ベストセラー『マンガでわかる!統合失調症』の中村ユキと高森信子が放つ統合失調症シリーズ第2弾!
「母との関係が、ギクシャクしていたあの頃。私の口から出ていた毒を薬に変えてくれたのが、高森先生のコミュニケーション術でした。」
このたび、統合失調症の方の回復力を高める、心穏やかに暮らすための接し方の工夫やヒントが満載の、まさしく処方箋のような一冊、『マンガでわかる!統合失調症 家族の対応編』(2016年10月31日発売)が誕生しました。
作者の中村さんの言葉をお借りすると、第一弾となる「マンガでわかる!統合失調症」(※2011年発売)は「病気に関する知識」の本ですが、第2弾の『マンガでわかる!統合失調症 家族の対応編』は「接し方」の本となります。日本評論社、ご担当編集者様の紹介文も交えて、この本を紹介させていただきます!
日本評論社、ご担当編集者様より
シリーズ第2弾『マンガでわかる!統合失調症 家族の対応編』(マンガ・構成 中村ユキ、原案・監修 高森信子)ができました!今回は開けてビックリの仕掛けもあります。
中村さんは、まさにいのちを削るような生みの苦しみを背負いながら書き下ろしてくださいました。高森先生の50年間の地道な活動を形にすることで、クスリだけではフォローできない部分に焦点を絞り、回復への道筋を一緒に考える本が完成しました。親御さんはもちろん、ごきょうだいに子ども、そして病の体験をされている方、福祉関係の従事者など、あらゆる方面の人間関係に役立つこと請け合いです!
『マンガでわかる!統合失調症 家族の対応編』
目次
第1章 統合失調症の人の気持ちを理解する
第2章 回復力を高める接し方
第3章 サポートの方法
中村ユキ
1973年生まれ。大阪府出身。
百貨店を退職後、上京し漫画家に転身。現在はフリーのマンガ家として紙媒体やWEB等で活動中。30年以上にわたり母の看病に寄り添いながらイラストの執筆活動を続け、2008年に「わが家の母はビョーキです」と題した母の闘病と自らの看病の記録をまとめたコミックエッセイが一躍大ベストセラーに。その後、講演など活動の幅を拡げながら、続編となる「わが家の母はビョーキです2 家族の絆編」を発表するなど、著書多数。
公式サイト:ゆきたきHP
ブログ : ちゅまログ [anemo(アネモ)ブログ]
マンガ : Web版「夫婦三昧」
「マンガでわかる!統合失調症 家族の対応編」新刊発売に寄せて /アネモ編集部 村岡
日常生活の中で、どれくらいの方が、この『統合失調症』という病名を聞かれたことがあるでしょうか?この病気は、個人差がありますが、ある日突然、いきなり病気になるわけではなく、また、現代医学において、血液や最新機器などから判定できる数値などで判定できるものでもなく、いつのまにか、気が付いたら、どうしようない状況に陥っていた、、、というのが私の感覚です。
私は、作者の中村さんと縁あって、彼女の活動を長年に亘り見てきました。その、彼女の軌跡は、大ベストセラーとなった「わが家の母はビョーキです」「わが家の母はビョーキです2 家族の絆編」ほか、発表されている数々の作品でご覧いただけます。まだ読まれていない方は、ぜひこの機会にお手に取ってみてください。
中村さんの言葉や表現は、体験者でしか描けない、伝えられないものばかりです。彼女の本には、30年以上の経験からなる、ご自身の実体験から得た、大変貴重なアドバイスが全ページにわたり詰まっています。
家族としての立場で、いま苦しみを抱えている方、そして、これから、この病気と向き合うことになるかもしれない方、この病気と闘っておられる方に、少しでも楽になってほしいという想いに溢れています。描かれている漫画の枠を遥かに越えて、すべての読者に語りかけています。
本を閉じても、彼女の言葉と想いが溢れでてくる、それくらいの豊かな愛情を私たちに届けててくれています。
病院やドクターによっては、患者の治療以外に、家族のケアが置き去りにされているケースを耳にします。だからこそ、いま、もしも同じように苦しんでいらっしゃる、悩んでいらっしゃる方がいれば、すぐにでも、この本をお読みください。
高森先生の後書きに、“神様から派遣されたかのような方と出会ったのです”という言葉がありましたが、まさに、この本を手に取られた方、この本の存在を目にした方は、神様からのメッセージだと思って、ページを開いてください。そして、もしも、周りに同じように苦しんでおられる方がいれば、どうか、この本を手渡してあげてください。
家族が病気になった時の様々な感情の混乱に対して、高森先生は、“どれもが「悪い」とか「いけない」とかいうものではないこと”、“深刻な病に直面して何とかそれに立ち向かおうとした時に、誰もが経験する当たり前の反応です”と語られています。
これらの言葉は、病気の家族や友人、大切な人と向き合ってきた(今も)、すべての方の苦しみ、悔恨、自責の心を解放する救いの言葉です。
この病気への対応を知っている、知らない、たったそれだけで、状況が天と地の差ほど変わることを作者の中村さん、高森先生は渾身を込めて教えてくれています。
家族ほど、身近にいる人間ほど、この病気に対する適切な認識と対応に遅れが生じるように感じています。そこには、愛する者(家族・友人・知人)の変わりゆく姿を、冷静に受け止めることができない、受け入れることができない、何よりも病気などに、この子が、この人が、“変わるわけはない”という絶対的な希望と信頼が邪魔をして、すべての状況に心のシャッターを強烈に降ろしてしまう愛情故の葛藤が中村さんの著書の数々に描かれています。
ですが、病気を理解することで、失敗を繰り返しながらも、適切な対応を繰り返すことで、ずっと苦しい状況が続くわけではなく、いつしか、長い暗いトンネルから抜け出せることを、この本は教えてくれています。読者の皆様は、確実にトンネルの先の“光”を見いだしていただけるはずです。
個人個人のケースがあり、もちろん、本を手にしただけで、魔法のように全てが一瞬で変わるわけではありません。そこには、本の表紙にもなっている作者のお二人の“手”をご覧ください。
この手の形は、「I・L・Y」3つを合せて手話の「I LOVE YOU」を意味しています。
患者だけではなく、まずは、自分の心をどれだけ平安に保てるのか、それが、愛「I・L・Y」を育むベースとなり、治療に向けての、家族の幸せのための第一歩になるのだと思います。
最後に、この本の中村さんの言葉をご紹介いたします。
“笑っている家族(みんな)は 未来のあなた
みんなたくさん泣いた けれど たくさん笑えるようになりました
だから・・・ あなたも”
マンガでわかる!統合失調症 家族の対応編(2016年10月末刊行)
『マンガでわかる!統合失調症 家族の対応編』
(マンガ・構成 中村ユキ、原案・監修 高森信子)
■本体価格1400円+税
■出版社: 日本評論社