2018年カンヌ国際映画祭批評家週間「GAN基金賞」受賞、カンヌが注目するインドの女性監督ロヘナ・ゲラの長編デビュー作「SIR」改め、邦題『あなたの名前を呼べたなら』が、8月2日(金)よりBunkamuraル・シネマほかにて全国順次公開する運びとなった。
ムンバイ出身で、アメリカで大学教育を受け、助監督や脚本家としてヨーロッパでも活躍するなど、インドと欧米という2つの視点を持つ女性監督が、差別が残るインド社会に変革を起こしたいという情熱で作り上げた本作。厳しい身分制度や因習を乗り越えて愛を育む男女の物語は、インドではまだ本作のスタッフやゲラ監督の家族ですら「絶対に起こり得ない物語」と断言するタブーなのだ。
逆境をはね飛ばして夢に踏み出すラトナを演じるのは、『モンスーン・ウェディング』(’01)のティロタマ・ショーム。彼女自身もインド映画界を離れてニューヨーク大学の演劇教育の修士号を取得し、貧困や暴力に苦しむ人々のために活動した経験を持つ芯の強い女性だ。
また、『裁き』(’14)のインド系シンガポール人のヴィヴェーク・ゴーンバルが、ラトナのやさしさとおいしい食事に癒され、心のままに生きようと目覚める御曹司アシュヴィンを演じる。
フランス仕込みのシックなインテリアや、ラトナが目を輝かせる布市場の路地など、ムンバイのおしゃれな一面も楽しい見所だ。
懐かしくて勇気が湧いてくる恋と目覚めの物語があたたかな喜びを連れてくる『あなたの名前を呼べたなら』。
公開決定と同時解禁された、2人が断然されている距離感を表現しつつも、異国情緒あふれるカラフルで美しいビジュアルからも、期待が高まる作品だ。
ストーリー
近くて遠い二人の世界が交差した時―。
経済発展著しいインドのムンバイ。農村出身のメイド、ラトナの夢はファッションデザイナーだ。夫を亡くした彼女が住み込みで働くのは、建設会社の御曹司アシュヴィンの新婚家庭・・・。のはずだったが、結婚直前に婚約者の浮気が発覚し破談に。広すぎる高級マンションで暮らす傷心のアシュヴィンを気遣いながら、ラトナは身の回りの世話をしていた。ある日、彼女がアシュヴィンにあるお願いをした事から、2人の距離が縮まっていくが・・・。
作品タイトル:『あなたの名前を呼べたなら』
出演:ティロタマ・ショーム(『モンスーン・ウエディング』)、ヴィヴェーク・ゴーンバル(『裁き』)、ギータンジャリ・クルカルニー(『ガンジスに還る』)
監督・脚本:ロヘナ・ゲラ
2018年/インド・フランス合作/ヒンディー語・英語・マラーティー語/ビスタ/デジタル5.1ch/99分
後援:日印協会
提供:ニューセレクト
配給:アルバトロス・フィルム
公式サイト:anatanonamae-movie.com
コピーライト:(c)2017 Inkpot Films Private Limited,India
8月2日(金)より、Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開