『アンネ・フランクと旅する日記』がTOHOシネマズ シャンテ他にて全国公開される。
2009年にユネスコの「世界記憶遺産」に登録され、「世界で最も読まれた10冊」のうちの1冊に挙げられた「アンネの日記」。これまで幾度となく映像、舞台化されてきたが、本作はアニメーションでしか表現し得ないアプローチで、アンネ・フランクの生涯を、彼女が生み出した“空想の友達”キティーの視点でたどっていく。
監督は、<アニメーション映画>として初めてアカデミー賞(R)<外国語映画賞>にノミネートされ、ゴールデングローブ賞を受賞した『戦場でワルツを』のアリ・フォルマン。「アンネの日記」をもとにイマジネーションと遊び心に満ちた現代のパートを新たに創出、ふたりの少女の姿を等身大に瑞々しく描いた。キティーと旅した私たちは、閉ざされた日々にあっても人生を肯定したアンネの美しさを再発見するとともに、今、世界で何が起きているかを再認識させられる。彼女が願い続けた「すべての人が尊重されること」。この祈りにも似た物語は、未来を信じたアンネから、現代によみがえったキティーを経て、観るものすべてに手渡される希望のバトンとなることだろう。
しなやかで可愛らしいキャラクターの動きが魅力的な本作だが、彼女たちの物語を彩る音楽も何とも聴き心地の良い美しい曲ばかりだ。予告編では4曲が使用されているが、聴く者に透明感溢れる爽やかな印象を抱かせるだろう。
本作の劇判を担当したのは、NYブルックリンを拠点に活動するポップ・デュオMGMTのベン・ゴールドワッサー。MGMTは2010年にグラミー賞「最優秀新人賞」にノミネートされ、また、これまでに6度の来日を果たし、直近では2018年のフジロック、2019年のサマーソニックでのパフォーマンスが記憶に新しい。ベンはMGMTの活動でも数多くの楽曲を制作してきたが、長編映画への作曲家としての参加は今回が初めて。今まで『キングス・オブ・サマー』、『キッズ・オールライト』にそれぞれ「The Youth」という楽曲を提供するなどはしているが、作品全編に渡り彼の世界観が浸透している映画は本作だけだ。
そんなベンと今回タッグを組んだのがヤー・ヤー・ヤ―ズのフロントウーマン、カレン・Oだ。ニューヨーク出身のオルタナティブロックバンドで、これまでに2度のフジロック出演を果たしている。カレン独自の活動としては、スパイク・ジョーンズ監督の『かいじゅうたちのいるところ』で長編映画の作曲家としてデビュー。その後同監督の『her』へ「The Moon Song」という穏やかで包み込むような楽曲を寄せているが、デヴィッド・フィンチャー監督の『ドラゴン・タトゥーの女』で「移民の歌」を「アアアーアー!」と力強く歌っているのも彼女だということを忘れてはいけない。公開を控えている『SING/シング:ネクストステージ』にも楽曲を提供しており、益々目の離せない一人だ。
アンネの親友キティーが氷上を優雅に滑るシーンで流れる音楽にこそ、この二人がコラボレーションをして初めて生まれる美しさが詰まっている。アンネが生きた時代を鮮やかに演出し、キティーの冒険を優しく応援する数々の名曲を、是非スクリーンで体感してほしい。
ストーリー
「不思議だわ。これほど人間の邪悪な面を見てきても、今なお心の底で私は信じてる。人間の本質は“善”なのだと―――」
現代のオランダ・アムステルダム。激しい嵐の夜、博物館に保管されているオリジナル版「アンネの日記」に異変が起きた。突然、文字がクルクルと動き始めて、キティーが姿を現したのだ!時空を飛び越えたことに気づかないキティーだったが、日記を開くと過去へさかのぼってアンネと再会を果たし、日記から手を離すとそこには現代の風景が広がっていた。目の前から消えてしまったアンネを探して、キティーは街を疾走する……。
作品タイトル:『アンネ・フランクと旅する日記』
声の出演:ルビー・ストークス/エミリー・キャリー
監督・脚本:アリ・フォルマン(『戦場でワルツを』)
原案:「アンネの日記」(ユネスコ「世界記憶遺産」2009年登録)
協力:アンネ・フランク基金
2021年/ベルギー・フランス・ルクセンブルク・オランダ・イスラエル/英語/99分/ビスタサイズ/5.1ch
原題:Where Is Anne Frank/日本語字幕:松浦美奈/映倫:G
後援:オランダ王国大使館/イスラエル大使館
配給:ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト:happinet-phantom.com/anne
公式Twitter:@anne_movie2022
コピーライト:(C) ANNE FRANK FONDS BASEL, SWITZERLAND
3月11日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
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