スティーブン・スピルバーグのアンブリン・エンターテインメントが提供を務め、“ハリー・ポッターの原点”ともいわれる、ジョン・ベレアーズ著書の映画化である『ルイスと不思議の時計』が、10月12日(金)より日本公開となる。
ポンコツ魔法使いのジョナサンおじさんを演じるのは、幅広い演技で定評のあるジャック・ブラック。魔女のツィマーマンはアカデミー賞に2度輝いたケイト・ブランシェットが演じる。監督を務めるのは、鬼才イーライ・ロス。スティーブン・スピルバーグのアンブリン・エンターテインメントが贈る、マジックファンタジーがこの秋を彩る。
9月21日[現地時間]より全米ほかで公開を迎えた本作は、北米でのオープニング興収約2600万ドル(約30億円※9月24日時点レート換算)を記録し、初登場No.1の大ヒットスタートを切った。そしてこの度、日本公開に先駆け、日本語吹替版の豪華声優陣が一堂に集結した、日本語吹替版完成会見が実施された。
既に声優を務めることが発表されている日本を代表する人気アニメの主役を務めてきた、高山みなみ(ルイス役)、松本梨香(タービー役)、矢島晶子(ローズ役)、本名陽子(ルイスの母役)ら4名のプロ声優が脇を固め、ポンコツ魔法使いジョナサン役に洋画声優初挑戦、“おじさんブーム”の最先端を走る佐藤二朗(ジョナサン役)が参戦することでも話題の本作。イベントには、松本、矢島、本名、佐藤二朗が登場し吹替制作の裏側などを語ったほか、佐藤二朗自ら、演じた魔法使い役になぞらえてドキドキのマジックを披露。また、声優発表当時から秘密のベールに包まれていたケイト・ブランシェット演じる一流魔法使いツィマーマン役として、宮沢りえがサプライズ登場。勝ち気な性格で、腐れ縁のジョナサンと常にコミカルなトークバトルを繰り広げるセリフも印象深い、日本語吹替版ツィマーマンが見られる本編映像も披露された。
パワフルな声優陣に、佐藤さんが何度もツッコミを入れるなど、初対面であるとは思えないほどの相性の良さをみせ、終始笑いの絶えない大盛り上がりのイベントとなった。
『ルイスと不思議の時計』日本語吹替版完成会見 概要
日程:9月24日(月・祝)
場所:ザ・ペニンシュラ東京 3F ザ・ギンザボールルーム(東京都千代田区有楽町1-8-1)
登壇者(敬称略):佐藤二朗、宮沢りえ、松本梨香、矢島晶子、本名陽子
映画の舞台さながらの大きな古い時計が設置された会場に、佐藤さん、矢島さん、松本さん、本名さんが登場。主人公のポンコツ魔法使いジョナサンを演じた佐藤さんは「洋画の吹き替えは初めてやりました。『スクール・オブ・ロック』が大好きで、ジャック・ブラックさんも好きになったので、本当に光栄ですし、楽しく演じさせていただきました」、ルイスのことが気になる少女ローズを演じた矢島さんは「私の名前を聞いて、とある5歳児くんを思い浮かべる方が多いかと思いますが(笑)今回は女の子を演じさせていただきました!でも実はデビュー時は女の子役が多かったりしたので、またこの素敵な作品で原点回帰ができたようで良かったです」、ルイスにとって、街にやってきて初めてできた友達である少年タービーを演じた松本さんは「アニメでは男の子の役が多いですが、洋画では女の子の役をよくやるんです。なので、字幕版で初めてこの作品を観たときに、ルイスのお母さん役だと勝手に思い込んでたんですけど、男の子役と聞いてまさかと(笑)でも楽しく演じさせていただきました!」、亡くなった後もルイスを側で優しく見守るルイスママを演じた本名さんは「わたしは(高山)みなみさんと共演させていただく作品で、みなみさんが先生でわたしが生徒だったり、敵同士だったりすることがあったので、今回は私がみなみさん演じるキャラクターの母親役ということで(笑)楽しく演じさせていただきました!」とそれぞれに挨拶。
佐藤さんから「この三人と楽屋でしゃべっていたんですけど、ファミレスでの会話みたいなんですよ!」と明かされ、矢島さん、松本さん、本名さんは爆笑。和気藹々とした雰囲気で会見はスタートした。
