太賀、吉田羊が出演する親子の物語『母さんがどんなに僕を嫌いでも』(11月16日より全国公開)が、10月4日(現地時間)より開幕する第23回釜山国際映画祭の「アジア映画の窓」部門に出品され、本日、吉田羊、御法川修監督、原作者の歌川たいじが映画祭に参加し、ワールドプレミアとなる本作の上映の舞台挨拶に登壇した。
『母さんがどんなに僕を嫌いでも』釜山国際映画祭 舞台挨拶概要
日程:10月7日(日)19:30~
場所:CGVセンタムシティ
登壇者(敬称略):吉田羊、御法川修(監督)、歌川たいじ(原作)
<舞台挨拶>
ワールドプレミア上映ということもあり、多くの観客が待ち受ける中、吉田羊、御法川修監督、原作者の歌川たいじが登壇し、上映前の舞台挨拶を行った。「吉田羊です」と韓国語で自己紹介を行い場の空気を温めた吉田。本作では主人公を演じた太賀の母親役を演じ、今までの明るいイメージを一新させるほどの迫真の演技をみせている。「重い題材ではありますが、明るい作品です。ぜひ最後までお楽しみください」と物語の本質的な明るさをアピール。
御法川修監督は「この映画が完成して、初めて映画をご覧いただくのがみなさんです。本当に心から光栄に思っています。韓国で上映を迎えられることはとても嬉しいことです」と映画祭への参加の喜びを語った。
また原作者である歌川たいじは「私の傷ついた心を立ち直らせてくれた友人たち、そして最後には受け入れてくれた母のことを書きたいと思ってこの本を書きました。韓国の皆さんにこの映画をどう見てもらえるのか楽しみです。」と述べた。
<ティーチイン>
上映後、温かい拍手に迎えられて再び登壇した3名。司会者より「上映中みんな泣いていました。原作と監督が伝えたいこととの折り合いをどのようにつけ、どのような点をポイントにして映画を作ったのか」という質問に対して監督は「原作はノンフィクションでもありますが、エンタメとして完成された作品だとおもいました。人生を描く力とセリフの魅力は原作にもともとあったものでした。僕が映画にしたかったのは、虐待問題の問題提起のためではなく、原作から人生は循環できること、という大きな気づきを得たからです。辛い記憶や放置してしまっている心の傷をだれもが抱えていると思うんですね。今を生きている自分が得た愛情をかつての自分に渡してあげることができる。そのことを一番伝えたいと思い、映画自体も循環するような作りにしています。」と原作の魅力、そして映画化にかけた思いを語った。
また、主人公のタイジを演じた太賀とのエピソードを聞かれた吉田羊は、太賀との共演が本作で3作品めになることを明かしながら、「これだけきちんとセリフを交わしてお芝居をしたのは今回がはじめてです。今回私がこのお仕事を引き受けた一番の大きな理由は太賀さんときちんとお芝居をかわしてみたいと思ったからです。」と話しながらも、「役の設定上、私は彼を拒絶している役だったので、現場では彼とできるだけ話をしないようにしていました。」と告白。
「現場で太賀さんと対峙していると、どこか太賀さんに心を見透かされているような、母として『お前は失格だ』と言われているようなそんな気持ちだったんですけど、撮影後に彼から『母の気持ちを知りたくて、母は何をかんがえているんだろうとむしろポジティブな気持ちで見ていました』と聞いて、このズレが親子関係であり、コミュニケーションを取らずに現場で過ごせたことは正解だったなと思いました。それは確実に作品にも出ていると思っています。」と確かな手応えを語った。
また、劇中感情を高ぶらせ、激しくぶつけるシーンが多かったことへの苦労を聞かれると「子どもを相手に暴力を振るうシーンというのは、とてもしんどいものがありました。」と子ども時代の主人公との共演シーンを挙げた。「お芝居で彼を殴らなければいけないということもそうですし、カメラが回っていないところで、私は子どものタイジにも一切手を触れず、関わらないようにししていました。『自分は嫌われていると思っていた』と、クランクアップの日に彼に言われ『私はあなたのことが大好きです』と、ぎゅっと抱きしめました。」と心痛いエピソードも語った。
原作者の歌川たいじへは、同じような境遇にいたという観客から、姉との関係性についての質問が投げかけられた。姉は母からの暴力を受けることはなかったが、「母が亡くなったあと、姉とじっくり話し合う機会があったんですけど、『あなたがやられている時、私も居場所が無かった』と聞かされ、姉もつらかったんだなというのがその時にわかりました」と語り、「仲良しかと言われると普通ですが、数少ない肉親のひとりなので、これからも関係性を大切にしていきたいと思っています。」と締めくくった。
20年以上、母の愛をあきらめなかった息子の実話
親からも友達からも愛されたことがない青年が、壮絶な過去を乗り越えて、自分を拒絶してきた母の愛をつかみ取るまでの奇跡の実話『母さんがどんなに僕を嫌いでも』。主人公・タイジを演じるのは、若手俳優のなかでも演技力の高さに定評のある太賀。タイジを心身ともに傷つけてしまう母・光子役には、実力と人気を兼ね備えた女優・吉田羊。タイジを支える友人役を森崎ウィン、白石隼也、秋月三佳が好演し、他にも木野花をはじめとした実力派俳優陣が脇を固めている。
アジアが誇る優れた作品を紹介「アジア映画の窓」部門で上映!
「アジア映画の窓」部門は、さまざまな視点とスタイルを持つ、アジアが誇る才能豊かな映画監督たちの優れた作品を紹介する部門。太賀、吉田の演技が映画祭関係者より称賛された本作は、釜山国際映画祭での上映がワールドプレミアとなり、現地時間の10月7日、8日の上映が決定している。吉田羊、御法川修監督、原作者の歌川たいじが舞台挨拶および、上映後のQ&Aに参加する。第23回釜山国際映画祭は、現地時間の10月4日から13日まで開催される。
ストーリー
タイジ(太賀)は小さい頃から大好きな母、光子(吉田羊)に愛されないまま、壮絶な家庭環境の中で育てられた。耐えかねて17歳で家を飛び出し、一人で生きてきたタイジだったが、友人の言葉に動かされ、母と向き合う覚悟をする。大人になっても自分を拒絶していた母に歩み寄り、タイジは母からの愛を取り戻すために立ち向かっていく。
作品タイトル:『母さんがどんなに僕を嫌いでも』
出演:太賀 吉田羊 森崎ウィン 白石隼也 秋月三佳 小山春朋 斉藤陽一郎 おかやまはじめ 木野花
原作:歌川たいじ「母さんがどんなに僕を嫌いでも」(KADOKAWA刊)
主題歌:ゴスペラーズ「Seven Seas Journey」(キューンミュージック)
監督:御法川 修
脚本:大谷洋介
制作プロダクション:キュー・テック
2018年/104分/5.1ch/シネマスコープ
配給・宣伝:REGENTS
公式サイト:hahaboku-movie.jp
コピーライト:(C)2018「母さんがどんなに僕を嫌いでも」製作委員会
11月16日(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座、イオンシネマほか全国公開!