連れて行きます!」と意気込んでいた。

そしてここで、研と20年以上の付き合いという梅沢も駆け付けて、花束を贈呈。梅沢は「今日4月1日が研ナオコさんのデビュー記念日だとは知らずビックリ」と驚きながら、「今から遡ること48年前の1977年、研さん主演の『美女放浪記』という映画があります。…それが見事にスベりました!だから今回の映画はスベるわけにはいかない、芸能生活55周年に泥を塗るような映画は作らせません!」と宣言した。

そんな梅沢は、本作を先んじて鑑賞しており「見事なもので、この人こんなに凄い演技が出来るのかと。私の舞台でいつも女優として使っているけれど、ここまで感動したのは初めて。何故あれを舞台でやらないのか!?」とまくし立てて研を爆笑させつつ、「この映画で日本アカデミー賞主演女優賞を狙っております。愛しくて切ない映画であり、観終わったらきっと家族や友人と出会いたくなる作品です」と絶賛した。

漫才のようなやり取りで場内が大爆笑となる中、舞台挨拶もあっと言う間に終了の時刻に。
最後に研は「肩の力をふっと抜いてご覧ください。観終わった後に誰かに会いたいとか連絡したいなと言う気持ちになってもらえたらとても嬉しいです」とコメント。

岡﨑監督も「本作を観終わった帰り道に家族や友達の事を思い出して、連絡を取ってみたり会いに行ってみたり、そんな行動のきっかけに繋がったら『うぉっしゅ』を作った意味があると思っています」としみじみ語りかけていた。

『うぉっしゅ』
出演:中尾有伽 研ナオコ 中川ゆかり 西堀文 嶋佐和也(ニューヨーク) 髙木直子 赤間麻里子 磯西真喜
監督/脚本:岡﨑育之介
企画:岡﨑育之介
音楽:永太一郎
共同プロデューサー:神原健太朗 ムラタマリエ
ラインプロデューサー:赤間俊秀
監督補:佃直樹 助監督/美術:中村光寿 撮影:江成隼 照明:西野正浩 録音:岩﨑敢志 庄野廉太朗
スタイリスト:川邉舞 ヘアメイク:幸田啓 カラリスト:井上海 編集:岡﨑育之介
制作プロダクション:役式
宣伝協力:浅田飴
2023年|115分|カラー|DCP
配給:NAKACHIKA PICTURES
(C)役式
公式サイト:https://wash-movie.jp
公式X:https://x.com/wash_film_
公式Instagram:https://www.instagram.com/wash_film_/
5月2日(金)新宿ピカデリー/シネスイッチ銀座 他 全国公開
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