今回、声優発表当時から秘密のベールに包まれていたケイト・ブランシェット演じる一流魔法使いツィマーマン役が、この場でお披露目されるということで、佐藤さんの隣は空席。そこで、本編の中にもあったツィマーマンが時計から登場するシーンを再現する形で、ツィマーマン役の方を登場させることに。
「稀にみる無茶ぶり!」「早く終わらせて楽になりたい!」と文句をいいつつ、大きな古い時計の近くに移動し、時計に向かって「出でよ、ツィマ~マ~ン」と呪文を唱える佐藤さん。すると時計の鐘が鳴り始め…佐藤さんが呪文を唱えた反対側から宮沢りえさんが登場。宮沢さんは「大好きなケイト・ブランシェットさんに心を寄せながら演じさせていただきました。エキサイティングしたのと同時に緊張もしましたが、一生懸命演じさせていただきました」と挨拶。
一方、呪文を唱えた場所とは違う方向から宮沢さんが登場してしまったことで、ジョナサンおじさんばりのポンコツっぷりを披露してしまった佐藤さんは、魔法が失敗したことを指摘されると「いや、台本通りの流れだし…」と逆切れ。しかし、不満を露わにしながらも「まあこれも台本通りですけど…今日は失敗に終わりましたが、次は10月4日の特別試写会で、魔法を成功させてみせます!」とリベンジを誓った。
その後は、登壇者それぞれの声入りクリップが披露された。はじめに、矢島さん、松本さん、本名さんのパート映像が披露されると、矢島さんは自身のキャラクターについて「ローズは個性を自分で尊重できるとっても良い子」と説明、続いて収録時について「高山さん、松本さんの声が既に入った状態で録ったので、何も考えず自然に演じられました。先輩方のお陰です!」と振り返った。松本さんは「コナンと(ポケモンの)サトシが友達ってすごくない?!ってみなみさんと話していたんですけど、今回のキャスティングはすごいドキドキでした!」と明かし、本作については「お化け屋敷のドキドキワクワク感があって、大人の方も童心に帰れると思います!」とアピール。
本名さんは収録時について「ルイスを導きつつもちょっぴり不気味な雰囲気をまとった役だったので少し難しかったです。でもわたしは、ルイスママ以外にガヤやその他大勢の声もやらせていただいていたりしたので、それも楽しかったです」と振り返った。
続いては、なんとジャック・ブラックからの佐藤さんに向けたメッセージ映像が披露された。このサプライズに佐藤さんは「これは流石に嬉しい!」と興奮した様子をみせ「滑舌良く、ポンコツ感もよろしくな!」というブラックのメッセージに対し、「まかせろ!滑舌の良いポンコツは俺の十八番だ!」と声高らかに応えた。
次に、佐藤さんと宮沢さんのパート映像が披露された。宮沢さんは「役者と声優さんは声を発する際の筋肉が違う。役者は出てなんぼというか、表情とか動きで伝わることもあります。吹き替えのお仕事をさせていただく度に、声優さんへの尊敬と憧れが募ります」と謙遜する宮沢さんに対し、佐藤さんは同調しつつも、宮沢さんの演技について「結構いいんじゃないかと思いましたよ?!」と称賛。松本さんも「この役を宮沢さんが演じられると聞いたとき、ピッタリだと思いました!」と声をかけられ、ほっと胸を撫でおろした宮沢さんは「ケイトの声はすごく低くかったので、できるだけそれに近づける為に練習してみたんですけど、元々もつ筋肉などの違いから絶対無理だとわかって…それがわかってからは、自分ができる範囲でいつもと違う声を出してみました」とアフレコ時のエピソードを語った。一方の佐藤さんは、宮沢さんとは反対に何も考えずに演じたというものの「最初は、佐藤二朗の声だと思っても、最後の方にはそれが忘れてくれるくらいになったらいいとは思っていましたね」と佐藤さんなりのこだわりを明かした。
