不条理劇の傑作「ゴドーを待ちながら」に挑む柄本家の親子3人を追ったドキュメンタリー『柄本家のゴドー』が、4月20日(土)より渋谷ユーロスペースにて公開となる。
人気俳優として映画、テレビで活躍する一方で、演劇ユニット“ET×2”を組む柄本佑・時生兄弟。2014年、ふたりはサミュエル・ベケットによる不条理劇「ゴドーを待ちながら」の公演に挑んだ。2017年、父親の名優・柄本明を演出に迎えて、再びゴドーに挑戦する。その稽古場にドキュメンタリーカメラの名手・山崎裕が立ち会った。演出家と俳優の関係を超え、父から子への芸の伝承の厳しさと暖かさに溢れる時間の記録である。
キャストコメント
「何もやらないという時間をみつけたということじゃないかな。待つという時間・・・待っている人・・・」
―柄本 明(えもと あきら)
1948年生まれ、東京都出身。
1974年、自由劇場に参加し俳優活動を始める。1976年、劇団東京乾電池を結成。座長を務める。1998年、映画「カンゾー先生」(今村昌平監督)にて第22回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。以降、数々の映画賞を多数受賞する。映画のみならず、舞台やテレビドラマにも多数出演するとともに、舞台の演出も数多く手がけている。2011年には紫綬褒章を受賞。
「一生続けていける作品に出合ったなという手応えみたいなものを、ふたりとも感じた・・」
―柄本 佑(えもと たすく)
1986年生まれ、東京都出身。
2003年公開の映画『美しい夏キリシマ』(黒木和雄監督)で主演デビュー。同作品で第77回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞、第13回日本映画批評家大賞新人賞を受賞。2018年に公開した主演映画3作品で第92回キネマ旬報ベスト・テン 主演男優賞、また『きみの鳥はうたえる』(三宅唱監督)で第73回毎日映画コンクール 男優主演賞を受賞
「自分の中で最高峰、やるんならゴドー、やるんなゴドーでしょ、というのがでかかった」
―柄本 時生(えもと ときお)
1989年生まれ。東京都出身。
2003年、映画 Jam Films S『すべり台』(主演/2005年公開)のオーディションに合格し、デビュー。2008年、『俺たちに明日はないッス』で初主演。同年数々の映画で活躍し、第2回松本CINEMAセレクト・アワード 最優秀俳優賞を受賞。舞台、映画、テレビドラマと幅広く活躍している。最新作に『旅の終わり、世界のはじまり』(2019年初夏公開、黒澤清監督)がある。
著名人コメント
柄本明さんが息子たちの目の前で自らやってみせる芝居を見ながら、異才の人 の元に生まれることもまた残酷だなあ、 と思った。それでも息子たちは屈託もなく楽しげで、父もまた、愛おしそうに彼らを眺めている。
―西川美和(映画監督)
柄本さんの禅問答のような、宇宙のような、森羅万象のような…。 言葉や存在の有り様に戦き、その引力に否応無く惹かれます。
―李相日(映画監督)
俳優柄本明が、ふたりの息子の演じる芝居の稽古をつけながら、クック、クックと肩をゆらして笑っている。実に楽しそうに。そして、急に顔に両手の握りこぶしをあてて、真顔で睨む。やっぱり柄本明は、なかなか変で素敵に面白い。こんなオヤジの息子は大変だ。二人掛かりで立ち向かおうと、必死だね。
―串田和美(俳優・演出家)
『ゴドーを待ちながら』は、その時代の潜在的不安や希求が表れてくる作品だが、『柄本家のゴドー』は、まさに平成のぼんやりとした不安が醸し出されている。
―石橋蓮司(俳優)
演出:山崎 裕(やまざき ゆたか)
1940年生まれ。東京都出身。
1963年日本大学芸術学部映画学科卒業。以後、フリーランスカメラマンとして、記録映画、CM、テレビドキュメンタリー、テレビドラマ等で活躍。1988年、是枝裕和監督の「ワンダフルライフ」で劇場用映画の撮影を担当、以降、映画、ドキュメンタリー、コマーシャル、ドラマ と幅広く仕事を続けている。
2010年、劇場映画「Torsoトルソ」を自らが監督、撮影を行う
作品タイトル:『柄本家のゴドー』
出演:柄本明 柄本佑 柄本時生
劇団東京乾電池のみなさん
撮影・演出:山崎裕
構成・編集:五十嵐久美子
撮影助手:小寺安貴
カラコレ:織山臨太郎
選曲:増子彰
プロデューサー:橋本佳子/山崎裕
2017年/64分/Blu-ray/カラー
制作:104 co.ltd.
配給:ドキュメンタリージャパン
公式HP:http://www.emotoke-no-godot.com
2019年4月20日(土)より渋谷ユーロスペースにてロードショー