イギリスの隠れキリシタン
パトちゃんと私は、ときどき意味もなく本屋をウロウロするのが好きなんやけど、ウロウロしていると、バーゲンで素敵な絵本を見つけた。
The Twelve Days of Christmasというクリスマスキャロルを元に描かれている---と、ここで、なんでクリスマスが12日間なん?となるかもしれないけど、キリスト教では、1月6日の公現祭(Ephiphany)までの12日間をクリスマスとして祝う。公現祭っていうのは、東方の三賢者(Magi)が、キリストの誕生を祝って来た日で、キリストが神性を表した日とされている・・・・・うっ、もうここまでで、宗教、歴史が得意でない私は、頭がぐるぐるや~
とりあえず歌はYouTubeから聞ける ←The 12Days Christmas
The12 Day of Christmasは、「ジングルベル」とか「きよしこの夜」ほど日本人になじみはないと思うけど、かなり有名なクリスマスキャロル。
歌詞は、数え歌になっていて、My true love(私の愛しい人)がクリスマスの12日間、毎日プレゼントをしてくれるというもの。
クリスマスの1日め、My true loveが私にくれたのは、「梨の木の中のヤマウズラ」
クリスマスの2日め、My true loveが私にくれたのは、「2羽のキジバトと、梨の木の中のヤマウズラ」
クリスマスの3日め、My true loveが私にくれたのは、「3羽のフランスの雌鳥と、2羽のキジバトと、梨の木の中のヤマウズラ」・・・というふうに数えられていく。
「どんだけプレゼントもらうのん?」という事で、計算してみると
ヤマウズラ 1x12=12
キジバト 2x11=22
フランスの雌鳥 3x10=30
さえずる小鳥 4x9=36
金の指輪 5x8=40
卵を産むガチョウ- 6x7=42
泳ぐ白鳥 7x6=42
乳搾りの娘 8x5=40
踊る貴婦人 9x4=36
飛び跳ねる領主 10x3=30
笛を吹く人 11x2=22
ドラマー(鼓手) 12x1=12
・・・で、合計364個のプレゼントをもらう事になる。これを当年の物価にあわせると、いったいどのぐらいの価格になるのか?真面目に分析しているところがあるんやなあ、これが・・・
2008年では、合計$21080.10
詳細はPNC Financialのリンクで見れる。チャートがクリスマスケーンになっていてかわいい。
この歌、一見ただの「数え歌」やけど、実は秘密があったらしい・・・というのは、この歌ができた頃(1558年~1829年ごろ)のイングランドでは、エリザベス女王の「統一令」のもと、カトリック信仰が禁止されていた。イギリス版隠れキリシタン・・・とうか、隠れカトリックの暗号という説がある・・・ああ、私には複雑な歴史が、もうわからん・・・・→イギリスにおけるカトリック禁止について Wikipedia
どのように暗号だったのか???あんまりキリスト教の事がわからないので、ちょっとずつ勉強中やけど、色々調べたところによると・・・・・
12日間、プレゼントをくれつづけた My true love:主、神様
1羽のヤマウズラ:イエスキリスト
2羽のキジバト:2つの聖書(旧約、新約聖書)
3羽のフランスの雌鳥:3つの徳「信仰」「希望」「愛」
4羽のさえずる小鳥:4人の福音書の著者、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ
5つの金の指輪:モーゼの5書
6羽の卵を産むガチョウ:天地創造の6日間
7羽の泳ぐ白鳥:7つの秘跡(知恵、理解、勧め、堅忍、知識、篤信、神への畏れ)
8人の乳搾りの娘:真福八端
9人の踊る貴婦人:聖霊の9つの果実(愛、歓び、平和、忍耐、親切、善良、誠実、優しさ、自制心)
10人の飛び跳ねる領主:モーゼの十戒
11人の笛を吹く人:11人の忠実なイエスキリストの弟子(ユダを除く)
12人のドラマー(鼓手):12の使徒
ううっ、世界史もわからんのに、キリスト教の事がかかわると、もっとわからぬ・・・敬虔なカトリック教徒のパトちゃんを理解するには、クリスマスの時ぐらいは、カトリックを勉強してみようと思うのであった・・・
パトちゃん、絵本を買ってくれて、早口言葉みたいなこの歌を12番まで歌って聞かせてくれて、どーもありがとう~