また、見どころについて問われると佐藤さんは「選ぶのは難しいけど、ジャック・ブラックっていい意味でふざけているんだけど、今回のジョナサンおじさんはルイスのことをすごい大切に思っているんです。その気持ちが抑制のきいた芝居から伝わってくるんですけど、そこですかね」、宮沢さんは「たくさんありますけど、その中でもファンタジーでありながらも社会的なメッセージも込められているストーリーと、カボチャのおばけとアクションするシーンがあるんですけど、楽しいシーンでもありますし、ハロウィンが近いということでそこを挙げさせていただきます」とそれぞれに明かした。
そして今回、ルイス役の高山さんが出席できなかったことで高山さんからボイスメッセージも到着。魔法がたくさん出てくる本作に因み、一つ魔法が使えるとしたらどんな魔法を使いたいか質問が及ぶと、本名さんは「3歳と1歳の子供がいるんですけど、二人同時に相手にすると本当に身体が悲鳴をあげるんです(苦笑)なので、仮眠を少しでもとれたら…ということで、“時間を止める魔法”にします!」、松本さんは「私は歌手として海外に出向くことも多いのですが、チリとかブラジルって行くだけで本当に時間がかかるんです…なのに、弾丸で帰らなければならないことも多いので、“どこでもドアみたいな魔法”が欲しいです!」、矢島さんは「若返りですかね…というのも、7年前の東日本大震災があった際に、もっとお手伝いがしたかったのですが、年齢的に体力的にできないことも多くて…もう少し若かったらあんなことやこんことも手伝えたのにと思うと、“若返りの魔法”が欲しいですね」、宮沢さんは「旅行がすごい好きなんですけど、“その国々の言語がしゃべれる魔法”が欲しいですね。どこの国でもコミュニケーションが取れたらもっと視野が広がりますし…」とそれぞれに披露。すると佐藤さんは「じゃあ僕も、宮沢さんと同じく“その国々の言語がしゃべれる魔法”にします!」といいつつも本当に欲しいのは“透明人間になる魔法”だそうで、その理由について「飛行機とかほいほい乗れるじゃない…」と答えると、宮沢さんから「でも、誰にも自分の存在を確認してもらえないってすごく寂しいことじゃないですか…?」と正論を言われ、すかさず「やめます!」と撤回し、笑いを誘った。
最後に、宮沢さんは「ファンタジーの中に強いメッセージが込められた作品です。年齢、性別問わず楽しめる映画になっているので、是非大きなスクリーンでご覧ください」、佐藤さんは「お子さんは勿論楽しめるし、大人の方はグッとくる作品になっているかと思います。どこかしらに“負“をもつ、ルイス、ジョナサン、ツィマーマンという三人のキャラクターがいますが、そんな三人が敵に立ち向かっていく。ぼくはそんな話が大好きなんです!子供も大人も楽しめる作品に仕上がっていますので、是非劇場へ足をお運びください」とそれぞれにコメントし、イベントは終了した。
ストーリー
両親を亡くした少年ルイスは、叔父であるジョナサンの古い屋敷に住むことになるが、なんと、おじさんは、二流のポンコツだが、不思議な力を使える魔法使いだった。そして、隣に住むきれいで優しいツィマーマンも魔女。ただし、こちらは一流。ルイスはそんな二人と時計がいっぱいの屋敷で不思議な暮らしを始める―。ある日、屋敷に世界を破滅へと導く“時計”が隠されていることを知ったルイス。
果たして、二人の魔法使いと “時計”を探し出して謎を解き、世界を救うことができるのか!?
作品タイトル:『ルイスと不思議の時計』
出演:ジャック・ブラック、ケイト・ブランシェット、オーウェン・ヴァカーロ、カイル・マクラクラン 他
監督:イーライ・ロス
提供:アンブリン・エンターテインメント
原作:ジョン・ベレアーズ「ルイスと不思議の時計」(静山社)
原題:The House with a Clock in Its Walls
全米公開:9月21日
配給:東宝東和
公式サイト:lewis-movie.jp
コピーライト:(C)2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO.,LLC
10月12日(金) 全国ロードショー